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勝連 大稀(ソフトバンク)内野手のルーキー回顧へ






勝連 大稀(興南3年)遊撃 174/66 右/左 





「技術的にはハイレベル」 





 春季九州大会で生で見たときも、ちょっと気になったのですが、他球場への移動などもありジックリ観ることができなかった 勝連 大稀 。改めて、夏の沖縄大会の模様をみてみると、技術的に高いものを持っていることに驚かされた。





(守備・走塁面)

 残念ながら一塁到達タイムは、春・夏共に計測できず。チームの4番打者ながら、出塁すると積極的に盗塁を仕掛けて来るようなプレースタイルだという。残念ながら私が見た試合では、そういったプレーは確認できなかった。

 遊撃手としては軽快で、瞬時の反応や飛びついた後の処理などにも良いものを持っている。この選手の一番の売りは、守備力にあるのではないかと。肩に関してはそれほど強く見えなかったが、死球を受けたあとだったので、その影響もあったのかもしれない。

 走力もそれなり、プロでもニ遊間でやって行けそうな守備力があるのは確かなのだろう。残念ながら守備・走力に関しては、そこまでハッキリわからなかったので、私自身は核心的な部分では語れないが。





(打撃内容)

 下級生の頃から甲子園に出場していたので、もっと強打者のイメージを持っていた。しかし実際は、強打者というよりも好打者といったタイプのアベレージヒッターなのではないのだろうか。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前足を引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと、実にピタッとハマって良い構えに見える。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多く見られる仕掛けです。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。また真っ直ぐ踏み出すことで、内角でも外角でも幅広く対応しようとする万能型。

 それほど踏み込むタイミングを図るというよりも、しっかりと踏み込むことに主眼が置かれた足の上げ方のようには見えます。それでも踏み込んだ前の足がしっかり止まっており、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形も早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は無さそう。特に印象的なのは、ボールをギリギリまで引きつけて、グリップが後ろに長く引かれた形をキープできていること。

バットの振り出しにも癖がなく、インパクトまでのスイング軌道にロスがありません。それほどスイングの弧が大きいとか振りが鋭くということはないのですが、最後までキレイに振り抜けています。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は小さい。身体の開きも我慢でき、軸足も実に粘り強い。そのためレフト方向にも、キレイに流すことができている。

(打撃のまとめ)

 まだスイングに強さとか鋭さは感じられないものの、技術的には非常に高いものを持っている。打撃技術には良いものを持っているので、プロのスピード・キレに慣れて、しっかりそれをはじき返すだけのスイングを身につけられたら大化けするかもしれない。


(最後に)

 守備力が想像以上に良かったことと、打撃技術が非常に高いことは印象的。まだスイングの弱さからも、プロ入りの「旬」の時期かと言われれば疑問が残るところはあるが、非常におもしろい素材であるのは確か。そういった意味では、4,5年後ソフトバンクの中で、彼がどのような位置づけになっているのかは非常に興味深い選手だった。ただしまだ「旬」ではないと判断し、指名リストには名前を残さないことにする。


(2019年夏 沖縄大会