19ky-43
荒木 翔太(千原台3年)三塁 184/85 右/右 | |
1打席目に、内角の速球を詰まらされてフライに。しかし続く打席では、同じく内角寄りに来た球を、見事左中間スタンドに叩き込んだ 荒木 翔太 。また続く打席では、緩いカーブを上手く溜めてライト前にはじき返していた。意外にこの選手、面白いかもと思わせてくれるところがある大型三塁手だった。 (守備・走塁面) 大型の選手ですが、打球への反応など動きは悪く有りません。フットワークに重苦しさもなく、肩もまずまず。イレギュラーでもしたのか? 正面のゴロを捕れない場面もありましたが、守備は鍛えればプロでも三塁手としてやって行けるな感じはします。 残念ながら、走塁を計測する機会はありませんでした。脚力もあるということですが、この試合を観る限りはよくわかりませんでした。夏の大会では、緒戦のルーテル戦に破れ最後の夏を終えています。 (打撃内容) 高校通算20本塁打ほどで、まだスラッガーというほどではありません。それでも大きな弧を描くスイングには、スケールの大きさを感じます。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を軽く引いて構え(時々スクエアにする時も)、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わりもよく、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスなどもよく、打席でも強打者の雰囲気がします。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、アベレージ打者に多く見られる対応力を重視した始動となっています。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 早めに足を引き上げて空中で長くキープし、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」は充分取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。アウトステップするように、内角を意識したスタイルです。 踏み込んだ前の足も、外角の球をさばく時にはなんとか動かず我慢できていました。そのため外に逃げてゆく球や低めの球に食らいつき、右方向にも打ち返すことができます。しかし元来は、内角寄りの球を引っ張りたいタイプなのではないかと。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れないようにできています。バットの振り出しも、腕をたたんで内角寄りの球は上手く巻き込めます。そのぶん腕がしっかり伸びた外角の球に対しては、ボールに力を伝えるようなスイングができるのかが今後の課題ではないかと。 バットの先端であるヘッドは下がらず、広い面でボールを捉えています。そのため打球は、ファエアゾーンに飛びやすいのでは。インパクト後も大きなスイング軌道をたどり、フォローまで良い感じでボールを飛ばせていました。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはありますが、目線の上下動は激しくはありません。身体の開きも我慢できてますし、軸足にも粘っこさと内モモの筋肉の強さが感じられます。そのため外角の難しい球でも我慢して打てますし、打球も強烈なものを生み出せます。 (打撃のまとめ) 現状極端に当てるのに優れているとか、滅法飛ばすとか絶対的なものはありません。しかし腕のたたみ方がうまく、それでいて大きな弧を描くスイングには可能性を感じさせる素材です。あとはレベルの高い投手相手に、いかに自分の打撃ができるのか? そして、外角の球に対し、しっかり力を伝えられるスイングができるかに懸かっているのではないのでしょうか。 (最後に) 将来的には、三塁もしくは外野ということになろうかと。走力に関してはよくわからない部分もあったのですが、育成枠ならば将来性もあってありなのではないかと思える指名です。時間は4~5年はかかるかもしれませんが、ひょっとすると大化けするかもしれない。指名リストに載せかと言われるとわからない部分も多く、1試合の観戦だけでは確信は持てませんでした。ただしこういった選手が、プロでどのように育ってゆくのかはこれからも気に留めてみたい1人です。またソフトバンクの育成から、掘り出しものが出てくるかもしれません。 (2019年夏 熊本大会) |