横浜たそがれ


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2018年 横浜の進むべき道!(ドラフト編) 

 ここまで「横浜の進むべき道」(投手編)(野手編)を更新してきて、ベイスターズの足りない部分が浮き彫りになってきた。10月26日(木)に控える、プロ野球ドラフト会議。この会議一つで、補強ポイントをすべて補うことは難しいだろうが、大方の方向性は見えてきている。そこで今回のドラフトで、ベイスターズがどのようなドラフトを行ってくるのか考えてみた。まずベイスターズの補強ポイントは



1,内野手・外野手・捕手 1名ずつの補強

2,計算できる先発の獲得

3、現有戦力を刺激しうるリリーフを3人前後補強




 しかし今年のドラフト戦線では、極めて即戦力で計算できる投手が不足しているのが特徴。その代わり将来の中心選手を託すことができる、高校生野手の人材に恵まれているドラフトなのだ。そこで

1位指名 将来を託すことができる野手の獲得

 最初の1位指名では、高校生野手の獲得を目指す可能性が極めて高いということ。その筆頭は、今年のドラフトの目玉・清宮幸太郎(早実)一塁手。ただし現在ベイスターズの一塁には、ホセ・ロペス が不動のレギュラーとして座っており、一塁以外のポジションが見えて来ない清宮を本当に指名して来るかには半信半疑の部分がある。

 あるいは三塁手に若年層打者がいないチーム構成でもあり、同じ左打ちのスラッガーである 安田 尚憲(履正社)三塁手や、次世代の捕手として甲子園で清原和博の記録を塗り替えた強打の 中村 奨成(広陵)捕手の、この3人のいずれかの中から指名して来ると予想する。

ハズレ1位は

 もし最初に入札した高校生野手を外した場合は、すぐに即戦力の投手に切り替えるのではないかと考えられる。その有力候補としては、馬場 皐輔(仙台大)投手 や 近藤 弘樹(岡山商科大)投手、鈴木 康平(日立製作所)などの、先発の一角に食い込んで来られそうな選手を狙って来るのではないのだろうか。さらに彼らもハズレした球団で競合することも予想され、昨年のように二度のクジ負けの覚悟まではしておかないといけないだろう。

2位指名は

 私の勝手な推測だが、もし1位で高校生野手をゲットできた場合は2位で大学・社会人の即戦力投手を。逆に1位で大学・社会人である程度計算できる選手がゲットできた場合には、藤岡 裕大(トヨタ自動車)内野手や増田 珠(横浜)中堅手などの野手を指名して来る可能性が高いとみている。

3位以降は

 おそらく今年の場合は、4位までに 野手2人・投手を2人 という感じになりそう。そのため、岸田 行倫(大阪ガス)捕手や 本田 仁海(星槎国際)投手などを狙っている場合、このぐらいの順位で獲得を目指すことになるのではないのだろうか。

指名人数は

 今年は各球団、例年よりも早めに指名を終える球団が多いのではないかと予想される。ベイスターズもすでに9人の退団者を出していることを考えると、
本会議では6,7名、育成で1,2名 ぐらいの指名になるのではないのだろうか?

 こう考えると、内野手・外野手・捕手 のすべてを網羅しつつ、投手を3~5名ゲットするのはドラフトだけでは難しいかもしれない。また投手の中でも1,2名は例年どうり高校生投手を混ぜて来ることが予想される。果たしてドラフトだけで、どこまで補強ポイントを抑えることができるのか? FAや新外国人にトレードや退団者組も含めて、うまく補強ポイントを補ってゆきたい。

 






 2018年 横浜の進むべき道!(野手編)

 すでにベイスターズは、今シーズンの退団者を発表。ベテランの下園外野手・山崎憲内野手、それにシーズン中にトレードで放出された黒羽根捕手の、この3つのポジションを埋めるのが、オフの基本線となりそう。また外国人のエリアン・シリアコの去就も微妙であるが、ここは同数程度外国人を補強する可能性があるので人数としては考えない。そこでいつものように、1ポジション4人制を使いながら、現状の戦力・補強ポイントを考えてゆきたい。また( )年齢のところは、来年度の到達年齢を記載。


<一塁> レギュラー : ロペス  (35)
     対抗    : 後藤   (38)
     バックアップ: なし
     育成    :
 
山本武白志(20)

 レギュラーは、今シーズン打点王に輝いたロペス(35)が、2年契約のため来季も残留が決定的。代打陣が薄いなか後釜ができないこともあり、衰えは隠せないものの後藤(38)が対抗の位置にいる。山本武白志(20)に関しては、二軍での出場もままならない状況だが、高卒2年目であるので、もう1年様子見といったところだろうか。現状後藤を脅かす存在がいないわけだが、ドラフトで 
清宮幸太郎 を指名し獲得した場合は、このバックアップの位置にいきなり入ってくるのではないのだろうか。高校生とはいえ、一年目から一軍での出場も充分に期待できる力量の持ち主。一塁に関しては、他のポジションから誰かをあてがうこともできるので、バックアップの位置づけは流動的。ルーキーながらファームで二桁本塁打を放った佐野(24)をここにあてる可能性も充分にありえる。


<二塁> レギュラー 柴田  (25)
     対抗    :田中浩康(36)
     バックアップ:石川  (32)
     育成    :
狩野  (24)

 シーズン途中から柴田(25)が、二塁のポジションに定着した。まだ力量的には心許ない部分はあるが、この流れが来シーズンも継続されることは間違いない。守備に関しては毎試合のように光るものを魅せており、あとは今年の経験を活かし打撃での成長が待たれる。左打ちの石川(32)よりも、右打ちの田中浩(36)の方が、柴田が左打ちだけに一軍にいる可能性が高い。特にシーズン終盤からは、石川に依存しないチームづくりは着々と進んでいる印象を受ける。セカンドは大卒ながら、ファームで.134厘と低迷した狩野(24)が、引き続き育成期間と考える。守備に関しては光るものを持っており、リストの強い打撃の持ち主だけに来季への飛躍が期待される。この状況なので、ニ塁が最大の課題でも補強すると選手がたぶついてしまう恐れがある。また状況次第では、宮崎を二塁に持ってゆくことも可能な選択肢であることは忘れないでおきたい。 


<遊撃> レギュラー :倉本  (27)
     対抗    :なし
     バックアップ:
飛雄馬 (27)
     育成    :
松尾  (20)

 全試合出場した倉本(27)が、不動のレギュラー。柴田がセカンドのレギュラーになりつつあり、山崎憲晴の退団も考えると、ここに
大学・社会人のしっかりショートを守れる遊撃手を指名して来る可能性は高い。一応バックアップには飛雄馬(27)を据えてみたが、遊撃守備にも不安があり現状一軍が見えて来ない。高卒ルーキーの松尾(20)は、順調に一年目を消化した。しかし一軍を意識するのには、あと1,2年はかかりそう。引き続き育成段階の選手として考える。ただし倉本がいて柴田が出てきたチーム事情を考えると、上位でニ遊間候補を指名する余裕は無いのではという気もしてくる。まして左打ちに有力な選手が揃うベイスターズだけに、即戦力の右打ちニ遊間候補というのは、極めて人材が乏しい年。そう考えると、ここを埋める手段が必ずしもドラフトで行うかどうかは微妙なのかもしれない。ただし個人的には、同じ左打ちの好打者タイプである柴田&倉本はどちらか1人で良いのではないのか?この2人が争って一つのポジションに収まるという構図を作った方が、骨太のチームができる気がするのだが・・・。

<三塁> レギュラー :宮崎  (30)
     対抗    :白崎  (28)
     バックアップ:
山下  (25)
     育成    :
なし

 三塁は宮崎(30)が、首位打者に輝くなど完全に独り立ちに成功。守備での貢献度も高く、不動のレギュラーとして位置づけられる。それに毎年レギュラー候補の白崎(28)、思いっきりの良い山下(25)が後を追う構図は変わりない。捕手登録の網谷のサード定着を図ろうとしたが、守備面の不安を払拭できず断念。そのため、育成段階のサードがいなくなってしまった。
ドラフトでもこのポジションの選手を獲得する可能性は充分あり、安田(履正社)などはうってつけの人材にはなる。そのためドラフト会議では清宮ではなく安田にシフトするとか、清宮が獲得できなかった時には一塁のバックアップにシリアコのように保険の外人をあてがう可能性もあるだろう。そういった意味では、シリアコの去就はドラフトでかなり左右されるのではないのだろうか。いずれにしても、サードができる高校生の指名は高そう


