19dy-3





海野 隆司(ソフトバンク)捕手のルーキー回顧へ







海野 隆司(東海大4年)捕手 174/76 右/右 (関西出身) 
 




 「何年に一度かの捕手かもしれない」





 けして大型ではない体つきと、長打で魅了するような打撃をするわけではない 海野 隆司 。しかし大学・社会人の捕手としては、数年に一度クラスの逸材かもしれないと、改めて思うようになった。


(ディフェンス面)

 体を小さく屈め、ミットをより大きく見せるように構えます。そのミットを、けして地面につけることなく捕球。その際にボールに力負けしてブレてしまうこともありませんし、ワンバウンドするような球にも素早く反応。ワンバウンドするような球に対しても、下から自然とグラブを出す癖が染み付いていて、キャッチングは安心して見ていられます。捕手は、まずボールをしっかり捕れることが第一。私はこういった捕手こそ、何より投手から信頼を得られるものだと信じています。

 彼の良さは、ボールまわしが早くリードにリズム感があるところ。特にガンガン投手を鼓舞して引っ張るタイプではありませんが、指示は細かく周り出します。少々西日本の捕手にありがちな粗っぽいところはあるものの、自分の仕事はしっかりとこなす職人的な気質を持っています。

 以前は、捕ってから素早く投げようと1.7秒台の凄い送球を高校時代から見せていました。しかしこの大学選手権では、落ち着いて走者の滑り込んでくるところに送球しようと、1.9秒台でも間違いないスローイングを心がけていました。捕ってからの素早さ・地肩の強さ・冷静な判断力と兼ね備えているアマチュア選手は稀で、私が今まで見てきた選手の中でも、スローイングでは一番なのではないかと思っています。

 私が捕手に求める、きめ細やかに投手の気持ちを察したりとか、相手の微妙な変化に気がつくような洞察力があるタイプかは疑問です。しかしフットワーク・キャッチング・スローイングという部分で見れば、数年に一人出るかどうかの素材なのは確かでしょう。そう考えれば、上位候補にランク付けられる選手だと言えます。


(打撃内容)

 3年春のシーズンでは、首都リーグで首位打者を獲得。東海大の4番打者として、長打はないものの勝負強い打撃が光ります。レギュラーとなった3年春から3季連続で打撃成績上位の成績を残しており、一定レベルの打力があるのは間違いありません。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均でバット倒して構えます。腰の据わりは悪くないのですが、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしては並ぐらいでしょうか。昨秋までは腰の据わりもそれほどでもなく、やや癖のある構えをしていました。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈み込んだ底のところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた打ち方で、勝負強さを売りにするポイントゲッターや中距離ヒッターに多く見られる仕掛けです。

 昨秋までは「早めの仕掛け」を採用しており、幾分始動が遅くなっているのは、たまたまだったのかはわかりません。


<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたい万能型だと言えるのではないのでしょうか。

 踏み出した前の足は、インパクトの際にしっかり止まってブレません。したがって逃げてゆくような球や、低目の球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。バットの振り出しも、昨秋よりも内からバットが出てくるようになり、ボールを捉えるまでのロスは減りました。インパクトの際にもバットの先端であるヘッドが下がらないので、フェアゾーンに打球を飛ばしやすくなっております。特にこの選手は、センター中心に右に左へと、無理に打ち返そうとはしません。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げはそれなりで、目線の上下動は安定。体の「開き」も我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて軸回転でスイングできています。調子の波の少なく、安定した成績が望めます。

(打撃のまとめ)

 昨秋までは、ちょっと癖のあるスイングをしていました。それがこの半年の間に、だいぶ角が取れてきた気がします。けして長打で魅了するような派手さはないのですが、状況に応じた打撃ができるだけの当て勘の確かさと、技術を兼ね備えています。プロでも環境になれたら、2割5分ぐらいは望めるのではないのでしょうか。



(最後に)

 
打撃に派手さはないのですが、求められる仕事を忠実に実行できるだけの技術と精神面があります。ディフェンスに関しては、持っている資質自体も素晴らしいです。しかしそれにあぐらをかくことなく、自分のプレーを高めてきたところは評価できます。

 打撃が箸にも棒にもといった選手ではないことを考えると、やはり上位指名(2位以内)は固く、どうしても捕手が欲しいという球団にとっては、ハズレ1位ぐらいで指名してきても不思議ではありません。また1年目から一軍でやって行けるレベルにあり、使いながら育ててゆくことも可能なのではないのでしょうか。



蔵の評価:
☆☆☆☆(1位指名級)


(2019年 大学選手権)









