19kp-25
大畑 蓮(明豊3年)投手 183/65 右/右 | |
柔らかい腕の振りに、滑らかな体重移動から繰りされる快速球には、素材としての魅力が詰まっている 大畑 蓮 。まだまだ線のの細さは否めないが、体ができてきたらどのような投手に育つのだろうとワクワクさせられる。 (投球内容) 手足の長い投手体型で、ランナーがいなくてもセットポジションから投げ込んでくる。 ストレート 130キロ台後半~MAX146キロ ☆☆☆★ 3.5 球威・球速という観点で言えば、まだ140キロ前後ぐらいでありドラフト候補としては平凡。しかし糸を引くように一直線にミットに収まる球筋の良さは素晴らしく、球速以上の質の良さが魅力となっている。現状ではまだ、打者の外角に投げ込むだけといった感じではあるが。センバツでは11回1/3イニングで7四死球と細かいコントロールに欠けるところがあるのと、被安打が12本と投球回数を上回るなど合わされやすい。 変化球 スライダー・チェンジアップなど ☆☆☆ 3.0 主な変化球は、横滑りするスライダーとチェンジアップ。他にも緩いカーブやフォークのような球もあるが、まだ絶対的な球種はない。将来的に面白そうなのが、チェンジアップのブレーキ。センバツでも11回1/3イニングで11奪三振は奪えており、全国レベルでも充分に三振が奪えていた。 その他 クィックは、1.15~1.25秒ぐらいと平凡。フィールディングや牽制などは、チェックした試合ではよくわからなかった。ただ細かいコントロールや投球術はなく、外角に思いっきり投げ込んでくるといった投球に終始している。 (投球のまとめ) まだまだ成長途上の選手といった感じだが、肉付きが良くなり体ができてきたら大きく資質を伸ばしそうな伸び代を秘めいる。まだ線が細くても、高校からの指名を意識できるレベルまで来ている。現状は、下位指名~育成枠ぐらいの評価ではないのだろうか。あとは、本人のプロ志向がどの程度高いのか? しかしじっくり育ててみたいと思った球団は、少くなくはないだろう。 (投球フォーム) 今度はフォームの観点から、その将来像を考えてみたい。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 お尻の一塁側への落としは、まだ甘さは残しているものの落とせている。したがってカーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球を投げても無理はないだろう。 「着地」までも適度に足を前に逃がせており、体を捻り出す時間はそれなり。将来的にもっと粘れるようになれば、キレや曲がりの大きな変化球の習得も期待できるのではないのだろうか。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドへの投げ分けはつけやすいはず。気になるのは、足の甲の地面への押しつけが浮きがちなこと。そのため力を入れて投げると、ボールが上吊りやすい。それでも「球持ち」はよくボールを放せているので、極端にコントロールを乱すことは無さそうだ。体がしっかりしてリリースが安定してくれば、将来的にはコントロールも改善されてきそう。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としに甘さは残すものの、カーブやフォークといった捻り出して投げる球を投げても肘への負担は少なそう。またそういった球種も、現時点では多くは投げてきていない。 腕の送り出しに多少無理は感じられるものの、極端ではないので肩への負担にも神経質になることはないのでは? それほど力投派というほどでもないので、疲労も溜め難いのではないのだろうか? いずれにしても、体のケアには充分気をつけたい。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの粘りはそれなりで、けして合わされやすいわけでもないように見える。ただし球の出どころが見やすいので、甘くない球でも踏み込まれて打たれてしまう恐れはある。 振り下ろした腕は体に絡んで来る柔らかさはあるのだが、まだ腕の振りが弱いのと「開き」の早さからフォークなどが見極められて手を出してもらえない。ボールにもある程度体重を乗せてからリリースできているので、ウェートがついてくれば打者の手元までの勢いのみならず自然と球威も増して来るのではないのだろうか。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」に課題を抱えている。故障のリスクや制球については平均的なフォームであり、将来的には武器になる変化球の習得が期待できそうな土台は持っている。 (最後に) 形になるまでには時間はかかると思うが、それをアマで行うのか?プロの世界で行うのかは本人の意欲次第だろう。志望届けを提出すれば、下位~育成あたりでの指名が期待でき、夏までにさらなる成長を示せれば本会議での指名も現実味を帯びてくるはず。まずは、夏まで追いかけてみたいと思わせてくれる選手だった。 蔵の評価:追跡級! (2019年 センバツ) |