<右翼> レギュラー :梶谷   (30)
     対抗    :
関根   (23)
     バックアップ:松本   (32)
     育成    :
細川   (20)

 梶谷(30)は、ある意味今年はじめて1シーズンを完走したシーズンだったとも言える。自身初の21本塁打を記録するなど打率こそ.243厘と低迷したが、来シーズンも不動のレギュラーだろう。それを脅かすことが期待されるのが、関根(23)だったのだが、打率.158厘と低迷し刺激剤にもならなかった。松本啓ニ朗(32)も、一軍で僅か13試合の出場にとどまり、ファームで3割を記録した力は示せず。そのぶん育成段階の 細川(20)が、高卒ルーキーながら基準である2割を越え、二桁本塁打をファームでマーク。一軍昇格後も、2本塁打を放ち存在感を示せたのが明るい材料。CSメンバーにも抜擢するなど春のキャンプでは一軍帯同も期待されるが、常識的にみてもう1年ぐらいは二軍での育成が必要になるのではないのだろうか。面子は、完全に昨年と同じ組み合わせになっている。


<中堅> レギュラー :桑原 (25)
     対抗    :荒波 (32)
     バックアップ:百瀬 (22)
     育成    :
なし

 レギュラーは、2年連続レギュラーを守った桑原(25)がチームには欠かせぬ存在に。一応対抗には経験豊富な荒波(32)を配置したが、一軍で47試合に出場するも打率.226厘と控えに甘んじた。バックアップに誰を持って来るか悩んだのだが、身体能力が高く内外野守ることが増えてきた百瀬(22)をあてはめてみた。高卒3年目の今年も二軍で.154厘と低迷しており来年もこの調子だとクビも危ぶまれる。下園の抜けた代わりを打撃重視のレフト候補を獲得するのか? それともある程度守れる三拍子型を指名するのかは定かではない。一応センター候補が手薄な現状から、このポジションを無しにしてみた。特に外野は融通がきくポジションなので、特にこの並びにこだわる必要はない。育成には地元の逸材・
増田 珠(横浜)などはうってつけの人材となる。


<左翼> レギュラー ;筒香(27)
     対抗    :乙坂(24)
     バックアップ:白根(25)
     育成    :青柳(21)


 レギュラーは、打線の核である筒香(27)で確定。控えは、筒香のあとに守備固めで入ることが多い乙坂(24)をあてはめた。乙坂も意外性のある強打で打率.190厘以上の存在感はある。83試合に出場し、ほぼ一年間・一軍に帯同することができた。バックアップは打撃型の白根(25)をおき、一軍の2人に何かあった時の緊急要員として控える。ファームレベルでは成績をあげられているが、一軍でも結果を残せるようになって欲しい。特に右打ちの外野手は、桑原以外一軍に定着できている選手がいないので。育成には高卒3年目を迎える青柳を設けたが、中堅の育成の位置でも構わない。これは単に百瀬を中堅手のバックアップに置いた場合、年齢が近いので左翼に青柳を持ってきただけ。今年ドラフトで1名の外野手は獲ると思うが、できれば年齢的なことを考えると、高卒の外野手が望ましいという意味合いが強いということ。ただし
一軍の外野控え層が機能しなかったことを考えると、即戦力系の右の外野手を補充するかもしれない

<左翼> レギュラー ;戸柱(28)・嶺井(27)
     対抗    :高城(25)
     バックアップ:西森(31)・亀井(21)
     育成    :網谷(21)・佐野(24)


 シーズン後半からスタメンマスクが増えてきた嶺井(27)と昨年からレギュラーを任せられた戸柱(28)が状況に応じて起用。また週に1回は、高城(25)をスタメンで出場させ、この3人でまわすという方針は変わらないかもしれない。二軍は、高卒4年目を迎える亀井(21)の育成段階が終わり、また打撃で存在感を示す西森(31)もいるが、いずれも一軍・二軍のバックアップ要員の位置付け。特に亀井は育成枠なので、一軍が見えてこない。自慢の打撃を活かすため内野手コンバートを狙った網谷(21)は、守備克服ができず秋からは捕手での出場が増えている。フェニックスリーグでは、網谷と交互にマスクをかぶる佐野(24)を本格的に捕手として鍛えるつもりなのか? それとも何かあった時のための準備なのかはわからない。ドラフトで狙っていた捕手が残っていなかった場合は、このままこの形を維持する可能性も残されている。しかし誰か獲得できれば、佐野は一塁か左翼あたりに収まることになりそうだ。少なくても網谷が育成段階にいるので、ドラフトで指名されるのは高校生ではない可能性が高い。それでいて高城より年上の捕手を獲るとも考えづらく、22歳~24歳以下の捕手の獲得を狙うのではないのだろうか。
ドラフトで捕手を指名するかは、当日の流れ次第なのかもしれない。


(野手に関して)

 冒頭にも書いたように、
ドラフトでは内野手・外野手・捕手の1名ずつの獲得を目指すことになるだろう。内野に関しては、一塁OR三塁の人材のいずれかである可能性が高く、ここにそれぞれ1名ずつの人材を指名するとは考えづらい。もし一塁が空いた場合は佐野をあてがうとか、三塁ならば助っ人という形をとるかもしれない。また遊撃手の対抗の部分は、ドラフト以外の方法を模索することも考えられる。早速今朝のスポーツ誌には、阪神の大和(31)選手の名前があがっており、もし入団すればこのポジションにしっかり収まることになるだろう。

 オフの命題としては、今の打線の構成上
もう一人主軸を打てる選手を加えたいということ。それをどのような形で補うかはフロントの腕の見せどころだろう。特にニ遊間が弱いチームなので、大和のような選手をFAで獲得して補う。あるいは、三塁手あたりの助っ人を獲得してきて宮崎をセカンドにコンバートさせることで厚みを持たせる。ドラフトで清宮を獲得し、ある程度一軍で起用しながら育てるという方法もある。様々な選択肢があるなか、球団がどのようにして欠点を埋めてゆくのか注目したい。


(オフの命題)

 投手編・野手編をみてきて浮き彫りになってきたことは、

1,1人先発を任せられる人材の獲得

2,主軸を任せられる野手の獲得

3,即戦力のリリーフを3,4人加えること


 この課題を、ドラフト・FA・新外国人・トレード・退団者の獲得 などを駆使し、このオフは実現したい。それができれば、98年以来の、リーグ制覇も見えて来るのではないのだろうか。


 








2018年 横浜の進むべき道!(投手編) 

 2年連続で3位に入り、CS出場を果たしたベイスターズ。チームも98年の優勝以来となる貯金8個でシーズンを終えることができた。しかし優勝するためには、あと何が足りないのか? 今年も戦力補強の進むべき道を考えてみる。まず今回は、その投手編から。


(投手編)

 17年度ベイスターズのチーム防御率は 3.81 であり、これはリーグ全体では4位の成績。広島・阪神・巨人の各チーム防御率が 3.30前後であることを考えると、1試合あたり0.5個点近く失点が違う計算になる。この差をできるだけ縮めることが、まず優勝への大きな条件となるだろう。


<先発編>

 まず例年どうり、先発ならば防御率 3.50位内 もしくは二桁勝利している投手を、来年も計算できる先発投手ということになるので、この条件に当てはまる投手をあげてみたい。( )の年齢は来シーズンの歳。

今永 昇太 (25) 24試合 11勝7敗 防 2.98
ウィーランド(28) 21試合 10勝2敗 防 2.98
濱口 遥大 (23) 22試合 10勝6敗 防 
3.57
石田 健大 (25) 18試合  6勝6敗 防 3.40

まず、上記の4人は来季も引き続き先発候補として計算できる存在だと言えよう。しいて心配をあげるとすれば防御率が若干基準外となってしまい、そのうえ2年目を迎える濱口に不安要素はあるものの、最終的に二桁を残したことは大いなる自信となるはず。

井納 翔一 (32) 25試合 6勝10敗 防 3.84

も二桁も防御率3.50以内の基準もクリアできていないものの、過去に基準を何度かクリアしている年もあるので、引き続き来年も先発の有力候補と位置づけられるだろう。また先発6人目は、実績・経験豊富な 久保 康友(38)が退団することで計算がたたないため、若手投手に託すしかなく