海野 隆司(東海大3年)捕手 174/76 右/右 (関西出身) 
 




 「機敏さは逸脱」





 関西高校時代から、甲子園で1.7秒の送球をしていてビックリさせられた 海野 隆司 。東海大に進んでからも順調にキャリアを積み、チームの不動のレギュラーに成長。3年時には、大学日本代表にも選出され国際大会を経験した。この選手の良さを一言表現するとすれば、何より動作が機敏 だということに集約されるのではないのだろうか。


(ディフェンス面)

 投手とは細かくやりとりをしていますが、叱咤激励したりガンガンチームを引っ張ってゆくとか、そういった統率力のある捕手ではないように思います。自分のやれることを、着実にこなす職人肌みたいなイメージを受けます。ボールまわしがよく、テンポの良いリードを心がけます。

 投手に軽くミットを示し、捕球時には動かさずにシッカリと捕球します。特にキャッチング全般に特別なものは感じられないのですが、ワンバウンドするような球には素早くミット下から出し反らしません。そういった反応の良さ、フットワークの機敏さは素晴らしいです。

 リード面は、ボールを散らすタイプで同じ球をあまり続けてきません。特にリードに関しては、これからかなといった印象は受けます。何より素晴らしいのは、捕ってから投げるまでに無駄がなく、抜群の地肩の強さも相まってストライク送球できるスローイングにあります。この部分に関しては、プロ球界屈指と言われる「甲斐拓也(SB)級」と言っても過言ではないのではないのでしょうか。

 動作の切り替えの素早さ、足回りの良さこそが、この選手の最大の魅力。この部分に重きを置いている球団ならば、高く評価されるのではないのでしょうか。


(打撃内容)

 3年春のシーズンには、首都リーグで首位打者を獲得。状況に応じた打撃ができる選手で、センターから右方向にしぶとく食らいつきます。当て勘も悪くなく、自分の思い描くプレーを実行できるだけの技量があります。

<構え> 
☆☆★ 2.5

 前の足を引いて、グリップの高さは平均的。バットを寝せて構え、後ろ足に重心を預けて立ちます。腰の据わりはさほどではなく、全体のバランスとしては癖があります。両眼で前を見据える姿勢は並ですが、構えに関しては本人が違和感なく立ち、次の動作への弊害にならなければ良いのではないのでしょうか。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力重視のアベレージヒッターに多く見られるものです。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を引き上げて、真っ直ぐから少しベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。ややベース側に踏み出してくるところをみると、意識は外角寄りにあるのではという気はします。

 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもブレずに止まっています。したがって逃げてゆく球や低めの球に対しても、食らいつくことができます。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 あらかじめ捕手方向にグリップを引いているので、打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れています。そのため、速い球に立ち遅れ難いのではないのでしょうか。バットの振り出しは、少し遠回り出てきてポイントは後ろ。打球は、センター方向へ打ち返す打球が多いように感じます。バットの先端であるヘッドは並で、特に気になるほどではありませんでした。

 あくまでも打ち返す打球が主で、長打で魅了しようとかそういった強打者ではありません。過去3年間のリーグ戦成績をみても、ホームランを放ったことはありませんでした。


<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるので、目線の上下動は並ぐらい。しかし身体の「開き」は我慢できており、軸足にも粘りが感じられます。そのため、しぶとく食らいつく打撃を実現できているのではないのでしょうか。

(打撃のまとめ)

 打撃に派手さはないのですが、状況に応じた打撃ができるだけの技量があります。そのため長打はありませんが、当て勘も悪くなくセンターからライト方向へはじき返します。構えに癖はありますが、打撃からもそれなりのこだわりを感じられる捕手です。プロでも全く打てないということはなく、環境に慣れたら2割5分ぐらいは残せるのではないのでしょうか。



(最後に)

 動きの良さ、肩の強さは抜群です。リーダーシップやプレーにインテリジェンスを求められるかは微妙ですが、プロでも充分やって行ける捕手だと見ています。個人的には、豊作が伝えられる大学生捕手の中でも、彼が一番ではないかと評価しています。ドラフトでも中位~上位での指名を、充分意識できる素材ではないのでしょうか。特に走者との当たりが少なくなった今の時代に、マッチした捕手ではないのでしょうか。


(2018年 大学選手権)









海野 隆司(関西2年)捕手 174/74 右/右 

 捕ってから素早いスローイングは一級品。塁間1.8秒前後で投げることができ、球筋も安定していた。ことスローイングに関しては、来年世代の中でも全国トップクラスの素材ではないのだろうか。打撃や細かいディフェンス力の総合力が引き上がってくると、面白い存在になりそう。