20ky-4
小深田 大地(履正社3年)三塁 178/89 右/左 | |
オフに作成した「本当に凄いやつ」では、体格や長打力で劣る 小深田 大地 は、先輩である 安田 尚憲(ロッテ)ではなく、フルスイングしながらも高い確率でボールを射抜ける吉田 正尚(オリックス)を目指すべきではないかと書いた。しかし最終学年の 小深田 の打撃を見る限り、安田選手側に傾いてしまった気がするのだ。 守備面:☆☆☆★ 3.5 三塁手としては、打球への反応も鋭く守備範囲も広い。球際でのキャッチングや送球の強さなども確かで、三塁手としてはかなり上手い。強打者でも三塁をしっかり守れるという点では、大きなアピールポイントになりそうだ。 走塁面:☆☆ 2.0 一塁までの塁間は、左打席から4.25秒前後。これは、ドラフト指名される左打者と比べると、かなり劣るタイム。けして動けない選手ではないが、プロに混ぜてしまうと遅い部類に。実際試合でも、ほとんど盗塁などを仕掛けてくることはない。 (打撃内容) 天性のスラッガーというよりは、ヒットの延長線上にホームランを打つという中距離タイプの打者だと認識している。その代わり、甘い球は逃さないという技術があり、打ち損じの少ないポイントゲッターなのではないかと。甲子園での交流戦では1試合のみで結果を残せなかったが、昨秋の大阪大会・近畿大会、この夏の大阪大会でいずれも5割以上のハイアベレージを安定して残している。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足をしっかり引いて、グリップを高めに添えます。腰の据わりが良く背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスにも優れた良い構えとなっている。打席でも高い集中力が感じさせる一方、少し構え全体に硬さが感じられるようになってきたのは気になる部分。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が沈む時にベース側につま先立ちし、本格的に動き出すのはリリース前後といった「遅すぎる仕掛け」を採用。ここまで遅いタイミングだと、日本人のヘッドスピードや筋力では、プロレベルの球を木製バットで打ち返すのは厳しくなる。 <足の運び> ☆☆★ 2.5 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」が取れないので、狙い球を絞りその球を逃さないことが求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいという意志が現れています。 踏み込んだ前の足は、しっかり止まってブレません。逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができますが、膝が硬いのか?左打者の外角低めに切れ込むスライダーあたりは、やっと当てるといった感じでした。現状は、外角低めに集めていれば痛手喰らわないのかなといった感じはします。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 あらかじめ「トップ」の位置までグリップを引いて構えているので、始動が遅くても速い球に立ち遅れる心配はありません。しかし予めグリップを引いていると、力みやすくリストワークの柔軟性を損なう危険性を感じます。 内角の球をさばく時には、上からインサイドアウトで無駄なく振り抜ける。外角の球をさばく時には、逆にインサイドアウトではなくバットのしなりを活かしてスイングできている。それでもロスはほとんどなく、大きな弧を描きフルスイングできる。バットの先端であるヘッドも下がらず、広い面でボールをとらえられる。けして打球に角度をつけて飛ばすタイプには見えないが、フェアゾーンにボールは飛びやすい。スイングは、内外角で使い分け非常に技術的に高いものを持っている。またインパクト後も大きな弧を描いており、昨年よりはフォロースルーを使って打球を運ぶ意識も高まってきていたのかもしれない。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが静かなので、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢でき、軸足の内モモの筋肉も発達しており、強さと粘りが感じられる。 (打撃のまとめ) それほど打撃フォームは変わっていないのだが、身体がごつくなった一方で柔軟性が薄れた感じなのが気になる。特に始動が遅すぎるために打てる球が限られている上に、素材として膝が硬いのは気になる材料。打てるゾーンの球を、いかに逃さず叩けるかに懸かっている。 (最後に) 確実性と長打力をバランス良く兼ね備え、強打者でありながら三塁守備も上手いというアピールポイントもある。しかし最終学年のプレーを見ている限り、意外に打てる幅は限られていたり、一定のスピードやキレに対しては苦労するのではないかという思いを強めた最終学年であった。それでも非凡な打撃能力を持った選手でもあり、ドラフトでは3位前後ぐらいの評価は得られるのではないかとはみている。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2020年夏 交流大会) |