飯塚 悟史(22) 9試合 1勝3敗 防 4.29
綾部 翔 (21) 1試合 1勝0敗 防 0.00
熊原 健人(25) 4試合 3勝1敗 防 5.40
三嶋 一輝(28)16試合 0勝1敗 防 6.53
平良拳太郎(23) 4試合 1勝3敗 防 7.07

などに期待するしかない。そのためどうしても、あと1人は先発で計算できる先発投手が優勝するためには不可欠だということ。これをドラフトの上位指名で補おうとするのか? FAやトレードで獲得して来るのかということになるのではないのだろうか。


<リリーフ編>

 いつもいうように、来年も計算できるリリーフという目安は、防御率2点台以内だということ。そういった条件の投手が何人いるか考えてみたい。

山崎 康 (26) 68試合 4勝2敗26S 防 1.64
パットン (30) 62試合 4勝3敗 7S 防 2.70


砂田 毅樹(23) 62試合 1勝2敗25H 防 4.12
三上 朋也(29) 61試合 3勝3敗31H 防 5.12
田中健ニ朗(29) 60試合 1勝3敗11H 防 4.47

 常時一年間一軍に帯同し60試合以上を登板した5人のうち、実はリリーフとして来年も計算できそうな活躍をしていたのは、クローザーの 山崎康 と パットン だけだということがわかる。本格的にリリーフ元年だった砂田はともかく、三上と田中健は完全にここ数年の勤続疲労。さらに昨年最もリリーフで信頼できた須田も

須田 幸太(32) 23試合 0勝1敗 0H 防 4.12

という成績にとどまり、一年間一軍にいることはできなかった。また上記のメンバー以外で二桁登板した投手達にも基準を満たす投手はおらず、唯一3点台を死守したのは途中加入した助っ人

エスコバー(26) 27試合 1勝3敗 7H 防 3.44

ぐらいだという状況。こう考えると ドラフト・FA・トレード・トライアウト・助っ人なども含めて、
最低3,4人はリリーフで来年計算が経つ選手を獲得し、実績ある現有戦力と競いあうような状況を作らないと厳しいのではないのだろうか。


(投手補強を考える)

 ここまで見てみると、まずは ウィーランド と パットン 
残留が最優先事項エスコバーに関しては微妙な成績なので、昨年のエリアンのように9000万の年俸を下げてもらえればという条件次第ではないのだろうか。クラインの退団は決定的だと言えよう。

 そして
来年即先発入りできそうな先発投手の獲得はオフの最大の命題。さらにリリーフもドラフト・FA・トレード・退団者組などを駆使してでも、3,4人新しい血を入れる必要があるのではないのだろうか。そうすることで現有戦力との競争を煽ったり、若手の奮起に期待しリリーフ陣の質を向上させるしかない。あとはもう少し先発陣が、6回ぐらいまでは高い確率で投げきってもらいたいということ。日本のように移動時間の短い球界で中6日というメジャーより余裕のあるローテーションを組んでいるのであれば、100球ではなく120球ぐらいを目処に投げて頂きたい。そういった先発陣の体力強化・意識の変化を促すことで、リリーフ陣の負担を減らし良い循環を導きたい。それが期待できるぐらいの、先発陣ではあると思うので。

 








2017年 横浜のいまある姿・投手編 

 ドラフト前に作成した「横浜の進むべき道・投手編」(下記に記載されています)では、まだ山口俊がFAで移籍することが決定的ではなかった時期のもの。その段階においてもベイは、このオフに来年即働ける4人の投手を獲得すべきだと記載した。そしてそれに加え、FA流失した山口俊の穴をも埋めないと行けないという事態に陥ることになる。


(山口俊の穴は埋められたのか?)

 もし山口俊が流出しなければ獲得しなかったのではないかと思われるのが、P.クライン(28)投手の獲得。この投手、贔屓目無しにみても今までホエールズ時代から数えても最強レベルの先発投手ではないかと思え、昨年の山口が残した11勝に近い勝ち星は期待できるのではないかと思わせるものがある。更に山口俊の人的補償で 平良拳太郎(22)投手を獲得。現在の平良の実績・力量からすると、先発入りを争う1人という位置づけであり、必ずしもローテーションに入るレベルにあるのかは疑問。またもし山口が移籍しなければ一軍枠で投げたであろう J・ウィーランド(27)投手の外人枠を奪ってしまう可能性があり、構図としては

 
山口俊・ウィーランド = クライン・平良

 となり、こう考えると山口の抜けた穴は簡単には埋まらないことがわかる。もちろんウィーランドが一軍に残る可能性もあるし、こういった図式になるとは限らないが。しかし山口俊の穴を最小限にしょうとしたという意味では、評価はできるオフだったのではないのだろうか。

(先発陣を改めて考える)

先発確定的な3人がおり、

石田 健大(24)左腕 25試合  9勝 4敗 防御率 3.12
今永 昇太(24)左腕 22試合  8勝 9敗 防御率 2.93
井納 翔一(31)右腕 23試合  7勝11敗 防御率 3.50

これに、新加入組の

クライン  (28)右腕
ウィーランド(27)右腕
平良 拳太郎(22)右腕

ドラフトでは、平良同様に先発争いに加われそうな

濱口 遥大(22)左腕
水野 滉也(23)右腕

の獲得。その他に昨年も実績のある

久保 康友(37)右腕 15試合  5勝 8敗 防御率 3.55
砂田 毅樹  (22)左腕 17試合  2勝 2敗 防御率 3.78

砂田はリリーフにまわる可能性も充分あるが、他にも若手有望株や復調が期待される

飯塚 悟史(21)
三嶋 一輝(27)

あたりまでは、有力な先発候補になってくる。計算できる投手は上記3人のみだが、残り3枠を9人で争う形になり競争を煽るということはできている。ドラフトで計算できる即戦力が穫れなかったのは痛かったが、これは悔やんでみても始まらない。



(リリーフ陣)

昨年の内容からも、計算できる成績を残していたのは下記の3人。

須田 幸太(31) 62試合 5勝3敗23H 防御率 2.68
田中健ニ朗(28) 61試合 5勝3敗23H 防御率 2.45
三上 朋也(28) 59試合 2勝4敗32H 防御率 2.61

これにクローザーの

山崎 康晃(25) 59試合 2勝3敗33S 防御率 3.59

を加え、残り1軍枠の残り2~3枠をいかに補強できるかにかかっていた。そんななか過去ベイに来たリリーフ投手の中でもトップクラスの力量だと評価できそうな

S.パットン(29)右腕 が、順調に能力を発揮してくれれば、この中に加わる可能性は高い。これに加え先発候補にもあがっている 砂田 毅樹 (22)左腕がリリーフにまわれば、これで一軍枠はほぼ埋まることにはなる。

あと1枠を設けるのかは定かではないが、残りの1枠を現有戦力が争う形になる。もちろん上記のメンバーから調子が悪いもの、怪我でリタイアするものも出てくる可能性があるので、残りの選手がこの中に入ってゆく可能性も残されている。またドラフト下位指名ながらもリリーフならば期待できそうな

尾仲 祐哉(22)右腕
進藤 拓也(25)右腕

も加わり、リリーフ陣の競争を煽ることができている。こう考えると1年目から即働ける投手を4人獲得することもできたオフだった。



(結論)

 
選んだ面子が正しかったかどうかは、シーズンにならないと答えはでない。しかし山口の穴・1年目から戦力になり得る選手を4人獲得する というオフの最大の命題をフロントは果たしたことになる。フロントはやるべきことはやったので、あとは獲得した選手が働くことを祈るしかない。

 少くても頼りなかった先発助っ人の強化、昨年全く機能していなかったリリーフ助っ人、この2つに関してはプラスアルファが望めそうだということ。しかしそのプラスアルファがあっても山口俊の穴をも埋めきれるかどうかは、微妙だと言わざるえない。こう考えると投手陣は、昨年並の内容維持できるかどうかであり、野手陣の更なる奮起を期待するしかなさそうだ。

 








