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川船 龍星(拓殖大4年)投手 180/80 右/左 | |
180センチの上背で、それほど大きくはない 川舟 龍星 。しかし真上から投げ下ろすので、球筋に角度 を感じさせる本格派だった。松本第一時代から、長野では注目されてきた存在。最終学年の春、拓大のエースとして 2勝3敗 防 1.52(3位) といった内容で役割を最後まで全うした。 (投球内容) ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。引き上げた足を曲げ伸ばししたあとに、角度をつけて投げ下ろしてきます。 ストレート 常時140キロ台~MAX91マイル・146キロ ☆☆☆ 3.0 球筋に角度を感じさせるだけでに、野手としてはやや芯で捉え難いかもしれません。コンスタントに140キロ台を記録し、要所では140キロ台後半をも投げこめる能力があります。気になるのは、結構高めに抜ける球が多かったりして、コントロールがアバウトな点でしょうか。この春41回1/3イニングで、四死球は14個。四死球率は33.9%であり、投球回数の1/3以下に抑え込めなかったところからも伺えます。 変化球 スライダー・カーブ・フォークなど ☆☆☆ 3.0 曲がりながら沈むスライダー、同じような軌道でさらに緩いカーブなどがあります。それに、少しツーシームのような逃げながら沈むフォークなどもあります。絶対的な変化球はない感じですが、コンビネーションで打ち取りにきます。41回1/3イニングで、奪三振は33個。1イニングあたりの奪三振は、0.8個と先発投手としてはちょうど基準レベルです。 その他 クィックは1.0秒と高速で、牽制も適度に鋭いものを織り交ぜてきます。繊細な制球力や巧みな投球術があるタイプではありませんが、投球以外の部分の動きは悪く有りませんした。 (投球のまとめ) 現状まだバラツキもあり、絶対的なものは感じられません。しかし、力を入れて投げれば140キロ台後半を連発する能力もあります。現状は、下位~育成あたりで指名する球団があるかといった内容なのですが、将来性を秘めた素材だけに伸び代は感じられます。有力社会などで2年後を見据えるのか? 大学からどんな条件でもプロ入りを目指すのか? どういった進路を選択するのか気になるところです。 (投球フォーム) 足を引き上げる勢いや高さは平均的で、軸足一本で立った時には膝がピンと伸びがちなのは力みが感じられて気になります。そのときに上手くバランスが取れていないと、制球が悪い投手が多いので。 <広がる可能性> ☆☆★ 2.5 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は完全にバッテリーライン上に落ちています。そのため身体を捻り出すスペースが確保できていないので、カーブやフォークといった球種には適さない投げ方です。 しかしながら、「着地」までの地面の捉えは、前に上手く逃がすことができそれなりに。身体を捻り出す時間は充分というほどではありませんが、着地が早すぎることはありません。カーブで緩急をつけたりフォークのような縦に鋭く落ちる変化球に関しては疑問ですが、スライダーやチェンジアップなどの曲がりはある程度期待できるかもしれません。特にスライダーは、カーブのような軌道をたどる独特のものがあります。 <ボールの支配> ☆☆★ 2.5 グラブは最後まで身体の近くで抱えられており、外に逃げようとする遠心力は内に抑え込めています。したがって軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすいかと。しかし足の甲の地面への捉えが浅く、力を入れて投げると高めに集まりやすい傾向にあります。さらに「球持ち」も浅いので、ボールが抜けやすい傾向にありそうです。高低の制球に、課題があることがわかります。 <故障のリスク> ☆☆★ 2.5 お尻が落とせないフォームの割に、カーブやフォークを投げているので、窮屈になって肘への負担が心配です。また、腕の送り出しも、グラブを持っている肩が下がりボールを持っている肩が上がり気味で、多少なりとも肩にも負担は感じられます。けして力投派ではないので、疲労は溜めにくいのは救いなのですが ・・・ 。故障には充分注意して、ケアに努めてもらいたいものです。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りはそれなりに作れており、ボールの出どころも隠せているので、打者としては合わせやすいわけではないだろう。さらに角度のある球筋で、芯はハズレやすい。この春は、41回1/3で被安打は34本。82.2%という被安打率を、東都二部の成績でどうみるかは微妙だろうか。 腕はしっかり振られているので、打者としては吊られやすい気がします。まだボールにしっかり体重を乗せきる前にリリースしている感じで、これがグッと前に乗って来るとさらにボールに存在感が出てくるのではないかと考えられます。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」と「体重移動」に課題を残していることがわかりました。また故障のリスクがあり、高めへ集まりやすいコントロール。将来的に、武器になる変化球を修得して行けるのかという部分での不安は残ります。フォームの観点でいえば、リスクの高い素材であるようには感じます。 (最後に) 現状は、まだ絶対的な内容ではありません。伸び代は秘めた素材だと思うので、社会人あたりでワンクッション置いて成長を促してからでも、プロ入りは遅くはないのかなと感じます。秋も確認したいと思っていますが、現時点では ☆ をつけるまでの評価には至りませんでした。 (2021年 春季リーグ戦) |