小深田 大地(履正社2年)三塁 176/87 右/左 | |
振り出しからインパクトまで、実に無駄なくボールを捉えられる 小深田 大地 。その削ぎ落とされた技術は、プロで何年も飯を食っていたような選手の技術のようだ。 走塁面:☆☆★ 2.5 一塁までの塁間は、左打席から4.25秒前後。これは、ドラフト指名される左打者と比べると、かなり劣るタイム。けして動けない選手ではないが、プロに混ぜてしまうと 中の下 ぐらいの脚力ではないのだろうか。 守備面:☆☆☆★ 3.5 しかし三塁手としては、打球への反応も良く守備範囲も広い。球際でのキャッチングや送球の強さなども確かで、三塁手としてはかなり上手い部類ではないのだろうか。強打者でも三塁をしっかり守れるという点では、大きなアピールポイントになる。 (打撃内容) 本塁打連発のスラッガーというよりも、甘い球をスパンと振り抜き野手の間を抜いてゆくポイントゲッターといった感じがする。甘く入ればスタンドインできる長打力はあるものの、パンチ力を含めた中距離ヒッターと考えていた方が良いのではないのだろうか。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。背筋をしっかり伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスなども悪くない。打席では集中力を感じさせ、甘い球を逃さないと待ち構えている。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が沈む時にベース側につま先立ちし、本格的に動き出すのはリリース前後といった「遅すぎる仕掛け」を採用。ここまで遅いタイミングだと、日本人のヘッドスピードや筋力では、プロレベルの投手の球を木製バットで打ち返すのは厳しくなる。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を少しだけ浮かし、ベース側に踏み込んで来る。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞りその球を逃さない「鋭さ」が求められる。ただしこういった打撃は、この選手には合っているのかもしれない。ベース側に踏み出すように外角への意識が強いように見えるのだが、実は引っ張って巻き込む打撃を好む傾向にある。これは、苦手な外角球にも、しっかり対処するためだと考えられる。 踏み込んだ足元は、外角球を打つときにはなんとか我慢。これにより、逃げてゆく球や低めの球になんとか食らいつくことができている。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、始動の遅さを補えている。内角の球をさばく時には、上からインサイドアウトで無駄なく振り抜ける。外角の球をさばく時には、逆にインサイドアウトではなくバットのしなりを活かしてスイングできている。それでもロスはほとんどなく、大きな弧を描きフルスイングできる。バットの先端であるヘッドも下がらず、広い面でボールをとらえられる。そのため打球も、フェアゾーンに飛びやすい。スイングは、内外角で使い分け非常に技術的に高いものを持っている。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さいが、目線の上下動は並みぐらい。身体の開きもなんとか我慢できているが、最大の特徴は軸足の内モモの筋肉が尋常じゃなく発達している点。そのため打足が、極めて速い。 (打撃のまとめ) 難しい球を上手く捉えるというよりも、甘い球をスパンと振り抜き逃さない潔いスイングが最大の魅力。そういった極力無駄を廃したスイングは、何年もプロで飯を食ってきた選手のような技術を持っている。内外角でスイングを使い分け上に、強くバットを振れる力も持っている。 (最後に) 守備とボールを捉えるということに関しては、先輩である 安田 尚憲(ロッテ1位)よりの高校時代よりも上ではないかと思えるほど。しかしその反面、安田よりも体格的に見劣りスラッガーとしての魅力は劣る。そういった意味では、安田ほどの評価を得るのは難しいのではないのだろうか。 むしろ目指すべき方向性は、フルスイングしながらも高い確率でボールを射抜ける 吉田 正尚(オリックス)的なプレースタイルなのかもしれない。果たしてその打撃の才能がどれほどのものなのか? この一年追いかけて見極めてみたい。 (2019年秋 近畿大会) |