20ky-12





岡本 大翔(米子東3年)遊撃手の最終寸評へ








 岡本 大翔(米子東2年)遊撃 189/88 右/右
 




 「山陰に久々に現れた大物」





 山陰地方に、これほどまでにロマンあふれる野手が出てきたのは久々ではないかと思われる 岡本 大翔 。秋は故障などもあり、ショートではなく三塁や一塁などを守っていたという。夏の甲子園・智弁和歌山戦で魅せたスケール感あふれるプレーだけでなく、鳥取予選でも打率.600厘・2本塁打と確かな数字を残してから甲子園に乗り込んできていた。


(守備・走塁面)

 残念ながら、夏の智弁和歌山戦を見る限り走力はよくわからず。鳥取大会の4試合では、盗塁は0個。けして試合を観ていても、足でガンガンアピールするタイプには思えなかった。

 遊撃手としての一歩目の反応がよく、190センチ近い大型内野手とは思えない動きの良さを魅せていた。確かに細かい動きなどは苦手そうなので、将来的には反応の良さを活かして三塁あたりの方が適正は高いのかもしれない。地肩も基準以上のものがありそうで、非常に楽しみな選手なのは間違いない。





(打撃内容)

 智弁和歌山戦では、レフトの横をあっという間に抜けていった。しかし当りが良すぎて、シングルヒットになってしまったほど。予選6割が示すように、大型だが脆さはあまり感じられない。ただし打球が引っ張り中心なので、そういった打球の幅があるのかは微妙といった気はしている。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 両足を揃えたスクエアスタンスで、あらかじめ少し捕手側に引きつつグリップの高さは平均的。腰の据わりや両眼で前を見据える姿勢は平均的だが、少し全体のバランスとしてはいびつに見える部分はある。

<仕掛け> 早め~平均

 始動のタイミングは、投手が重心を下げ始めて~底のあたりと打席によってバラツキがある。ただし基本的に始動は「早めの仕掛け」ではあることが多く、対応力を重視したアベレージヒッターに多く観られる仕掛けとなっている。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を早めに引き上げて回し込み、ベース側に踏み出してきます。そのため始動~着地までの「間」は充分取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。一方ベース側にインステップして来るように、外角を意識したスイングになっている。

 踏み込んだ前の足はしっかり止まっており、逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことができている。気になるのは、足を上げてから捕手側に少し膝を向けるので、そこを再び開くことでタイミングが狂いやすいということ。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 あらかじめグリップを「トップ」に近い位置に添えてから振り出すので、速い球には立ち遅れ難い。しかしバットの振り出しは少し遠回りに出てくる傾向があり、そのへんが確実性を損ねている。それでもバットの先端であるヘッドを下げないでスイングしようとするので、打球に角度はつき難いものの広い面でボールを捉えやすい。そのため打球も、フェアゾーンに飛びやすい傾向になる。

 ボールを捉えてからも、非常に大きな弧を描きつつ最後まで思っきり振れる選手。ボールを遠くに運ぶというよりは、強烈な打球で野手の間を抜けて行くタイプには見える。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは結構あるので、目線の上下動は大きめ。それでも身体の開きは我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて軸回転でスイングはできている。

(打撃のまとめ)

 タイミングのとり方は悪くないものの、始動がバラバラでスイングが安定し難い。またバットの振り出しが遠回りだったり、目線の上下動が激しかったりと、まだ粗い部分が目立ち安定感には欠ける。

 それでも根本的な当て勘は大型の割に悪くなく、ヘッドも下がらないのでタイミングさえ合えば強烈な打球で抜けて良く資質の高さは感じられる。さらに、スイングの振り出しや打球は非常に鋭いので、そのへんは並の高校生ではない。


(最後に)

 大型三塁手ぐらいの感覚で見るのならば、守備も悪い選手ではないのだろう。問題は春以降、周りを圧倒するようなモノの違いを魅せられるかどうか? そういったことができれば、高校からのプロ入りも現実味を帯びてくるだろう。最終学年も、ぜひ大舞台でみてみたいと思わせる選手だった。


(2019年夏 甲子園)