19ky-33
水上 桂(明石商3年)捕手 172/72 右/右 | |
個人的には甲子園で全くノーマークだった選手だが、∪18日本代表メンバーに選出された 水上 桂 。そのため、この選手の良さが正直わからなかった。プロ志望届も提出し、改めてこの選手のプレーに注目してみる。 (ディフェンス面) 投手と一緒に気持を盛り上げて、ゲームに入ってゆくのが上手い選手なのかなといった感じがします。特にガンガン引っ張ってゆくタイプには見えませんが、いつもニコニコしていて気持ちよく投手を投げさせるのを心がけているのではと。投手にミットを示したあとに、グラブを一度地面につけてしまう癖があります。そのためフットワークやグラブさばきなどは好いのですが、ワンバウンドするような球に遅れやすかったり、上からつかみにゆく傾向が見られます。 リードは高めの球を使うなど、幅広いのが特徴。両サイドを使う捕手は多いのですが、高低を活かせる高校生は貴重なタイプではないのでしょうか。甲子園での送球では、1.95秒前後とタイムは平凡でした。しかし捕ってからの流れがよく、地肩も悪くないように思います。ドラフト候補としては、平均的なスローイング能力だと感じました。ディフェンスセンスはよく、総合力に優れた捕手。突出したものがないのと、このキャッチングをどう見るかでスカウトの評価は別れるかもしれません。 (打撃内容) 甲子園緒戦からセンターバックスクリーンに放ちましたが、打率は4試合で.182厘。∪18でも7試合で.200厘と少々ドラフト候補としては弱い感じがします。チームでは2番打者を務めていますが、兵庫大会では.471厘と打ちまくりました。けして、打力がない選手ではありません。 <構え> ☆☆☆ 3.0 少しクローズ気味に構え、前の足をつま先立ちしています。グリップの高さは平均的で、腰の据わりは悪くありません。しかし全体のバランス・両眼で前を見据える姿勢は並でしょうか。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が沈みきって、前に重心始動する段階になって動き出す「遅めの仕掛け」を採用。ボールをできるだけ引きつけて打つタイプで、長距離打者や生粋の二番打者に多く見られる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆★ 2.5 小さくステップして、まっすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さず叩く技量が求められます。バッテリーの心理が読める捕手なので、決め打ちできるタイプではあると思うのですが。 まっすぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌けるタイプ。少々気になるのは、インパクトの際に前の足が止まらずブレてしまっている点でしょうか。そのため外に逃げてゆく球や、低めの球に対してついて行けるかが心配な部分はあります。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 あらかじめ「トップ」の位置にグリップを添えているので、始動が遅くても速い球に立ち遅れる心配はありません。そのぶん前の腕が後ろに引かれているので遊びがなくなり、リストワークが固くなる弊害もあります。 バットの振り出しは、上から出てくるインサイドアウト気味なので、ミートセンスは低くはないと思います。ただし木製バットを握った時に、このスイングでプロの球を打ち返せるほどのスイングができるのかには疑問も残ります。 インパクトの際にはそれほどヘッドも下がっていないので、広い面でボールを捉えやすいはず。それだけボールはフェアゾーンに飛びやすいということ。さらに、インパクト後は大きな弧を描いてしっかり振り切れます。 (打撃のまとめ) かなり無駄を排してミートするスイングを心がけているのですが、このスイングでプロの投手の球をはじき返せるのかがポイント。さらにインパクトの際にブレも生じているので、しっかりバットに力が伝えきれるのか? 外に逃げてゆく球や低めの球を対処できるのか?といっあ疑問は残ります。こと打撃に関しては、ドラフト候補としては弱い気がします。捕手と言うポジション柄、ここをどうみるか? (最後に) キャッチングに癖があって意見は別れると思いますが、センスがあるのと動きが好いのでプロでもやって行ける技量はあるとみます。ただし絶対的なものはないので、一軍に定着できるほどかは微妙です。 また打撃に関しては、当て勘は悪くないですがスイングをプロで作り直さないと行けない恐れがあります。根本的な打力は、プロでも劣る部類だと思いますので、その辺何処までプロの指導で改善できるのかではないのでしょうか。 おそらく指名があっても育成枠であるかないかといったところではないのでしょうか。個人的にはピンとくるものがなかったので、指名リストからは外します。育成でもプロにゆきたいという、強いプロ志向があるかどうかではないのでしょうか。どちらかというとセンスが勝っているので、大学タイプだとみています。 (2019年夏 甲子園) |