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有馬 諒(近江3年)捕手の個別寸評へ






 有馬 諒(近江2年)捕手 180/75 右/右





                       「高校NO.1」 





 19年世代を代表する捕手だと言われる 有馬 諒 。果たして一体彼の何処が優れていて、高校球界屈指の捕手だと評価されているのか? 考えてみたい。


(ディフェンス面)

 一学年上の先輩に遠慮していたかもしれないが、ガンガンチームを引っ張ってゆくといった感じはしない捕手でした。インサイドワークに定評があるということでしたが、個人的にはそれほどリードに関しても良いとは思いませんでした。しかし、考えてプレーをしているといった印象は受けます。

 しっかり投手にミットを示し、的をつけやすくします。キャッチングの時の押し込みが弱いのか?構えたところと違うところに来ると、ミットが負けて流されてしまうところがあります。しかし低めの球に対しては、下から素早くグラブを出すことはできていました。キャッチングに関しては、まだまだ課題を残すところがあるとみています。

 スローイングも、捕ってからワンテンポ遅れる傾向があり、1.90~2.10秒ぐらいとタイム的には平凡。それでも地肩自体は強い上に、コントロールもまずまず安定。ベースから飛び出した走者を刺すなど、視野の広いプレーが見られます。洞察力や視界は広く、捕手らしい捕手ではないのでしょうか。ただし現状は、絶対的な凄みまでは感じません。





(打撃内容)

 近江では、旧チームでは6番あたりを担っていました。物凄い当てるのが上手いとか、長打力があるわけではありません。捕手に必要な、ある程度の打力を持っているといった感じでしょうか。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えます。やや後ろ足に重心をかけつつ、全体のバランス、両眼で前を見据える姿勢も悪くありません。少し全体的に構えが固く、柔軟性に欠けるのかな?といった印象は受けます。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が下る時に、足をベース側に持ってゆきます。本格的に動き出すのは、リリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。ここまで遅いと、日本人の筋力やヘッドスピードだと、プロレベルのスピードやキレに対応するのは厳しいと考えます。

<足の運び> 
☆☆ 2.0

 足を軽くステップさせ、真っ直ぐからベース側にふみこんできます。始動~着地までの「間」はなく、狙い球を絞って逃さず叩く打撃が求められる 点 の打撃。ベース側に踏み込むということは、外角の球に意識があることがわかります。

 気になるのは、踏み込んだ足が早く地面から離れてしまうこと。そのため基本的に、引っ張ることを重視していることがわかります。外角に逃げてゆく球や低めの球に対しては、「開き」が早く厳しいのではないのでしょうか。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形は、早めに作れていて始動の遅さを補っています。バットの振り出しは、脇を閉めてロスなく真ん中~内角寄りの球を捌けます。外の球に対しても、インパクトまでロスがありません。バットの先端であるヘッドも下がらないので、打ち損じの少ない確実性の高さがあります。

 脇をしっかり閉じてさばく選手に多いのは、外角の球を強く叩け無い選手が多いこと。また先に述べたように「開き」が早いことで、外角への対処が気になります。ボールを捉えてからは、最後までしっかり振り切ります。けして打球を上げるというよりは、鋭く野手の間を抜けてゆくことが多いスイングだと言えます。

<軸> 
☆☆★ 2.5

 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は大きくはありません。しかし「開き」が我慢できないのと、軸足が前に傾いて伸びており、体が前にツッコミがちなのがわかります。そういった意味では、けして軸が安定したスイングとは言えません。

(打撃のまとめ)

 始動の遅すぎなのと、前の足が止まらないスイングのために引っ張り中心の打撃になってしまっています。このへんの幅の無さを、いかに最終学年広げて行けるかではないのでしょうか。


(最後に)

 確かに地肩自体は強いですが、捕ってから投げるまでの切り返しが遅いのが気になります。捕手として考える姿勢、視野の広さは感じますが、ミット負けするキャッチングには改善の余地がありそうです。捕手として良いところと悪いところが同居しており、最終学年で何処まで資質を高められるかでしょう。

 打撃も引っ張り中心の偏った打撃であり、開きが我慢できていないこと。そのため外角への見極めや対処が、改善されるのかがポイントだと言えるでしょう。上半身の使い方は上手いので、下半身がしっかり受け止められると面白いと思います。

 現状は、良い方に転ぶか悪い方に転ぶか流動的であり、順位もそれによって大きく変わってきそうです。しかし現時点では、19年度を代表する高校生捕手として、世代を引っ張ってゆく捕手だと言えるのではないのでしょうか。



(2018年夏 甲子園)