 2017年 横浜のいまある姿・野手編
 
 2016年度のオフシーズンも終わり告げ、今の面子で開幕を迎えることになるであろうベイスターズ。そこで新たな新戦力を加えながら、2017年度のベイスターズが、どのような布陣で挑もうとしているのか考察し、課題を見つめたいと思います。そこで今回は、いつものように1ポジション4人制を使いながら、野手について考えてみましょう。まずは、それらしい選手を、各ポジション4人ずつ配置してゆきます。



<一塁> レギュラー : ロペス  (34)
     対抗    : 後藤   (37)
     バックアップ: 
シリアコ (30)
     育成    :
 
山本武白志(19)

 レギュラーは当然ながら 34本 95打点 打率.263厘 を残したロペス(34)が務めることになります。一軍の控えには、右の代打の切り札である後藤(37)が入ることは、ほぼ規定路線ではないのでしょうか。その後藤とロペスを刺激する存在として、新加入の助っ人・シリアコ(30)をここに入れてみました。元々シリアコは三塁として獲得したという話ですが、その三塁の守備は怪しい。まして白崎・宮崎・山下などもいるチーム事情を考えると、ロペスや筒香に何かあった時の保険的な役割を担うことになりそう。そして育成には、2年目を迎える山本武白志(19)を添え形としては整ってきます。

<二塁> レギュラー エリアン(32)
     対抗    :石川  (31)
     バックアップ:
田中浩康(35)
     育成    :
百瀬  (21)

 もっともレギュラーが固定できていないポジションが、このセカンドです。来日2年目を迎えるエリアン(32)の馴れと、元来ならば不動のレギュラーであるはずの石川(31)のレギュラー争いに。しかしここ数年満身創痍で能力を出しきれない石川だけでは心もとないと、ヤクルトで実績充分の田中浩康(35)を獲得してきました。田中にどの程度の力が残っているのかは疑問が残るのですが、実績は充分な選手だけに石川の刺激剤としては申し分ありません。育成の選手はいなかったのですが、ドラフトで遊撃候補を補充できたので、3年目の百瀬(21)をこのポジションの育成にあてはめました。百瀬は、今年ある程度2軍でめどをつけないと厳しい状況にとなってきます。遊撃手としては物足りないので、今年はセカンドとして期待してみたいところ。

<遊撃> レギュラー :倉本  (26)
     対抗    :山崎憲晴(31)
     バックアップ:
柴田  (24)
     育成    :
松尾  (19)

 
レギュラーは、昨年141試合に出場した倉本(26)。ショートながら打率.294厘をマークするなど、不動のレギュラーに成長した。靭帯断絶からシーズン後半に復帰した 山崎憲(31)と守備が売りの2年目の柴田(24)が、一軍争いをすることに。特に彼らには守備固めとして倉本の疲労の軽減やガス抜きを担うだけでなく、セカンド・サードなど他のポジションもこなす幅広い役割が求められそう。まずは、復帰する山崎にしても柴田にしても、倉本以上の守備力があることを示す必要がある。また育成には、高卒ルーキーの 松尾(19)をあてはめてみた。松尾の場合、セカンド。・サードの可能性もあるが、年齢のバランス的には彼がショートに入ることが1番好い形になる。ミスも結構するだろうが、攻撃的な守備を魅せてくれるに違いない。いずれにしても倉本が健在ならば、好い形で一年間乗り越えられそう。


<三塁> レギュラー :宮崎(29)
     対抗    :白崎(27)
     バックアップ:山下(24)
     育成    :
狩野(23)


 
昨年は主にセカンド中心に起用され 101試合 11本 36打点 打率.291厘 を残した宮崎(29)が、セカンドと両睨みでポジション獲得を目指す。対抗の白崎(27)も、大型サードとしての期待を担う。白崎が安定するようだと、宮崎を二塁に持ってゆけ起用の幅が広がりそう。白崎には、2割5分・20本 をあえて設定してみたい。山下は、三塁のバックアップ的な位置づけに添えたが、打力・守備力も水準を満たしており、決め手不足のセカンドやこのサードのレギュラーに躍り出ても不思議ではない。この選手も、セカンドと両睨みという起用になりそう。一応育成には大卒ルーキーの狩野(23)をあててみた。松尾とどちらがショートの適性が高いかは微妙だが、どちらかが三塁を担うことになるだろう。また捕手登録ながら、将来を嘱望されている網谷(20)が、サードやファーストで起用される機会も増えてきそう。

<右翼> レギュラー :梶谷   (29)
     対抗    :
関根   (22)
     バックアップ:松本   (31)
     育成    :
細川   (19)

 順調に行けばレギュラーは、今年も梶谷(29)が担うことに。しかし怪我が多かったり、好不調の波が激しい選手なので、隙あらばと虎視眈々とレギュラーを狙う 関根(22)の方をライトにあてはめてみた。外野の場合、ポジションの融通がききやすいので、この形に特別こだわる必要はない。一応バックアップを乙坂にしようと思ったが、年齢的なバランスで 松本(31)の方にした。啓ニ朗には、まだまだレフトで老け込んで欲しくはなく、守り・肩という部分でも再度アピールしてもらいたい。育成は、期待の和製大砲候補の細川(19)を。高校時代は主に右翼と投手。地肩の強さを活かし、ライトで育成してみたい。このポジションも、梶谷・関根の2人の一軍入りが有力なポジションといえる。

<中堅> レギュラー :桑原 (24)
     対抗    :荒波 (31)
     バックアップ:
飛雄馬(26)
     育成    :青柳 (20)


 昨年レギュラーに定着した桑原(24)が最右翼。関根あたりも虎視眈々とセンターを狙うことになると思うが、あえて実績のある荒波(31)をこちらに配置してみた。怪我などで順調を欠いたが、本来ならばレギュラーにいてもおかしくない荒波がレギュラー争いを演じることはチームの刺激になる。また内野が増えすぎたのもあり、身体能力の高い飛雄馬(26)を外野に持ってきた。飛雄馬は秋季キャンプから外野練習にチャレンジしており、桑原以外にいない右の外野手での一軍入りを狙う。チームのムードメーカーでもあり、彼が控えでも常時ベンチに入るようになるとチームにも勢いがでる。育成は、高卒2年目の青柳が守れるところも魅せ存在感を示して欲しい。期待の大きな選手だけに、多くの経験を積みたいところ。ここも桑原がビシッとポジションを担ってくれれば、バランスは良くなる。

<左翼> レギュラー ;筒香(26)
     対抗    :下園(33)
     バックアップ:乙坂(23)
     育成    :白根(24)


 レギュラーは言わずとしれたチームの4番・筒香(26)で決まりだろう。また昨年の戦力分布で言えば、ここに代打の切り札的な下園(33)が入って一軍枠は決定的。しかしこのポジションに、同じ左打ちで代打でも強さを発揮する乙坂(23)とポジション争いをしてもらいたい。下園のコンタクト能力の高さに比べると乙坂は劣るものの、代打のあとにそのまま守りにつけるところが下園にはない魅力。試合後半に筒香を休ませるにも、守れる乙坂が一軍にいると起用の幅も広がるというもの。逆に下園は、よほど打撃で存在感を示せないと厳しくなる。育成の適齢期の選手はいないのだが、秋季キャンプで外野練習に取り組んだ白根(24)を本格的に外野手として馴れさせたい。故障の多い筒香に対し、何かあった時に打線が見劣らないためにも、打力のある白根が左翼をできる意味は大きい。同じように内野と左翼との両睨みという意味では、新加入のシリアコ(30)も、そんな存在になるかもしれない。ちなみにシリアコの外野守備は、相当危なっかしいが。


<捕手> レギュラー :戸柱(27)
     対抗    :高城(24)・嶺井(26)・黒羽根(30)
     バックアップ:西森(30)
     育成    :亀井(20)・網谷(20)・
佐野(23)



