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中野 拓夢(24歳・三菱自動車岡崎)遊撃手の最終寸評へ








中野 拓夢(23歳・三菱自動車岡崎)遊撃 172/67 右/左 (日大山形-東北福祉大出身) 
 




 「気にしたことがなかった」





 東北福祉大時代は、名前こそ記憶にあるがプレーを気にしたことがなかった 中野 拓夢。12月に行われたアジアウィンターリーグでは、打率.371厘の好成績を残しドラフト戦線でも注目される存在になった。


(守備・走塁面)

 一塁までの到達タイムは、左打席から4.1秒前後とドラフト候補としては平凡なタイム。しかし昨年の公式戦の成績では、123打数で5盗塁を記録するなど、もう少し速いタイムでの駆け抜けも期待できるのではないのだろうか。福祉大時代には、3年春に6盗塁を記録。しかしそれ以外のシーズンでは4盗塁以下であり、走力を全面に出すというほどではないようだ。

 遊撃手としては、細かいステップが刻め軽快な印象を受けた。スピード感もあって守備範囲も広そうで、強肩というほどではないがスローイングは安定している。いずれにしてもプロレベルでも、ニ遊間候補として勝負して行ける守備力はありそうだった。今年は生でみて、プロのショートとして勝負して行けるレベルにあるのか見極めて行きたい。

 現状は、走力も守備も、中の上 ぐらいなのかなといったイメージで、プロ入りを実現するためには打力が大きな鍵を握るのではないのだろうか。


(打撃内容)

 都市対抗の時には、2番・遊撃手として出場。日本選手権では、3番打者として出場していました。アジアウインターリーグでも、主に3番打者として活躍するなど、打力にも一定の評価があることが伺えます。フォームは、都市対抗の時のものを参考にしてみました。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を引いた左オープンスタンスで、バットのグリップを余らせ短く持ち平均的な高さに添えています。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢も良く、全体のバランスの取れた良い構えではないのでしょうか。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が沈み始める前に、ベース側につま先立ちして構えます。しかし本格的に動き出すのは、投手の重心が沈み始めてからという、「早めの仕掛け」を採用。ベース側につま先立ちする選手は始動が極めて遅い選手が多いのですが、この選手にはそういった傾向が観られません。そのため、アベレージヒッターに多く観られる仕掛けだと言えます。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く上げて、ベース側に踏み出すインステップを採用。始動~着地までの「間」は取れていて、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。ベース側に踏み出すように、外角への意識が強いタイプかと。

 それでもバットを短く持ち、内角への球を引っ張ることも少なくない。ひょっとすると外角に弱さがあり、それを克服するためにインステップさせているのかもしれない。踏み出した前の足は我慢して止まっており、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができている。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めている。バットの振り出しは、上から振り下ろすインサイドアウトのスイング軌道。特に内角寄りの球をさばくのにはロスがなく、インステップでも甘めの内角球ならば対応できるのではないのだろうか。

 一方でバットを短く持っているのも相まって、バットのしなりを生かしたスイングではない。そういった意味で、プロレベルの球を打ち返すにはどうなのか?という不安は残るものの、インステップでしっかり踏み込むことで外国人投手相手でも結果を残せて魅せた。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは大きくはないものの、目線の上下動は並ぐらいか。身体の開きは我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。打撃の調子の波は、比較的小さなタイプではないかと考えられる。

(打撃のまとめ)

 特にタイミングのとり方に非凡なものは感じられなかったものの、スイング軌道にも無駄がなく、それを支える下半身も悪くなかった。しいて言えばインステップとはいえ、バットのしなりを活かせないスイングがプロで通用するのか?という疑問で不安が残る部分はある。また打撃でも、特別スケールなり魅力溢れる素材というよりは、あくまでも実戦的で完成度の高いタイプというのが、プロの目からみて魅力を何処まで感じるだろうか?


(最後に)

 打撃の完成度の高さは感じられるが、守備で何処まで魅力を感じるだろうか? イメージ的にはアマの好選手タイプであり、プレーを研ぎ澄ませてプロで通用するレベルまで引き上げられるか? 社会人2年目の今年、図抜けた存在感を示しプロを唸らせて欲しい。


(2019年 都市対抗)