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渡部 健人(桐蔭横浜大4年)三塁手の最終寸評へ







渡部 健人(桐蔭横浜大3年)三塁 175/110 右/右 (日本ウェルネス出身) 
 




 「長距離打者ではないと思うけれど」





 175/110 という おかわり君体型なので、どうしても長打を期待したくなる 渡部 健人。しかし中田亮二(亜大-元中日)同様に、本質的には中距離・ポイントゲッタータイプではないかと思うのだ。果たしてその辺どうなのか? 詳しく考察してみたい。


(守備・走塁面)

 高校時代に、こんなぽっちゃり体型の選手が、ショートを守っているのを初めてみたと驚かされた。その体型とは裏腹に、動きが軽快で、想像以上に上手かったのを覚えている。昨年6月の大学選手権のときには、サードを守っていた。相変わらず動きは良いのだが、難しい体勢からだと送球が乱れることも多かったり、ポロポロしてボールが手をつかなかったりと、動きは悪くないがミスは多かった。現状プロの三塁手としては、ちょっと荷が重い気はする。

 中田亮ニは、体格の割に結構足が速かった。しかしこの渡部は、中田選手より守れるかわり足は遅い気がする。右打席から、4.6秒台ぐらいで、左打者に換算しても4.4秒台ぐらい。走力に関しては、プロでも最も遅い部類にはなってしまうだろう。


(打撃内容)

 大学選手権の中京学院大戦では、右中間スタンドに無理なく本塁打。リーグ通算でも、ここまで10本塁打を放っている。大学2年の春・秋のシーズンでは、4割以上を残し圧倒した。しかし3年時は、春・秋共に2割台前半に低迷している。本塁打は、毎シーズン1本~3本ぐらいをコンスタントに放っている。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップは高めに添えられている。腰は据わらず、全体のバランスとしては並みぐらい。それでも両眼で前を見据え、リラックスして立てているのは良いところ。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多く見られる仕掛けです。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて、ベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。インステップして踏み込んで来るように、外角への意識が強い打ち方となっている。

 踏み込んだ前の足は、いち早く地面から離れるタイプ。そのため、本当は引っ張りたいタイプなのではないのだろうか。それでも身体がキレないせいか? 結果的にセンターから右方向への打球が多くなるのかもしれない。いずれにしても逃げて行く球や低めの球に対しては、あまり強くないのではないかと考えられる。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めています。バットの振り出しも、インサイド・アウトではなく、バットのしなりを活かしたスイング軌道。それほど、遠回りは出てこない癖のない軌道。インパクトの際には、バットの先端であるヘッドは下がらず、広い面でボールを捉えられます。それだけフェアゾーンにボールが飛びやすい打ち方です。けしてボールに角度をつけて飛ばすとか、フォロースルーを使って打球を運ぶとか、そういったタイプではありません。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるものの、目線の上下動は小さめ。身体の開きは、いち早く地面から足が離れるので充分とは言えません。しかし軸足は地面から真っ直ぐ伸びて安定しており、また内モモの筋肉の強さも感じます。調子の波は小さく、強烈な打球を生み出す原動力になっているのではないのでしょうか。

(打撃のまとめ)

 もう少し踏み込んだ前の足がしっかり止まるタイプかと思ったら、そうでもないのは若干気になりました。それ以外の動作は、癖がなくシンプルだと感じます。スイングを見る限りは、ボールを飛ばすタイプではないように思います。あくまでも、肉体のパワーが尋常ではないので、スタンドインすることが多いのでしょうが、強烈な打球が野手の間を抜けて行くタイプかと。


(最後に)

 サードの動き自体は悪くないと思うので、鍛えれば おかわり君 レベルのサードにはなッても不思議ではないと守備はみています。ただしよほど最終学年に打撃で圧倒しないと、なかなかドラフト指名となると厳しいかもしれません。持っている潜在能力はこんなものではないと思うので、最終学年でいかに眠っている才能を引き出すことができるかではないのだろうか。いずれにしても、あまりホームランを期待して、獲得するタイプではないように思う。もし指名するのであれば、その辺を納得の上指名欲しいと願います。


(2019年 大学選手権)