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桐敷 拓馬(新潟医療福祉大4年)投手の最終寸評へ







桐敷 拓馬(新潟医療福祉大4年)投手の春季寸評へ







桐敷 拓馬(新潟医療福祉大3年)投手 178/84 左/左 (本庄東出身) 
 




 「意外に実戦派」





 
 笠原祥太郎(中日)を輩出した新潟医療大において、またしてもプロを意識できるサウスポーが出てきた。その男の名前は、桐敷 拓馬 。地方リーグの逸材によくありがちな荒れ荒れの馬力型というよりも、マウンドさばきに優れた実力を兼ね備えたサウスポーだ。


(投球内容)

 中背のガッチリした体格から、コンスタントに140キロ台を記録する力強いボールを投げ込んでくる。リーグ通算では21試合に登板しているが、通算勝ち星は4勝と、まだ実績的には物足りない。

ストレート 常時140~140キロ台中盤 
☆☆☆ 3.0

 球速的にはドラフト候補としては平均的だが、球速以上にボールは来ている印象がある。また両サイドに散らすことができ、四死球はさほど出すタイプには見えなかった。しかし3年秋の成績を見る限り、35回1/3イニングで14四死球と、四死球率は 39.6% とやや多い。四死球率の目安は、投球回数の1/3以下であり、アマチュアの成績としてもアバウトな数字にはなっている。

 被安打は26本であり、被安打率は 73.6% であり、これは完全に基準を満たしている。被安打の目安は、80%以下だけにボールの威力は水準以上であるのは間違いないだろう。

変化球 スライダー・チェンジアップなど? 
☆☆☆★ 3.5

 スライダーでカウントを整えつつ、ボールゾーンに沈むチェンジアップやフォークなどで空振りを誘うのを得意としている。35回1/3イニングで48奪三振を奪っているように、投球回数を遥かに上回れる三振が奪えている。左腕ながら、左打者よりも右打者外角に沈む球を振らせるのが上手く得意としているのではないのだろうか。

(投球のまとめ)

 投球テンポが良く、マウンドさばきも堂々としている。140キロ台のストレートの威力も水準レベルあり、チェックした試合では制球力や変化球のレベルも悪くなかった。どちらかというと、先発よりリリーフタイプには見えたが、大学からのプロ入りを意識できる素材ではないのだろうか。春のリーグ戦次第では、充分に指名クラスに入ってきても不思議ではない。





(投球フォーム)

 では、フォームの観点から今後の可能性について模索してみたい。セットポジションから高い位置まで足を引き上げ、軸足一本で立った時にも膝には余裕はないものの適度にバランス良く立てている。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻も適度に三塁側(左投手の場合は)に落とすことができ、身体を捻り出すスペースを確保。カーブやフォークといった球種を投げるのにも、無理は感じられません。

 「着地」までの地面の捉えもそこそこで、身体を捻り出す時間もそれなりといった感じ。武器になるほどの変化球を習得できるかは微妙ですが、多彩な球種を操れる土台はあります。実際の投球でも、右打者の外角低めにチェンジアップだかフォークを振らせるのが上手く、この球が決め球にはなっています。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆ 4.0

 グラブも最後まで内に抱えられ、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。そのため軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすい。足の甲での地面の捉えも良く、浮き上がろうとする力も抑えられている。そのため高めには集まり難いはずだが、時々抜ける球があるので、リリース時のボールの押し込みが甘いのかもしれない。それでも「球持ち」も、けして早すぎる感じはしない。力まないでも投げられる時は、そんなに制球を乱さないのではないのだろうか。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆ 4.0

 お尻も適度に落とすことができ、カーブやフォークなどを投げても窮屈にはなり難いのではないのだろうか。また腕の送り出しを見ても、肩への負担も少なそう。多少力投派のところはあるものの、肩・肘への負担が少なそうを考えると、それほどナーバスになることはなさそうだ。

<実戦的な術> 
☆☆☆☆ 4.0

 「着地」までの適度な粘りは作れていて、打者としては合わせやすいということは無さそう。またボールの出どころも隠せているので、ボールが見えてきて一瞬で到達するような差し込まれやすいフォームではないのだろうか。

 腕も強く振れており、打者からは勢いがあって空振りを誘いやすい。ボールにも適度に体重を乗せてリリースできており、打者の手元までの勢いや球威も悪くない。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、大きな欠点は見当たらないし、全般的にレベルが高い。制球を司る動作も故障のリスクも少なそうだし、多彩な球種を操るだけの土台を持っている。決め手の部分でも、右打者外角の低めの球を振らせる術も確立できており、技術的には高いものを持っている。


(最後に)

 ある程度の馬力や勢いがありながら、フォーム技術や変化球レベル、それにハートの部分も良さそうだ。先発としてはまだどうかわからないが、短いイニングならば即戦力になれても不思議ではないとみている。ぜひ最終学年では、全国の舞台や大学日本代表など、高いレベルで存在感を示して欲しい選手である。


(2020年 春季オープン戦)