20ky-13





度会 隆輝(20歳・エネオス)右翼手の本当に凄いやつへ







度会 隆輝(横浜3年)二塁  180/76 右/左 





 「合わせるのは上手い」





 今年の横浜高校のメンバーの中でも、対応力の高さという意味では一番ではないかと思われる 度会 隆輝 。父は元ヤクルトの 度会 博文氏 であり、親子でのプロ入りが実現するのか注目されている。


走塁面:☆☆★ 2.5


 一塁までの到達タイムは、左打席から4.25秒前後。プロ入りする左打者の平均タイムが、おおよそ4.10秒前後であることを考えると、中の下 ぐらいでしかない。けして動けない選手ではないと思うが、盗塁を積極的に仕掛けて来ることはなく、走力でアピールしようというスタイルではないのだろう。

守備面:☆☆☆ 3.0

 球際でのグラブさばきは柔らかく、動き自体は平均的なセカンドといった感じがします。肩はかなり強いので、ゲッツーを成立させるという意味では優れた能力の持ち主かと。守備としては無難といった感じで、将来的には二塁もしくは三塁の人材と見るべきではないのだろうか。


(打撃内容)

 適度なパンチ力と高い対応力を持った中距離・ポイントゲッタータイプかと。似たタイプとしては、高校の先輩である 近藤 健介(日ハム)ではないかとみている。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 前の足を引いた左オープンスタンスで、グリップを高めに添えています。背筋を伸ばしつつ、両眼で前を見据える姿勢もよく、全体のバランスもまずまずといった感じです。打席では特に、甘い球を逃さない隙き無しの凄みや集中力、あるいは精神的な余裕みたいな特別ものは感じられませんでした。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がり始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多く観られる仕掛けです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて回し込み、ほぼ真っすぐに踏み出してくる。始動~着地までの「間」は取れていて、速球でも変化球でもスピードの変化に対応しやすい。特に観ていると、強い真っ直ぐよりも変化球に合わせる方が上手い印象は受けた。

 ほぼ真っ直ぐ踏み出すので、内角でも外角でもさばきたいといったタイプ。一つ気になったのは、踏み込んだ足元が早く地面から離れるのが早いということ。たまたまフォーム分析をした映像がそうだったのか? この夏そうだったのか? よくわからないが、足が早く離れるということは、引っ張り中心の打撃になっていたということを示す。こうなると逃げてゆく球や低めの球に対し、開きを我慢して食らいつくことは難しくなる。ただし昨年はできていたので、本質的な問題ではないのかもしれないが・・・。この夏を観ていると、何か下半身の踏ん張りがきかくなく見えたのは、このせいだったのかもしれない。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、ボールを呼び込むのに合わせバットを引かれていて力みを感じることはなかった。柔軟にボールを呼び込むときには、こういった姿勢が理想的になる。

 バットを振り出してインパクトまでの軌道にロスは感じられないが、少しトップを作るまでの動作にロスを感じるので、この辺をプロ入り後シンプルにできると良いかもしれない。インパクトの際にもバットの先端であるヘッドは下がって来ないので、広い面でボールを捉えられていた。元来打ち損じの少ないタイプだと思うが、この夏は長打を意識しすぎたのか? バットが下から出ていたのではないかと感じられた。特にヘッドスピードに凄みがあるとか、甘い球は絶対逃さないとか、そういった内から滲み出てくるものは感じられなかった

<軸> ☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げがあるわりに、目線は安定しているように見えます。身体の開きが我慢できていなかったため、軸足の安定感もさほどではありませんでした。少し結果を求め過ぎたのか? この夏は、上半身と下半身のバランスが崩れていたのではないのでしょうか?