 
昨年最もマスクを被った戸柱(27)が、レギュラーの最右翼。それに秋になって打撃が大きく伸びてきた嶺井(26)、素材はNO.1の高城、レギュラー経験のある黒羽根(30)と一軍枠は、この4人が有力。ただし今年の場合、3人目の捕手として打力が高く評価されている網谷(20)が、右の代打・三塁あたりを担うことも含めて一軍入りする可能性を秘めている。どうしても西森(30)は、緊急時の要員になってしまう。しかしこの西森も俊足が持ち味でもあり、外野や一塁など担えるなど、打撃でアピールできれば第三の捕手として一軍の可能性を残す。また3年目を迎える亀井は(20)はまだ育成段階を脱せられないが、ディフェンスに関してはある程度任せられるレベルに来ている。あとは、打力の成長が観られると面白いのだが。上記のように、網谷の今後捕手としての位置付けが見えないだけに、広陵時代に捕手経験のあるルーキー佐野(23)を、捕手もできる強打の野手として育ててみたいと思わせるものがある。高校時代は、投手・捕手・遊撃・二塁なども守った経験があり、3人目の捕手としても使い勝手が好い選手。あえて将来もそういう位置づけを想定して、捕手の練習を積極的にさせてみてはどうだろうか? というか内野手が増えすぎてせっかく獲得したのに、佐野の居場所が見当たらない。


(野手に関して)

 かなり無理矢理に並べた感は否めないが、野手人数が増えすぎたのでこんな感じになってしまう。まぁ融通の効く選手が多いので、状況次第でこの形は大きく崩れるだろうし、フロントや首脳陣がどう考えるかはわからない。

 ただしオフ最大の課題であった 
筒香のあとの5番打者の補強 は、未だ埋められずにいる。ここがチームの1番の不安要素であり、昨年5番を担った宮崎の更なる飛躍に託すぐらいしか期待できる要素がないということになる。あと可能性を模索するとするならば、シリアコが三塁手としてエリアンとの一軍争いに勝利しポジションに収まったときだろうか?









山口俊の人的補償を考える 

 FAで巨人に移籍することになった 山口 俊 の、人的補償リストが12日届いたことが明らかになった。そこで私なりに、巨人から獲得すべき選手を考えてみた。リストの中身は明らかになっていないので、あくまでも仮定の話しで進めてゆく。

 
恐らく巨人は、ベイスターズは投手を狙って来るだろうと厚めにプロテクトして来ることが予想される。投手でなければ、課題である内野手ではないかと。そのため外野手や捕手は、必要最低限の選手しか保護していないのではないかということ。

 当然ベイスターズも、投手補強が1番なのは間違いないだろう。その中から私としては、
実績組よりも若手選手をあえて対象としたい。28名のプロテクトから外れた選手が、そう戦力になりえるとは考えづらいからだ。プロテクトされた可能性は高いとはいえ、あえて若手選手の名前からあげてみる。


第一希望は 桜井俊貴(23)投手

 言わずと知れた、昨年の巨人の1位指名。しかし今シーズンは、1軍で 1試合(4回1/3イニング) 0勝1敗 防御率 8.31 二軍で 1試合(1イニング) 防御率 0.00 。三軍では 4試合 1勝3敗 防御率 5.60 と散々なルーキーイヤーとなっている。

 その原因は、肘を故障し復活に戸惑ったことと原因は明らか。現在台湾で行われているウインターリーグでは、元来の切れのある球を連発しており、ベイでもローテーション入りが期待できる能力があると判断する。

 さすがに道義上、昨年の1位は外して来ないだろうという見方は当然ある。しかし逆にどうしても実績のあるベテラン勢(杉内や西村など)まで獲られたくないとプロテクトするのであれば、彼あたりが外れる可能性もあるということ。桜井はドラフト1位で入団したにも関わらず、すでに背番号21を剥奪されるなどチームでの扱いはかなり悪い。もしリストに入っているのであれば、いの一番で獲得を検討すべき選手ではないのだろうか。うまくゆけば7,8勝ぐらいして、山口の穴を最小限に留められる可能性を秘めている。


第二希望 重信慎之介(23)外野手

 この選手も、普通に考えればプロテクトされている可能性は高いだろう。特に巨人の外野の控え層の薄さを考えると、外して来る可能性は低いかもしれない。しかし上記の実績組を獲られたくないと保護に走れば、まさか外野手を獲得しには来ないだろうと考え外すかもしれない。そのぐらい桜井や重信は、微妙なところに位置する選手たちだからだ。

 重信の今シーズンは、25試合(79打席) 0本 2打点 5盗塁(1失敗)打率.190厘 という成績。ある程度1年目から、一軍を経験できたことは大きいかと。二軍では、
91試合(330打席) 3本 38打点 36盗塁(13失敗)打率.258厘 という成績だった。

 何故外野のレギュラーが固定され、控え層の質も量も比較的充実しているベイスターズに重信が必要だと考えるのか? 1つは、このオフにベイは、高校生の細川をドラフトで指名したのみで、あとは全く外野のテコ入れをしていない。しいていえば内野の人数が増えすぎたので、内野手登録である飛雄馬と白根を秋季キャンプで外野で鍛えて来年に備えているぐらいだ。

 実は高田GMと話した時に、ベイには本当の意味で走れる選手が梶谷ぐらいしかいないとおっしゃっていた。あとは、そこそこで桑原と関根ぐらい。少なくても重信が入れば、ベイでも梶谷と匹敵する、あるいはそれ以上の走力の選手が加わることになる。今ベイに欲しい選手の中に、
本当の意味で走れる選手 という側面がある。これは、意外に他球団から見れば盲点になる補強ポイントだろう。そして重信は、元々大学下級生までは二塁手だったのだ。そのこともあって巨人では、秋季キャンプでセカンドの練習もさせていたぐらいだった(吉川の加入でどうなったか?)。仮に巨人が投手・内野手のプロテクトを厚めするあまり、重信を外していたとしたら、迷わず獲りにゆく人材ではないのだろうか。


第三希望 実績投手

 この二人がプロテクトされているようだと、若手でどうしても獲りたいという選手はいなくなる。まさか 岡本和真 を外すとは思えないし、一軍で26試合 打率.256厘で、重信以上に存在感を示していた 山本 泰寛 をプロテクトしないとも考えづらい。彼らが含まれていないようならば、ここは切り替えて
実績組を狙うことになるだろう。優先順位は、やはり投手となる。

 ビッグネームでは、杉内 俊哉(36)・西村 健太朗(31)あたりが外れる可能性がある。杉内は言わずと知れた通算142勝をあげている大投手なわけだが、故障から復活できずにいる。今シーズンは二軍でも 
4試合 1勝2敗 防御率 5.21 と獲得は大きな賭けになる。むしろ勝利の方程式から外れ居場所が無くなった感のある西村は、一軍でも 27試合 0勝0敗 防御率 3.21 そこそこの成績はあげている。まだ年齢的にも衰える歳ではないので、一軍の一中継ぎ程度ならば期待できるし、先発としても現有戦力と争え刺激するぐらいの力はあるはず。復活すれば山口の穴をも埋められる杉内を選ぶか、ここは確実に戦力になれる可能性がある西村を選ぶかは悩ましい。

 まさか 大竹 寛(33)や 山口 鉄也(33)までは外すことはないだろうとは思うのだが、あえて高額年俸の山口鉄あたりを挑発的に外すということも無きにしもあらず。外しているようならば、獲得を検討しても好いだろう。


第四希望 実績野手

 ここまでにあげた8名全員がプロテクトされているとは考え難いものがあるが、あえて実績のある野手もあげてみたい。その筆頭は、片岡 治大(33)内野手、立岡 宗一郎(26)の二人だ。二人ともよそから巨人に来た選手である上に、チームでの居場所を失いつつあるので外される可能性は充分ある。片岡は、今年一軍で 
32試合 2本 4打点 4盗塁(0失敗) 打率.222厘 。しかしベイの1番の穴である二塁を守れる選手であり、何より足のスペシャリスト。今年も4盗塁ながら失敗0ということで、ベイの選手達もその走塁から学ぶことが少なくないはず。立岡の場合は、外野だけでなく、二塁も守れると融通さと若さが魅力。昨年は一軍で、91試合 0本 14打点 16盗塁 打率.304厘 。ここで二塁手の補強を確実にしとけば、エリアンを二軍において 外人投手3人、野手1人 の起用にすることで投手力のUpを図るという方法もあるということ。


第五希望 その他の投手

 もしものために、それ以外の名前も最後にあげておこう。その筆頭は、今村 信貴(22)左腕。今年は一軍で 
16試合 3勝4敗 防御率 5.59 。投手としての底を魅せてしまったということで、若手左腕ながら外れている可能性がある。ベイの場合、砂田を先発からリリーフに転向させた場合、ローテーションの谷間をドラ1の 濱口 が担うことになるだろう。しかし濱口は新人だけに計算がたたないので競わせる相手が欲しい。また今村自身中継ぎのほうが適正があるのではないかとみることもでき、砂田などと左の中継ぎ争いに加わってもらっても構わない。一軍争いのできる若手左腕が加えられるならばと、獲得に動く可能性はある。

