20dy-10
平良 竜哉(24歳・NTT西日本)二塁手の個別寸評へ
平良 竜哉(23歳・NTT西日本)二塁手の本当に凄いやつへ
平良 竜哉(九州共立大3年)一塁 170/72 右/右 (前原出身) | |
俊足・強肩の高い身体能力を持ちながら、なぜか一塁を守っている 平良 竜哉 。大学球界屈指のフルスインガーでもある彼が、もし違うポジションでアピールできれば、大いにプロ入りは現実味を帯びて来ると思うのだが ・・・ 。 守備・走塁面 2年秋の神宮大会で計測した三塁ゴロの際には、一塁までの到達タイムは4.35秒前後(左打者換算で4.1秒前後)と平均レベルだった。しかし以前別の試合で計った時は、4.1秒台(左打者換算で3.9秒台に相当)を記録し、こんなに足が速いのかと驚いたことがあった。実際リーグ戦でも、2年春には11盗塁。3年秋には、7盗塁と積極的に走ってくる。上のレベルでも、その走力を存分に活かせるのではないかとみている。この選手は、スイングをみてもわかるように、走る勇気も持っているから。 また1年秋の神宮大会では、三塁手として出場。特に高校時代には、沖縄の競技大会で遠投と100メートル走で2位の好成績を残している強肩の持ち主でもある。特に身体能力が高い沖縄の球児の中、この実績は素晴らしい。一塁手としては、打球判断などに怪しいところがあるが動き自体は悪くない。恐らくこの部分が、高い身体能力があっても一塁を守っている要因かもしれない。 (打撃内容) リーグ戦では、ニ度の首位打者と打点王・盗塁王に輝いている。また2年秋には4本塁打で本塁打王にも輝き、独特のカチあげるスイングには見るものを魅了する。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、バット寝せながら構える。グリップは平均的な高さながら、あらかじめ「トップ」に近い位置にグリップを添えている。後ろ足に重心をかけつつ構えるので全体のバランスとしては癖があるが、両眼ではしっかり見据えて錯覚を起こすことなく立てている。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下るときには動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターの傾向が強い。彼の場合は、ボールを捉えることを重視しながらも、ボールに角度をつけて飛ばすことができるのだ。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分取れており、速球でも変化球でもスピードの変化に対応しやすい。また真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたい万能型。 踏み出した前の足はしっかり止まってブレないので、外の球や低めの球にも食らいつけるように見えます。ただし気になるのは、腰が早く逃げてしまう部分があり、外の球をあまり強く叩けない欠点があります。ある程度のところで腰の開きは抑えられていますが、どうしても外の厳しい球は手打ちになりがちなのです。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 あらかじめ「トップ」に近い位置にグリップがあるので、速い球には立ち遅れません。ただしリストワークには遊びがないので、そういった意味での柔軟性はやや欠ける部分があるのかもしれません。 バットの振り出しは少し遠回りに出てくるところがあるのですが、バットの先端であるヘッドは下がらずに振り抜けています。恐らく長打を放つ時は、引っ張った感覚の打球の際に飛んで行くものと考えられます。特に素晴らしいのは、その引っ張った時にボールにうまく角度をつけて飛ばせる点。そして非常に大きな弧を描き、それでも結果を残せるだけの強靭なヘッドスピードがあるからでしょう。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は少なめ。腰が早く開いてしまうのを、足元が止まることである程度のところで留めます。軸足は地面から真っ直ぐ伸びており、比較的安定した打撃が期待できるのではないのでしょうか。 (打撃のまとめ) ボールを線で捉えることができ、タイミングを合わせるのは上手いです。そしてそのタイミングを活かしつつも、インパクトではボールに角度をつけて飛ばせ、大きな弧を描き後押しします。ようは、ヒットの延長線上に長打があるというタイプなのでしょう。 欠点は、やはり腰の逃げが早い点。この部分で、今後いかに外角球をしっかり叩けるかにかかってきます。これでライト方向にもぶちこめるようになると、手がつけられなくなります。大きくフルスイングしますが、軸はしっかりしている上に、そのスイングで結果を残せるだけのヘッドスピードがあります。 (最後に) 高い身体能力がありながら、それを守備に充分活かせていないのは残念。そして打撃も癖があるので、打てるコースが限れているのではないかという恐れは感じます。いかに外角逃げて行く球や外角の強い球をきっちり捉えられるようになるかではないのでしょうか。この2つのポイントに問題がなければ、充分に大学からのプロ入りは現実味を帯びてくるとみています。 (2018年 神宮大会) |