(打撃のまとめ)

 元々技術的に癖がなく、合わせるのが上手い選手です。その一方で、強く叩くとか鋭く振り抜く といったことに関しては、ドラフト候補としては突出しているようには昨年から見えません。そういった意味では、プロの球に対応するのにはそれなりに時間はかかるのではないかと感じます。


(最後に)

 守備は無難、走力はさほど。それでいて、長打で魅了するタイプではありません。ある意味ハッキリした特徴があるわけではないので、高い評価はし難い部分があります。父親が元プロ野球選手の血筋・安心の横浜ブランドなどということもあり、一年生から存在感を示してきた選手なので、指名されやすい土壌は揃っているとは思います。個人的には  は付けたいとは思いますが、評価的には下位指名~育成あたりで落ち着くのではないかとみています。


蔵の評価: (下位指名級)


(2020年夏 神奈川大会) 










度会 隆輝(横浜2年)二塁 180/76 右/左  





「打撃の潜在能力は高い」 





 逸材揃いの横浜高校の中でも、打撃の潜在能力はNO.1と言えるのが、この 度会 隆輝 。父は元ヤクルトの 度会 博文氏。タイプ的には、横浜高校の先輩である 近藤 健介 タイプの好打者だ。


(守備・走塁面)

 セカンドの守備は、グラブさばきも柔らかく基準以上のレベルにある。肩もかなり強いので、ゲッツーなども成立させやすい。ショートの適正は良くわからないが、プロレベルでも二塁もしくは三塁の人材と見るならばありだろう。

 残念ながら今回の観戦では、一塁までの到達タイムはわからず。プレーを見る限りは、走力でアピールするようなタイプではないように思う。その動きを見ている限り全く動けない選手には見えないので、平均前後の脚力ではないのだろうか。ここまで出場した公式戦の32試合では、3盗塁と多いとはいえない。今年のチェックポイントとして、注視してみたい。





(打撃内容)

 オーバーフェンスで魅了するというよりは、パンチ力を秘めた中距離ヒッター。技術が高いので、対応力を活かしポイントゲッターとして活躍する。そんなところは、近藤 健介 と似た位置づけの打者になるのではないのだろうか。

<構え> ☆☆☆★ 3.5

 前の足を少しだけ引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢はまずまずで、全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。それでも打席では、アゴを引いて集中力が感じられる。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が沈み始める時に動き出すなど、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多く見られる仕掛けです。

<足の運び> ☆☆☆☆ 4.0

 足を引き上げてまわし込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの間は取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応しやすい。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたい万能型。踏み出した前の足は、インパクトの際にも止まってブレない。したがって逃げて行く球や、低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形をつくるまでは自然体で、ボールを力むことなく呼び込めています。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではなく、それでいて外の球を叩くのには大きなロスは感じません。高めの球に対しても上からかぶせるように叩くなど、バットの先端であるヘッドも下がらず広い面でボールを捉えられています。そのためボールの接地面が広く、フェアゾーンに飛ぶ確率も高いといえるでしょう。そのぶん、ボールには角度がつき難いという特徴があります。

 スイングの弧はそれほど大きくはなく、ヘッドスピードも現時点では際立つものはありません。それでもひ弱な印象はなく、最後までしっかり振り切れていはいます。全体的にリストワークが柔らかく、合わせるのは上手い印象です。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げありますが、目線の上下動は少なく安定。身体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。それでいて、内モモの筋肉にも強さが感じられ、強い打球を生み出す原動力にはなっています。

(打撃のまとめ)

 下半身の使い方にも悪い癖はなく、うまくタイミングが図れています。上半身も内角のさばきがまだよくわからない部分はありますが、打撃の基本である外角へのスイングには欠点は見当たりません。軸もしっかりしていますし、技術的には高いものがあります。

 あとは、甘い球を逃さない「鋭さ」が出てくると、ヘッドスピードなどにが際立つとか、高校からプロに入る選手が見せるような特徴が出てくると良いですね。


(最後に)

 ショートの人材だとみなければ、打撃センスも光りますし良い選手だと思います。あとはまだドラフト候補としては特徴が見え難い部分があるので、そのへんが最終学年でどう変わってくるのか注目。現状は有力大学に進むか、高校からのプロ入りが可能なのか半々ぐらいの印象ですが、そのへんは春季大会でのプレーでハッキリしてくるのではないのでしょうか。


(2019年夏 神奈川大会)