20ky-42
佐々木 泰 (青学大3年)三塁 177/77 右/右 (県岐阜商出身) | |
「右打ちの強打の三塁手」ということで、一年春のような輝きを取り戻せば、一躍上位候補に躍り出ても不思議ではない 佐々木 泰 。しかし、入学直後に 4本塁打を放ち、打率.371厘 の好成績を残して以降は、それほどインパクトのある活躍はできていない。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの塁間は、速いときには右打席から 4.2秒前後で駆け抜けるスピード能力がある。このタイムを左打者に換算すると3.95秒前後に相当するなど、プロに混ぜても 中の上 クラスはある脚力だ。しかし東都通算67試合で3盗塁と、高校時代のような積極性は見られず、現状はあまり足でアピールしようという感じではなくなっている。 守備面:☆☆☆ 3.0 三塁手としての打球の反応、フットワーク・キャッチング・スローイングなどをみると、平均的な三塁手といった印象を受ける。高校時代は、ショートゴロを横からかっさらうぐらいの守備範囲があり、打球の反応も良く見えた。しかし、今はそこまで積極性は感じない。 投手としても高校時代は140キロを超えるような球を投げていただけあって、地肩は悪くなかった。しかし、当時は送球に難があった感じだったが、今は慎重にさばこうという意識が強いのか? それほど強い送球は観られない。 現状、守備も走力も平均的で、可も不可もない感じ。この辺が、最終学年で意識が変わってくる注目したい。 (打撃内容) いずれにしても、彼の売りは長打力を秘めた強打にある。3年秋のシーズンでは、2本塁打・4打点 をあげたが、打率は.176厘 と確実性に課題を残す。その原因が何処にあるのか? 考えてみたい。 <構え> ☆☆☆ 3.0 両足をほぼ揃えたスクエアスタンスで、前の足のかかとを浮かせて構えている。グリップを高めに添えて、腰はあまり沈めず、両眼での前の見据え方や全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターが多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を大きく引き上げて回し込み、真っすぐ踏み込んできます。始動~着地までの「間」は取れているのですが、彼の場合タイミングをうまく合わせているというよりも、大きく足を引き上げるために時間を多く使っている印象は受けます。また真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でも打ちたいというタイプなのでしょう。 踏み込んだ足は、早く地面から離れます。これは、追い込まれるまでは引っ張り中心に叩こうという意識が強いからだと考えられます。ただし、追い込まれてからは、センターから右方向への意識に切り替えるので、足元がしっかり止まって打ち返すことができています。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。ボールを呼び込むときに、肩が入り気味ではあるのですが、高校時代よりは癖が薄れている印象は受けます。 バットの振り出しにも癖はなく、インパクトのまでのロスは感じられません。ヘッドもそれほど下がっていないですし、大きな孤を描きつつ、最後まで思い切って振り切れています。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上下動が大きいので、目線はそれなりに動いています。体の開きは、追い込まれているときには抑えられています。ただし、軸足の形は崩れがちなので、調子の波は激しいタイプに見えます。 (打撃のまとめ) 確実性が高くないのは、大きななのを打とうという意識が強いのか? 体が動きすぎてミスを誘発しやすいのではないかと感じられます。けして、極端な欠点があるとか、スイング軌道が遠回りだとか、そういったことでは無い気はします。まだ本人の中で、長打と確実性のバランスがうまく取れていないのではないのでしょうか。 (最後に) 1年春に結果を残してしまったがばっかりに、ちょっと惰性で残りのシーズンを過ごしてきてしまったイメージはあります。もっと高校時代は、攻守にガツガツしたものがあったように思えたので。その辺が最終学年において、いかに輝きを取り戻せるかではないのでしょうか。それができたときには、ドラフトで上位指名も、意識できる時かもしれません。現状の内容だと、中位~下位指名かなといった感じに収まってしまうかもしれません。 (2023年 秋 神宮大会) |
佐々木 泰(県岐阜商3年)三塁 180/78 右/右 | |