 その他では、昨年のドラフト3位 與那原 大樹(18)右腕 を狙う選択肢もある。高卒1年目の今年は、二軍でも 
5試合 1勝1敗0S 防御率 2.08 と経験は乏しい。しかしベイで言えば若年層の有望株は 飯塚・綾部・今年指名した京山 ぐらいしかおらず、その一人に彼を加えるというのも悪くはないだろう。少しトルネード風に身体を捻るフォームで、恵まれた体格、クレバーな思考の持ち主。しっかり鍛えて指導すれば、これから化ける可能性を秘めている。ただし台湾のウインターリーグを観る限りは、まだまだという印象は否めなかった。

 同じく有望株の3年目の 平良 拳太郎(21)右腕などは、巨人でも期待の若手の一人。ただしベイには彼のようなスリークォーター・サイド系の投手は多く、その中で特徴を見出すのは難しい。今後爆発的に伸びるタイプでもないことを考えると、個人的にはあまり推せない。


(最後に)

 
もし人的補償を実行するのであれば、この中の13名の中から選ぶべきだと考える。正直若くない中途半端な選手はいらないと思っているので、先日トレードされた小山あたりには興味を持っていなかった。一軍の枠もパンパンであることを考えると、これ以外のメンバーならば無理して獲らなくても良いのではないのだろうか。今言えることは、山口の穴を一人で埋められるわけではないということ。しかし人的補償と山口が移籍しなければ獲得する予定になかった新たな外国人投手の獲得を絡めれば、損失をかなり減らすことはできるはず。とりあえず ただでは転ぶな! とだけ言わせて頂きたい。

 








 2017年 横浜の進むべき道!(ドラフト編)
 
 ベイスターズのここまでの退団者は、10名。その内訳は、投手6名・内野2名・外野2名 となっている。外国人を除く日本人選手は、総勢51名(+育成4名)に。それに恐らく外国人投手3名・外国人野手3名ぐらいだと見積もって57名(育成4名)となる。高田GMの考えだと育成含めて70名でチーム運営をする考えで、シーズン前には66名で構成するのが基本線だという。こうやって考えると10名前後余裕がある形になるが、ドラフトではおおよそ7名前後(育成枠含む)ぐらいの指名を行って来ることが予想される。

 空いた枠をどう埋めるのかはわからないが、内野手2名・外野手2名の退団者を出したところをみると、
投手4名・野手4名のドラフトを基本線と考えているのではないのだろうか。ただし希望の選手が上手く穫れるとは限らないので、上手くゆかなかったところをトライアウトやトレードなど別の方法で埋めてゆくことになりそうだ。基本的に捕手の退団者がいないことからも、捕手の指名はないものと考えられる。

(補強ポイント)

 そこで下記に記した投手編・野手編を元に、ドラフト指名が予想される8名の内訳を考えてみた。まず補強ポイントだが

1、計算できる先発候補 (1位候補)

2、先発・リリーフ可能な即戦力投手 (2位候補)

3、三塁か二塁を担えそうな内野手候補(2名)

4、リリーフで一軍争いできる存在(1名)

5、右打ちの強打の外野手即戦力候補(1名)

6、将来性のある三拍子揃った外野手(1名)

7、将来性のある投手(1名)

こんな形になるのではないのだろうか。順番も多少前後することもあるかもしれないが、優先順に並べてみた。

 ここまでの報道によると、ベイスターズの
1位指名は、田中 正義(創価大)、寺島 成輝(履正社)、藤平 尚真(横浜)の3人の投手に絞ったとされている。田中にゆくにしても寺島にゆくにしても競合は避けられず、あえて他球団との競合を避けて一本釣りを狙うのであれば、藤平 という選択肢になる。しかし下記の投手編を観て頂ければわかるとおり、来季優勝争いに加わるためには、このドラフトで計算できる投手を1人、2人は必ず補充したい。

 高田GMの基本姿勢は、その年に一番評価した投手にゆくという明確なものがある。そう考えると、田中か寺島のいずれかの投手にゆくのではないのだろうか。高校生の寺島を1年目から戦力になれると考えれば寺島の可能性も捨てきれないが、恐らくDeNAの一位指名は、
田中 正義(創価大)右腕 ということに落ち着くだろう。そして実際最初から指名する球団があるかは微妙な位置にいる藤平 尚真(横浜高)右腕を、ハズレ1位の候補と設定するのではないのだろうか。

 問題は、田中を外した時である。藤平が残っていれば当然他球団も外れ1位候補として、藤平をあげてくるチームも出てくるだろう。すなわちハズレのハズレ、あるいはそのハズレぐらいまで用意して挑まなければいけない。ハズレ1位に藤平にゆくということは、もう計算できる即戦力といえる 柳 裕也(明大)あたりもいなくなっており、えぇ~コイツ1位に指名しちゃうのかよとか、素材は良さそうだけれども1年目からはアテにできないよね? というタイプの選手を1位指名せざる得ない状況に陥るのまでは覚悟しておいた方がいい。

 
2位指名になると、よりその傾向は強くなる。思い切って高校生の 高橋 昂也(花咲徳栄)や堀 瑞輝(広島新庄)などの高校生などにするのか、あくまでも2位も即戦力にこだわるとなると、黒木 優太(立正大)や田中のチームメイトの池田 隆英(創価大)、加藤 拓也(慶応大)などの、球速豊な先発でもリリーフでも期待できるタイプの速球派を狙う可能性もある。またこの時点で、京田 陽太(日大)、吉川 尚輝(中京学院大)などの有力内野手が残っていた場合は、野手指名に走る可能性も無きにしもあらずではないのだろうか。

 3位以降は流動的なのだが、
三塁候補となると、大山 悠輔(白鴎大)、松本 桃太郎(仙台大)、社会人ならば、金子 聖史(東芝)や独立からならば、岡下 大将(BC福島)あたりも有力な候補となるだろう。

 またもう一つの課題である
ニ遊間候補であれば、先にあげた京田や吉川だけでなく、源田 壮亮(トヨタ自動車)、中山 悠輝(東京ガス)福田 周平(NTT東日本)などの社会人や、狩野 行寿(平成国際大)や石井 一成(早稲田大)あたりの大学生も候補になってきそう。

 また
リリーフでなら即戦力を期待できるタイプとなると、水野 滉也東海大北海道)、田村 伊知郎(立教大)などの大学生に、北出 浩喜(パナニック)酒居 知史(大阪ガス)小林 慶祐(日本生命)投手森原 康平(新日鉄広畑)など、社会人にも中位ぐらいならば面白そうなリリーフタイプは多い。

 ここ数年は、飯塚 悟史(7位)や 綾部 翔(5位)といった
高校生の好素材を下位指名で指名しており、今年もこのドラフトを継承する形ならば、打田 雷樹(日本航空石川)や西田 光汰(大体大浪商)、才木 浩人(須磨翔風)などのスケール感を落とさない好素材を狙って来る可能性もある。

 また一軍で戦力になる右の外野手がレギュラーの桑原しかいないことを考えると、矢幡 勇人(26歳・ヤマハ)のような
1年目から戦力として計算できそうな右の外野手を指名してくるかもしれない。特に近年では、宮﨑 敏郎(6位)、野川 拓斗(7位)など、指名の最後の方で社会人を指名するパターンも少なくないからだ。恐らくここにあげた選手の1人や2人は、指名されるだろうから気に留めておいて頂きたい。






2017年 横浜の進むべき道!(野手編) 
 
 投手編に引き続き、今年も1ポジション4人制を使って野手の編成を考えてみたい。あくまでも一番良いと思われるポジションに充てはめているだけで、そのポジションでなくてはならないということではないので柔軟に捉えて頂きたい。

 すでにベイスターズは、今年度の退団者を発表。野手では、内野手2人、外野手2人がチームを去る。また捕手の退団はなく、おおよそドラフトでの指名も見えてきた。今回もポジョンごとに、レギュラー・対抗/バックアップ・育成 の4つの役割にわけて考えてゆく。年齢は、来年度の年齢とする。



