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森 博人(日体大4年)投手の最終寸評へ








森 博人(日体大3年)投手 175/79 右/右 (豊川出身) 





 「リリーフ向きだと思う」





 3年秋のシーズンでは、2試合に先発し防御率 1.27 でリーグ2位の好成績を残した。しかしこの選手の持ち味は、リリーフで投げる150キロをコンスタントに超える投球なのではないかと改めて思った。


(投球内容)

ランナーがいないと、ワインドアップから投げ込んできます。

ストレート 常時140キロ~~150キロ台 
☆☆☆☆ 4.0

 先発だと常時140キロ台~中盤ぐらいといった感じで、それほど凄い球を投げているわけではない。リリーフで魅せる150キロ級を連発する姿からみると、大いに見劣りする。特に上背がある投手ではないので、ボールの勢いがないとそれほど苦になるタイプではない。またそれ以上に気になるのが、かなりコントロールがアバウトな点。3年春のシーズンでも、21回1/3イニングで9四死球(42.3%)と不安定なところが見えた。秋には改善傾向が見られたが、実際の投球はかなり粗い。本物の制球力がついてきているのか、最終学年では見極めたいポイント。

変化球 スライダー・ツーシームなど 
☆☆☆★ 3.5

 変化球は、横滑りするスライダーだかカットボールでカウントを整えてくる。この球を右打者外角だけでなく、左打者の内外角。特にインハイに厳しく突いて来るところが特徴的。他にも、左打者外角に時々シュートさせるツーシーム的なボールが見られる。また縦に割れる球があり、この球はフォークなどではなく縦スラなのではないかと考えられる。この球の精度の向上が、今後リリーフとやってゆく上で大きなカギになるのではないかとみている。変化球全般にキレや威力は水準以上にあり、悪くないのではないのだろうか。ちなみに3年秋は、21回1/3イニングで22個の三振を奪い投球回数を上回っていた。

その他

 クィックは状況に応じて使い分けて来るが、使ってくる時は1.1~1.2秒ぐらいと平均的なタイム。牽制も鋭く、フィールディングの動きもなかなか素晴らしい。投球以外の技術は、まずまず上手い部類ではないのだろうか。

(投球のまとめ)

 上背がなくフォームにそれほど威圧感を感じられるタイプではないので、よほどボールに勢いがないとプロの打者は打ち取れないのではないのだろうか。そのため彼の持ち味が発揮されるとすれば、150キロ級を連発できるリリーフではないかと思われる。ただそれでも、根本的な制球の粗さがプロではどうなのか気になる。






(投球フォーム)

今度は、フォームの観点から考えて行きたい。

<広がる可能性> 
☆☆☆ 3.0

 お尻はバッテリーライン上に落ちてしまっているので、カーブで緩急をつけたりフォークのような縦の変化球には適した投げ方とは言えません。

 「着地」までの粘りはある程度作れているので、身体を捻り出す時間はそれなり。そのためカーブやフォークといった球種以外ならば、曲がりの大きな変化球の習得も可能ではないのだろうか。実際に縦スラなどは、かなりフォークの代わりになっている。

<ボールの支配> 
☆☆☆ 3.0

 グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を抑えることができている。左右の軸のブレが抑えられ、両サイドへコントロールはつけやすい。

 足の甲の押しつけがやや浮き気味なので、浮き上がろうとする力を充分抑え込めていない。「球持ち」が悪いとは思わないのだが、肘を立ててしっかり振れないのでボールが高めに抜けてしまうことも少なくない。

<故障のリスク> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻は落とせていないものの、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種は見られないので、肘への負担は気にしなくても良いのかもしれない。腕の送り出し自体も無理は感じないが、リリーフだと力投派になるので、その時にフォームを崩して故障に繋がらのかが若干心配な点だろうか。これは、キャパのない選手の宿命なのかもしれない。

<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りはそこそこの上に、球の出どころも隠せている。そのため、けして合わされやすいフォームではないのではないのだろうか。そのへんは3年秋のシーズンにおいて、32イニングで18安打(被安打率は56.3%)と極めて低い数字にも現れている。

 腕の振り自体には勢いがあるので、打者の空振りを誘いやすい。投げ終わった後一塁側に流れてしまうなど、作り出したエネルギーをロスしてしまっている。そのためダイレクトに、エネルギーをボールに伝えきれているとは言い難い。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「体重移動」に課題があるように感じる。それでも、あれだけのボールを連発できる点は素晴らしい。

 お尻は落とせないものの、それほど悲観するほどのものではなく故障のリスクは少ない。足の甲の押し付けが浮きがちで肘を立ててリリースできないために、ボールが高めに抜けやすい欠点がある。それでも将来的に、ある程度武器になる変化球を習得して行ける可能性は感じられるフォームとなっている。


(最後に)

現在のアバウトな制球力が、プロの一軍打者に対峙した時にどう出るのかには不安が残る。森以上の球威と変化球のキレがあった先輩の 東妻 勇輔(ロッテ)の1年目が、防御率 4.71 だったことを考えると、これを大きく上回る内容示せるかは懐疑的な見方となってしまう。その点プロでは大丈夫そうなのか含めて、今年は一年間見て行きたい。順調にゆけば、3位前後で指名されても不思議ではない投手ではあるだろうから。


(2019年 秋季リーグ戦)