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池田 来翔(ロッテ)内野手のルーキー回顧へ







池田 来翔(国士舘大4年)二塁 180/95 右/右 (習志野出身) 





 「これだ!」





 生で観戦していると、たまに私が探していた選手は これだ! と確信させてくれる選手がいる。今年において初めてその感覚を抱かせてくれたのが、この 池田 来翔 だった。特に投手ならば1年に一人ぐらいはいそうなのだが、野手の場合なかなかそういった選手に出くわすことはない。


(守備・走塁面)

 「強打の二塁手」というと、いまスタメンで活躍している 牧 秀悟 (中央-DeNA2位)。彼に比べると、守備範囲広さやボールさばきなどのスピード感などは、ワンランクは上のように思える。牧の場合は、上手くはないけれど丁寧にやるというのが持ち味だったが、池田はプロでもセカンドとして評価できるだけの守備力を有している。ドラフト候補としても、中の上~上の下 ぐらいの二塁手とは評価できるのではないのだろうか。ショートは無理だとしても、サードでの適性も充分にありそうだ。

 残念ながら、一塁までの到達タイムは計測できず。体格の割に動ける選手であり、盗塁をバシバシ決められるかは別にしても、走力で足を引っ張ることはなりそうだ。このへんは、 ぐらいの脚力とみているが、もう少し今後の観戦で見極めてゆきたい。一応プロフィールとしては50メートル6秒1であり、習志野時代は1番打者として活躍していた。





(打撃内容)

 先週観戦に行った時は、ランナーがいない場面で敬遠されてしまい勝負してもらえず。今回は、最終打席こそ結果を残せなかったが、4打数3安打と甘い球を逃さず打ち返していた。この春は、10試合 1本 2点 1盗 打率.333厘(4位) という成績で、数字的には突出したものではなかった。ただし、東都二部では警戒されて、まともに勝負してもらえることも少なかった。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 前の足を引いて、グリップを高めに添える強打者スタイル。背筋伸ばし、両眼で前見据え全体のバランスも悪くない。特に打席ではしっかり集中できており、好感の持てる構えだった。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングで、通算3本塁打が示すように対応力の方が長打よりも色彩が強い打者なのかもしれない。

<足の運び> ☆☆☆☆ 4.0

 足をあげて、地面をのぞるように回し込み真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたい万能型。

 踏み込んだ前の足も、しっかり止まってインパクト。逃げてゆく球や低めの球にも対応できるタイプだと思うが、基本は早いカウントから甘い球を逃さず叩く 好球必打タイプ だと考えられ、難しい球をヒットにするような打者ではないのではないのだろうか。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。スイング軌道にも癖はなく、インパクトまでロスなくボールを捉えられます。ボールに角度をつけて飛ばすというよりは、ヘッドも下がっておらず広い面でボール飛ばし、フェアゾーンにボールを飛ばすタイプか?それでも最後まで、力強く振り抜いて来る。そのため打球は強いが、本塁打を連発するというタイプではないのかもしれない。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げはあるものの、目線の動きは小さく安定。身体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。あまり右方向にというよりは、センターからレフト方向中心に打ち返すイメージ。軸足の内モモの筋肉も発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 いまは無駄な動きがなく、好い形でボールを呼び込めているのではないのでしょうか。こういった打撃が安定して出せるようならば、高いレベルの投手にも対応できるのではないかと考えられます。本当ならば、一部リーグの投手にどの程度やれるのか観てみたいところではあるのですが、大学ジャパンの選考合宿である平塚合宿に選ばれて、日本代表として国際大会の舞台でアピールしたいところです。


(最後に)

 打席に入るまでは、投手のフォームにタイミングを合わせようとか基本的にしないです。強打者らしく、打席に入る時はラインを踏んでも気にしない鈍感力があります。しかし、足場はしっかり慣らし軸足をしっかり踏みしめて自分の形をつくって立ちます。打撃へのこだわりは、それなり感じます。そして切り替えが素晴らしいのか? 打席での集中力は素晴らしいです。

 東都では二部の実績しかないため、スカウトも能力を測りかねているところはあろうかと。しかし二部での存在感は、別格だと言えるでしょう。できれば大学ジャパンの選考会・平塚合宿のメンバーに選ばれて、ぜひ国際大会などで活躍すれば評価も急騰しそうです。そういったものが無ければ、いくら東都二部で打っても中々上位指名とはゆかないのではないのでしょうか。

 しかし個人的には、こういった隙き無しの打撃を見せる選手は久々であり、高く評価したいところ。秋も継続して観てみたいと思いますが、能力的には上位指名を意識できるぐらいの突出した才能の持ち主だとみました。


蔵の評価:☆☆☆ (上位指名級)


(2021年 春季リーグ戦)