<一塁> レギュラー : ロペス  (34)
     対抗    : 後藤   (37)
     バックアップ: 白根   (24)
     育成    :
 
山本武白志(19)


 自己キャリアハイとなると、34本・95打点をあげた、ロペス(34)の残留が確定。代打の切り札である後藤(37)が、引き続き一軍で一塁の控えにまわるのが基本線。2人に何かがあったときには、ファームで10本・58打点の白根(24)が一軍を補う。白根の来年の目標は、後藤のポジションを狙うこと。また後藤は、時にはスタメンで出場し高齢になってきたロペスの負担を軽減してもらいたい。
山本武白志(19)はイースタンで打率.143厘であり、まだプロの球には充分対応できていない。来年も引き続き、育成という立場で技量を磨いてゆきたい。結論としては、バランスのとれた構成になっており、とくに補強の必要は感じない


<二塁> レギュラー 石川  (31)
     対抗    :エリアン(32)
     バックアップ:飛雄馬 (26)
     育成    :
なし

 誰をここにあてはめるかは意見が別れるところだが、一応現在考えられる面子だとこういう形にしてみた。シーズンで最もセカンドを担ったのは宮崎だったが、現時点では三塁の人材とすることにする。もともと順調であれば、石川(31)が不動のレギュラーになるポジション。しかしながら近年は、故障のため持ち得る能力を出しきれず、今年も.209厘とレギュラーを任せられる数字ではなかった。またシーズン途中から加入したエリアン(32)も、79試合 5本 33打点 打率.218厘 と、助っ人としてはお粗末な成績。しかし得点圏の強さ、二塁もこなせる守備力、チームへの順応などを観ていても、もう一年見てみてみたいと思わせるものはある。年俸や起用の条件次第ではあるが、残留の方向で話を進めてみてもという気はする。キャンプを日本で過ごし日本球界にもなれた2年目は、見違えるような活躍をするかもしれない。バックアップは、飛雄馬(26)をあてがった。飛雄馬の起用は遊撃、三塁が多いのだが、実にミスが多い。彼の身体能力や守備力を最も活かせるのは二塁であると考えている。この辺は現場の首脳陣の考えとは一致しないかもしれないが、来年はセカンド中心で起用してはどうだろうか?現実には、おそらく山下が二塁で飛雄馬が三塁という位置づけになるのだろう。また
若年層に該当する選手はいないものの、チームで最も弱いポジションであることを考えると、ドラフトで大学生や社会人を補強しても良いのではないのだろうか。


<遊撃> レギュラー :倉本 (26)
     対抗    :山崎憲(31)
     バックアップ:
柴田 (24)
     育成    :百瀬 (21)

 倉本は141試合に出場しショートながら.294厘をマークするなど不動のレギュラーに。控えには靭帯損傷から復活し始めた山崎憲(31)を一応あてがっておく。元来の動きが回復すれば、守備力は申し分ない。またその山崎を越えたいのが、2年目を迎える柴田(24)。元々守備には定評があった選手だが、ルーキーイヤーはファームでも打率.215厘と打撃で苦労した。ボールに当てる能力は悪くないので、強さが増してくれば打撃でも存在感を魅せてくれるはず。できれば倉本の負担を、軽減させる存在になって欲しい。百瀬も2年目にして、ファームで.177厘とまだ物足りない。打席では粘れるようになってきたが、まだ一軍を狙うには時期尚早で育成期間だと位置づけたい。高卒3年目となるだけに、来年で二軍を卒業して欲しいところだが。こうやってみると層は薄いものの、倉本の成長で緊急性はだいぶ薄れてきた。
今年はあえて、無理に補強する必要はない。


<三塁> レギュラー :宮崎(29)
     対抗    :白崎(27)
     バックアップ:山下(24)
     育成    :
なし

 
チームにおいて、二塁と共に最も弱いポジションだと言われている。そんな中セカンド中心に起用された宮崎(29)は、一軍で 101試合 11本 36打点 打率.291厘 をマーク。ベイにとっては、この宮崎を二塁にするか三塁にするかで補強の仕方が変わってくる。控えは、92試合で6本塁打を放っている白崎(27)もおり、更にバックアップには、代打成功率の高い 山下(24)もいる。もしエリアンを解雇するのであれば、この三塁に新外国人を、そして宮崎を二塁という起用が前提になりそう。あるいは、内野手三人の助っ人体制という選択肢もあるだろう。しかし近年、三塁をある程度守れて打てる助っ人を獲得するのは困難であり、獲得してきても額面通り働いてくれるのかは微妙なところ。育成のところに選手がいないものの、二塁同様に緊急性の高いポジションだけに、今年は大学生や社会人あたりの獲得でも構わないのではないかと考えている。


<右翼> レギュラー :梶谷   (29)
     対抗    :
新助っ人
     バックアップ:乙坂   (23)
     育成    :青柳   (20)


 レギュラーは、梶谷(29)がほぼ確定。107試合 18本 56打点 打率.273厘 と怪我に泣かされたシーズンではあったが、その能力の片鱗を魅せた。持ち得る能力ならば、トリプルスリーも狙える素材。しかしあえてここに、一軍に常時置くかは別にしても、
新助っ人を加えてみたい。というのは、梶谷も筒香も怪我の多い選手であり、彼らがいなくなったときの戦力ダウンは計り知れない。彼らの穴埋めは容易にはできず、かつ彼らや他の内野の助っ人にも刺激を与える意味でも大きい。外野&一塁ぐらいはできる助っ人を獲得しておくことは、危機管理の意味でも重要になってくる。これが、不足する右の外野手であれば言うことはない。この助っ人は普段は二軍に置く可能性もあるので、バックアップの選手が重要になる。そういった意味では、乙坂(23)あたりが、バックアップなのが望ましいだろう。ルーキーだった青柳(20)は、期待の大きな選手。しかし現時点では、まだ一軍を意識するのには時間が必要であり、来年も育成という位置づけになる。こう考えるとこのポジションは育成中の選手もおり、ドラフトではなく助っ人という形で補うのが望ましいのではないのだろうか。


<中堅> レギュラー :桑原(24)
     対抗    :関根(22)
     バックアップ:荒波(31)
     育成    :
なし

 
レギュラーは、チーム1の守備力を誇りレギュラーに定着した桑原(24)が収まる形に。しかし桑原は実績は今年だけでまだ全幅の信頼とはいかないので、対抗は若手有望株の関根(22)配置する。もちろん関根には、センター以外の他のポジションのレギュラーや控えも期待したい。関根・桑原が信頼に足りなければ、レギュラー経験のある荒波(31)控えることになる。当然荒波にも、右翼や左翼など他のポジションでのレギュラーも狙って頂きたい。ここまでの3人は、期待、実績と人材は豊富であるものの、育成段階の選手が存在しない。ドラフトでは、1人は守備力もある程度加味した外野手を加えたい。できれば桑原、関根の年齢も若いので、左右にこだわらず高校生の方が望ましいかと。


<左翼> レギュラー ;筒香(26)
     対抗    :下園(33)
     バックアップ:松本(31)
     育成    :
なし

 
レギュラーは引き続き、チームの不動の4番である筒香(26)が収まるのは間違いない。ただしもし大幅な打線のテコ入れをするのであれば、筒香に元々の三塁に戻ってもらって、ここに強打の助っ人、もしくはFAでの大物獲得 という選択肢も無きにしもあらず。しかしここまで成績を残してしまった筒香を、今更内野に戻すのは賭けと言わざるえない。対抗は、チームの代打の切り札である下園(33)の存在感が大きい。年間でリタイアする時期が必ずある、筒香の穴埋めも期待される。その下園が冴えないようであれば、経験豊富な松本(31)あたりも、すぐに下園の穴を埋めてもおかしくはないだろう。もちろん松本には、センターや右翼でも、一軍入りを目指して欲しい。問題は、ここも育成選手がいないポジション。しかしこちらは左翼手ということで、守備や走塁重視よりも、打撃重視型の選手を加えたい。また比較的年齢も高齢化しているポジションなので、大学、社会人でも構わないだろう。そして右打者で一軍を意識できるのが桑原しかいないことを考えると、できれば右打者であることが望ましいのでは? 


