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舟越 秀虎(ソフトバンク)外野手のルーキー回顧へ







舟越 秀虎(城北3年)左翼 182/73 右/右 





 「どんだけの隠し玉なんだ」





 この夏の熊本大会では、9番・レフトとして2試合に出場した 舟越 秀虎 。破れた熊本国府戦では、スタメンから外れて最後まで出場することなく最後の夏を終えている。このような経歴な選手が、ドラフトで指名された例を私は知らない。


(守備・走塁)

 確認できた2打席では、ライトへの犠牲フライと内野フライ。走力を計測する機会は、最後までなかった。最大の売りはその脚力のようで、ベース1周14秒.0で回れるという、圧倒的な脚力にあるという。

 左翼手としては打球勘が好い感じには見えなかったが、その脚力を活かし広い守備範囲を誇る。特に球際で強さを発揮するタイプなのか、滑り込んで地面に落ちそうなボールを見事に捕球できていた。外野からの返球も少し見られたが、滅法強いというほどには見えなかったものの、中継の内野手までにはしっかり送球できていた。少なくても守備で評価された選手、というほどではなさそう。そうでなければ、レフトを守っていた理由も見当たらない。別に、投手としてマウンドに上がる選手でもないからである。


(打撃内容)

 チームの9番を担っていたように、打撃もプロに入るような打者には見えませんでした。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 前の足を引いて、グリップは高めに添えます。腰は深く屈めつつ、やや後ろ足に重心をかけている感じ。両眼で前を見据える姿勢や、全体のバランスとしては並ぐらいだろうか。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。これは対応力を重視した、アベレージヒッターに多く見られる仕掛けです。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 早めに足を引き上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地まで「間」は取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも打ちたいタイプかと。腰は早く開くものの、踏み出した足元を地面にめり込ませて、ある程度のところまでで止めることはできていえる。そのため甘めの外角球や高めの球ならば対応できるのではないのだろうか。実際見た試合では、ライトに犠牲フライを放っている。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは、バットを引くのが遅れがちになるので注意したい。バットの振り出しには癖はなく、上からミートポイントまで振り下ろして来るインサイド・アウトのスイング軌道。バットの先端も下がらず、広い面でボールを捉えにくる。スイング自体も大きな弧を描き、思っきり良く振ってくる。

<軸> 
☆☆★ 2.5

 足の上げ下げがあり、目線の上下動はそれなり。腰の逃げが早いものの、開きはある程度のところまで抑えられている。ただし軸足が前に傾くなど、身体が前に突っ込みやすかったりバランスを崩しやすいので注意したい。

(打撃のまとめ)

 技術的に云々というよりも、根本的にボールを捉える能力がプロのそれではないように思えた。チームで9番を担っていたが、レギュラーになったのはこの夏からだという。こと打つことに関しては、プロ云々のレベルには到達していない。


(最後に)

 完全に足を評価しての、一芸指名だと考えられる。守備や肩が滅法優れているわけでも、打撃に可能性を感じさせる素材でもなかった。また脚力も、フライを打つように足を活かしたプレースタイルというわけでもない。代走などに出して、マークされるなか盗塁を決められるかといった 周東 佑京(ソフトバンク)的な役割を期待しての指名してなのだろう。こういった経歴の選手でも、プロの中でも居場所を見出だせるのか? 見守ってみたい。


(2019年夏 熊本大会)