20ky-43
寺本 聖一(広島経済大4年)右翼 170/85 右/左 (広島商出身) | |
4年前に、コロナのため急遽行われたプロ志望合同練習会。そこで異彩を放ちながらも指名漏れした 寺本 聖一。 地元の広島経済大に進み、1年秋からレギュラーに。この春も、チームの4番打者として、大学選手権でも存在感を示した。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの到達タイムは、左打席から 4.05秒前後 と、ドラフト候補としては平均的。3年秋のシーズンでは4盗塁し、この春も5盗塁を記録。実際は、このタイム以上の脚力を秘めていそうだし、攻撃的なプレースタイルからも、上のレベルでは走力を全面に出してくるかもしれない。 守備面:☆☆☆★ 3.5 打球への反応や落下点までの入りなどを観ていると、けして下手な選手では無さそうだ。何より試合前練習を観ていても、その強肩ぶりには目をひくものがある。こと肩に関しては、プロでも売りにできるレベル。あとは、送球の精度や中継への返球などの、制球面がどうなのか? という部分に若干の不安が残る。 走力も守備も、プロで売りにできるほどかと言われると微妙だが、水準以上のものがあるのは間違い無さそう。そういった意味では、ただ打つだけの選手ではない。 (打撃内容) この春は、2本塁打・9打点 打率.345厘 を記録。大学選手権では、チームの4番打者として、左中間へのツーベース含めて、4打数2安打 と存在感を示した。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いてカカトを浮かせ、グリップの高さは平均的な高さで添えている。背筋を伸ばしつつ全体のバランスとしてはそれなりだが、両眼でしっかり前を見据えて立てていた。それだけ、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができる。 <仕掛け> 平均 投手の重心が沈み込んだ底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者や、勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く観られる始動のタイミングだ。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて、ほぼ真っ直ぐに踏み出してくる。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出してくるので、内角でも外角でもさばきたいタイプなのだろう。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にブレずに我慢。したがって逃げてゆく球や低めの球に対しても、開きを我慢して食らいついてゆくことができそうだ。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めているところは好いところ。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトというほどではないものの、外角の球に対してはロスなくインパクトできている。 スイングの弧も大きく取り、バットの先端であるヘッドの下がりも少ないので、フェアゾーンにボールは飛びやすいのではないのだろうか。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはあっても、目線の上下動は静か。体の開きも我慢でき、軸足も大きくは崩れてはいない。軸足にも適度に粘りは感じられるものの、内モモの筋肉はそれほど発達していない。振り込み量が不足しているのかもしれないが、この辺を鍛えられれば、もっと力強い打球も増やせそうだ。 (打撃のまとめ) ボールを捉える能力が極端に優れているとは思わないが、技術的にも悪い癖は無く、甘い球を逃さず叩ける集中力も感じられる。スイングにひ弱さもないし、強く鋭く振れる選手であり、打つことに関しては、プロ級の素材であるのは間違いない。 (最後に) 充分にアピールできたと思われたプロ志望合同練習会の時でも指名漏れしている選手だけに、大学でのアピールがそのまま指名につながるかどうかは半信半疑。それでも育成枠も含めれば指名はありだと思わせる選手であり、攻撃的なプレースタイルは、プロ向きではないのだろうか? 今度こそ、プロ入りを実現して欲しい一人だ。 蔵の評価:☆(下位指名級) (2024年 大学選手権) |
寺本 聖一(広島商)右翼 169/77 右/左 | |
甲子園球場で行われた、西日本のプロ志望合同練習会。そこで最も野手で名をあげたであろう選手が、この 寺本 聖一 ではないのだろうか? 仮に合同練習会というものがなかったならば、ドラフト候補として認知されていない存在だったかもしれない。 (守備・走塁面) 残念ながら、一塁までの到達タイムは計測できず。しかし二塁打のおりの到達タイムは、8秒前後とかなり速い。ベースランニングを見ていても速く、盗塁をバシバシ決められるかは別にしても、守備範囲含めて試合における走力は、プロに混ぜても 中の上 レベルはあるとみて良いのではないのだろうか。 打球への勘や落下点までの入りを見ていても、けして下手な選手ではないように見える。遠投115メートルの強肩の持ち主で、ライトからの返球も実に力強く強肩だった。プロに混ぜても、上位クラスの送球で魅了する場面が出てきそうだ。今後の鍛えようによっては、プロでも右翼ならば卒なくこなせるぐらいの外野手になりそうだ。したがって、走力・守備で足を引っ張る、見劣るということは無さそうに思える。 (打撃内容) 上手さとパワーを兼ね備えた、強打者といった感じがします。特に吉田正尚(オリックス))ばりの上半身がはち切れそうなフルスイングができるのですが、それでいてミート力が高いというのは特筆もの。フリーバッティングでも、ミートポイントの確かさを実感させられました。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスもまずまずで、打席でも高い集中力が感じられる。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始めた時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。フルスインガーの強打者のイメージが強いのですが、ベースとなるのは対応力重視の始動にあるようです。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。速球を強く叩くだけでなく、低めのシンカーを上手く拾う場面も合同練習会では披露していました。 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。強靭な上半身の振りに対し、どっしりした下半身が上手く支えることができています。そのため逃げてゆく球や低めの球にも、しっかり捉えてレフト方向にも大きな打球を飛ばせます。 <リストワーク> ☆☆☆☆★ 4.5 打撃の準備である「トップ」の形を早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は無さそうです。内角の球に対しては、肘をしっかりたたんでインサイドアウトで上から最短距離に振り抜いてきます。その一歩で外角の球に対しては、けしてインサイドアウトにはならず、バットのしなりを活かし振ることができている。2つのスイングを、使い分ける技術をすでに持っています。 インパクトの際にも、外角の球をさばくときにはヘッドが下がらずに広い面で捉えることができます。そしてインパクト後は、非常に大きなスイングの弧とフォロースルーを使って、打球を遠くに飛ばすことができています。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは普通で、目線の上下動も並ぐらい。身体の開きは我慢できていますし、軸足の内モモの筋肉にも強さが感じれます。少し前方に傾いてのは気になるが、どっしりした下半身を元にバランスを崩すことなくフルスイングできています。 (打撃のまとめ) 高校生としては、極めて高い技術を持っています。そう大きく直す部分もなさそうですし、経験を積んでゆけば比較的短期間でプロのスピードやキレにも対応できるのではないのでしょうか。木製バットを握っても柵越を連発していたように、そういった心配も少なそうです。 (最後に) 170センチに満たない上背のせいか? 広島県下屈指の強打者としては知られていたものの、ドラフト候補としてマークしていた球団は少なかったのではないのでしょうか? しかし想像以上に走力も肩もあり、打撃に関しては逸材です。同じような体格ながらフルスイングを武器に本塁打王を獲得した、門田博光(南海~オリックス)のような大打者に育つかもしれませんね。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2020年 プロ志望合同練習会) |