<捕手> レギュラー :戸柱(27)
     対抗    :高城(24)
     バックアップ:嶺井(26)・黒羽根(30)・西森(30)
     育成    :亀井(20)・網谷(20)

 
捕手の退団者はおらず、二次解雇の予定もないとのこと。黒羽根あたりがトレードされるなどがないかぎり、来季は今季を踏襲する形になりそう。ルーキーながら最もマスクをかぶった戸柱(27)の2年目の成長と、同じく常時一軍にいた高城(24)の巻き返しに期待したい。二軍では、嶺井(26)、黒羽根(30)と実績・経験のある実力が拮抗する2人が控える。育成段階の亀井(20)に関しては、ディフェンスはある程度観られるレベルになってきている。あとは、ファームでも.174厘の打撃を改善したい。怪我で大幅に出遅れた網谷(20)は、捉えたときの打球に光るものがある。またワンバウンド処理への対応は、チームでも1番ではないかと思わせるものがある。来年は、積極的に実戦の舞台で経験を積むことになりそう。育成段階の捕手を2人抱えていること、また一軍を意識できる捕手も4人いることを考えると、ドラフトでの指名は低いのではないのだろうか。ただし黒羽根の扱いや西森の位置づけが中途半端なので、思わず評価していた選手が残っていたときは指名がないとも言い切れないが・・・。


(野手補強を考える)

 退団者が内野手2名・外野手2名の野手だったことを考えると、ドラフトでこの穴を埋める可能性が高いとみる。ただし4人の野手指名は、結構ハードルが高い(希望の選手が残っているかは微妙)ことを考えると、ダメだった場合は他の方法を模索する可能性も残されている。特に二塁・三塁候補は、来年即使えることが望まれるポジションであり、それはアマの人材だけでは厳しいと考えても不思議ではないからだ。更に右の外野手で一軍を意識できるのが桑原しかいないことを考えると、このポジションも同様に考えるかもしれない。

 現在のベイにおいて、明らかに不足しているポジョンは1ポジション。この穴をどのような形で埋めるかは、いろいろな方法が考えられる。ただし現有戦力のポジションをそのままで二塁&三塁あたりを補おうとすると、それほど大幅な戦力アップが望めないというジレンマに陥る。今年のFA市場や昨今の外国人事情を考えると、筒香を三塁に再コンバートするとか大胆なことをしない限り、大きな補強は望めない。この辺は、まさにフロントの腕の見せどころではないのだろうか?









2017年 横浜の進むべき道!(投手編) 

 すべてのシーズンが終了し、今年もこのコーナーを更新する季節がやってきました。2016年度のベイスターズは、初のCS出場というめでたい結果に。しかしながらチーム成績は69勝71敗と負け越し、チーム防御率は5位に低迷するなど、楽観視できる状況ではありません。今年も投手編から、今後のベイスターズの進むべき道を模索してゆきます。

(投手編)


<先発編>

 例年どおり、先発ならば防御率 3.50位内、もしくは二桁勝利をあげている選手が、来年も先発として計算できる戦力だと設定します(年齢は来年の歳)。

山口 俊 (30)右腕 19試合 11勝 5敗 防御率 2.86
石田 健大(24)左腕 25試合  9勝 4敗 防御率 3.12
今永 昇太(24)左腕 22試合  8勝 9敗 防御率 2.93
井納 翔一(31)右腕 23試合  7勝11敗 防御率 3.50

の4人がなんとかファクターを満たし、来年も先発の頭数だと計算できる。しかしFAで山口が抜ける可能性、井納のファクターはまさにギリギリであり、この4人も楽観視できる状況ではない。

その他今シーズン先発を担った主な面子は

久保 康友(37)右腕 15試合  5勝 8敗 防御率 3.55
モスコーソ(34)右腕 13試合  5勝 7敗 防御率 5.18
ペトリック(28)右腕 15試合  3勝 2敗 防御率 5.51
砂田 毅樹  (22)左腕 17試合  2勝 2敗 防御率 3.78

といったあたりだろうか。こうなると昨年のチームの勝ち柱、一昨年の二桁勝利をしている久保に関しては、再びFAを迎えるものの引き続きチームに残ってもらいたい状況。砂田に関しても、谷間の役割を果たし若いことを考えると今後にも期待。問題は、助っ人の2人。成績的には微妙なだけに、現状はどちらかを残留させつつ、別の先発できる助っ人を獲得して来るというのが常套手段ではないだろうか。モスコーソは、子供が産まれたことでシーズン中から来季はメジャー復帰が噂されていた。それだけに若い ペトリック の方を残す形になると思うが、今のままだと多くは望めなそう。そのためあくまでも保険要員という位置づけにしか、ならないのではないのだろうか。

(先発補強を考える)

 まずFAになる、山口俊の引き止めが最大の名目。そして久保康に関しても、条件次第で残ってもらう方向で交渉を進めたい。先発残り2枠をいかに埋めるかは、現有戦力から1枠、もう
一枠を新助っ人&ドラフトで計算できる先発候補(1位)の獲得で埋めるというのが前提になるだろう。

 残念ながら若手の底上げもあまり進んでおらず、三嶋一輝(27)右腕の復調、高卒3年目の 飯塚悟史(21)の成長を期待するぐらいしか+αは多くは望めない。もし
山口に逃げられてしまうと、今年以上に苦しい台所事情に陥る可能性が高い。


<リリーフ編>

 リリーフで来年の戦力として計算できるのは、例年どおり 防御率2点台の投手たち。そういった投手をまず抜き出してみよう。

須田 幸太(31) 62試合 5勝3敗23H 防御率 2.68
田中健ニ朗(28) 61試合 5勝3敗23H 防御率 2.45
三上 朋也(28) 59試合 2勝4敗32H 防御率 2.61

となり、今年の場合この3人まで。下記に残っている昨年の記事では、この条件を満たす選手が6人いたのに比べると、今年はリリーフ陣の劣化が進んだことがわかる。何より深刻なのは、人数が半減しただけでなく、二桁登板した投手の中で、このファクターに惜しくも満たすことができなかったという選手が全く見当たらない点だ。昨年の場合は、この惜しくもというところに、今年大活躍した須田がいたし、有望株だったはずの平田もいたのだが・・・。

 今年の誤算は、エレラが全く使えなかったことと、前年2点台だった長田が戦力にならなかった。その分山崎を含めた4人に、負担が大きくなってしまったことがあげられる。更に暗い陰を落とすのは、クローザーの山崎の成績が悪化したことにある。

山崎 康晃(25) 59試合 2勝3敗33S 防御率 3.59

という数字に。セーブ数こそ稼いだが、シーズン通してツーシームのキレが鈍り、苦労することになる。逆にストレート自体は、思ったほど陰りは見られなかったのが救いといえば救い。来季も山崎に期待することになるが、山崎が今年以上に悪くなる可能性もあるわけで、補強の手を緩めるわけにはゆかない。

(リリーフ投手を考える)

 個人的には田中健ニ朗が、それほど左打者に強い左投手ではないので、左打者に強い左投手をリリーフに加えたい。この条件を満たすのは、まさに先発に回っている 砂田毅樹 になる。もちろんそのためには、谷間の先発を任されるぐらいの左腕を、ドラフトなり(2位あたり)で補強しないといけないだろう。またやはり、エレラ、ザガースキー、ブロードウェイの代わりとなる助っ人で、なんとか計算のたつリリーフ投手を左右に関わらず1枚は加えたい。それと、ドラフトで一人ぐらいリリーフ要員を加えるという形ではないのだろうか? 

 少なくてもこのオフの間に、
ドラフト、助っ人、FA、トレードなども駆使して、3人はリリーフで期待の持てる選手を加えるというのが目標ではないのだろうか。先発陣以上に、リリーフの補強は切迫している。あとは、2年目になる熊原をはじめ、現有戦力から1人ぐらいは出てくることを期待したい。とくにクローザーレベルの補強となると、助っ人レベルじゃないとそこを埋めるのは苦しいのではないのだろうか。来年も山崎がクローザーの基本線も、彼を刺激し競える人材や場合によってはとって代わるれる力量のある選手を獲得したい。

(投手補強を考える)

 先発も含めると、来年即働ける投手を、ドラフト、助っ人、FA、トレード、海外から復帰組なども駆使しながら、
4人は新たに加えたい。それが、来年に向けての投手補強となる。在籍するリリーフの3人の助っ人は、残念ながら全員解雇という方向で話が進むのではないのだろうか。