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金子 莉久(白鴎大3年)中堅 168/62 右/左 (国学院栃木出身) | |
恐らくいまのアマチュア球界で、最も足の速いプレーヤーは、この 金子 莉久 ではないのだろうか。リーグ戦でも過去3度の盗塁王に輝き、ただ速いのではなく盗塁できる技術と勇気があるのが素晴らしい。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間を、3.7秒台で大方駆け抜けてゆく。セーフティバントで常に投手を揺さぶるなど、走力を全面に押し出した嫌らしいスタイル。出塁すれば、すかさず盗塁を試みる。3年春には14盗塁、秋には12盗塁を決めて盗塁王に輝く。プロに混ぜても、入団したらチームで屈指の俊足になることは間違いない。 中堅手としても、非常に広い守備範囲を誇っている。キャッチングも悪く無さそうで、リーグでは3度の外野手ベストナインを獲得。しいていえば、あまり肩が強くないという部分か。 (打撃内容) 非力さは感じさせるものの、3年春のリーグ戦では.404厘で首位打者を獲得。同年秋のリーグ戦でも.366厘の高打率を残しており、ミートセンス自体は悪くない。大学選手権の中京大戦では2安打・3盗塁を記録し存在感を示した。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えている。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスは、並ぐらいだろうか。 <仕掛け> 早め 投手の重心が沈み始めるときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。いろいろな球に対応しうる、アベレージヒッターに多くみられる始動となっている。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 早めに足を引き上げて、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」は充分取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応できる。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きという意思が感じられる。 足を下ろす際に、タイミングを図りながら下ろすなど対応力が高いのがわかる。踏み込んだ前の足も、インパクトの際になんとかブレずに止まっている。そのため外に逃げる球や低めの球に対しても、食らいつくことが可能なのだろう。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 一度グリップを下げて引き上げる、極端なヒッチが見られる。そのため打撃の準備である「トップ」の形を作るまでに、立ち遅れないように注意したい。バットの振り出しは、上からたたきつけてくるダウンスイング。打球を転がしたいという意志が感じられ、スイング自体はインサイド・アウトになってロスはない。 問題は木製バットでプロの球を打ち返せるのかという不安はあるが、ボテボテでも内野安打を打てれば構わないという割り切りが本人の中でできるのであれば、当てるのは上手いのでありなのではないのだろうか。インパクトの際にもヘッドをうまく残してスイングできているので、フェアゾーンにボールは飛びやすい。セーフティのときにも、ヘッドを少し立てるように当てられれば、もっとファールにならずに転がせるのになという思いはある。 <軸> ☆☆☆ 3.0 グリップの上下動が激しいので、目線の動きは並ぐらい。体の開きはそれなりに我慢できており、軸足にも適度な粘りは感じられる。 (打撃のまとめ) タイミングの合わせ方・スイングのロスの無さからも、当てるのが上手いのはよくわかる。あとは、力負けしない鋭いスイングと、フェアゾーンに確実に落とせる技術に磨きをかけたい。ひ弱さはあるが、真ん中から内角近辺は、結構思いっきり引っ張って来る。右投げ左打ちの作られた左打ちなので、いかに外角の強い球をさばけるのかが課題になりそうだ。 (最後に) 足だけで飯を食っていける選手という特徴もあり、育成あたりならば指名があっても不思議ではない。当て勘も悪くないし、守備力もある。最終学年で不調に陥らなければ、大学からの指名の可能性は充分あるとみている。ぜひ「白鴎大に金子あり!」という存在感を、示して頂きたい。 (2018年 大学選手権) |