非常に大きな弧を描くスイングで、スケール感たっぷしな 佐々木 泰 。大学進学を表明しているが、ぜひ高校からプロ志望届けを提出して欲しかった大型三塁手。一体、彼の何処が魅力なのか考えてみた。 (守備・走塁面) 一塁到達タイムは計測できなかったが、秋の岐阜大会では11試合で11盗塁と積極的に走るプレースタイルのようだ。動きを見ている限り、めっぽう足が速くは見えなかったが、プロの基準レベルぐらいの脚力はあるのではないのだろうか。 三塁手としては、一歩目の反応が良く守備範囲が広い。そのためショートゴロような当たりでも、横からかっさらってゆく。その反面、キャッチングに関してはやや危なっかしい。投手としても140キロ以上のボールも投げられるようで、送球にそれほど強さは感じられなかったものの、地肩もまずまず強いとのこと。 守備・走塁ともに、ちょっと能力は掴みきれなかった。そのへんは、大学などに進んでから能力を見極めて行きたい。 (打撃内容) 基本的に、センターからレフト方向に引っ張っる打球が多い。夏の交流大会でも、センター前にはじき返した他に、左中間スタンドに叩き込んで魅せた。 <構え> ☆☆★ 2.5 下半身は両足を揃えたスクエアスタンスなのだが、上半身はセンターカメラからみて背番号が読み取れるようにクロスになっている。グリップを高めに添えた強打者スタイルだが、腰の据わりはともかく、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしては少しいびつにはなっている。 <仕掛け> 平均 投手の重心が下がりきったところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度確実性と長打力を兼ね備えた、中距離ヒッターや勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆★ 2.5 足を上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプです。 しかし踏み出した前の足が、インパクトの際にブレて動いてしまいます。そのため外に逃げてゆく球や低めの球には、開きを我慢できずに上手くさばけないのではないのでしょうか。あくまでも現状は引っ張り切れる球じゃないと、結果が残せない恐れがあります。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は無さそう。振り出しもインパクトまで大きなロスはなく、バットの先端であるヘッドも下がらずに広い面でボールを捉えられています。 それほどボールに角度を付けて飛ばすタイプではないのですが、大きな弧を描き、フォロースルーもある程度使ってボールを遠くに運びます。打球も強烈ですし、上手く巻き込めた打球はスタンドインできるパワーがあります。 特に肘を上手くたたんでスイングができるので、腕を伸ばしたゾーンをきっちり叩くよりも、引っ張る打撃が得意なのも頷けます。大学では、外角の攻めに対処できる術やスイングを身につけることが求められるのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げもそこそこあり、目線の上下動もそれなりといった感じ。踏み込んだ足がブレるので、開きは充分我慢できません。そのため、軸足の形も崩れがちです。それでも内モモの筋肉は発達しているので、強烈な打球を生み出す原動力になっています。 (打撃のまとめ) タイミングのとり方は平凡ですが、けして脆いとか粗いとかいうのは感じません。スイングには癖がないので、あとは前の肩が入りすぎないように注意したいところ。クロスの形でボールを呼び込むのならば、センターからライト方向への打撃を意識しないと引っ掛けてしまうことが多くなります。 あとは足元が盤石ではないので、右方向への打球を意識してセンターから右方向に打つ時は、足元がブレないことを身につけるべきかと思います。そのへんができるようになると、幅が出てきたらプロでも通用する打撃が身につけられるのではないのでしょうか。 (最後に) 大きな弧を描くスイングには、打者としてのスケールを感じます。キャッチングには不安を感じますが、守備範囲は広そうで肩も強くプロでも三塁を担って行ける選手になるかもしれません。まずは大学で実績を残すことになるのですが、小さくまとまらないように注意して欲しいところです。いま志望届を出しても、中位(3位~5位)ぐらいの評価は得られるのではないのでしょうか。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2020年夏 甲子園交流大会) |