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山崎 真彰(楽天)内野手のルーキー回顧へ







山崎 真彰(24歳・ハワイ大)内野 182/84 右/左 (東京学館浦安出身) 
 




 「石井GMの後輩」





 ドラフトの直前に、海外の大学でプレーしていた選手が日本球界に売り込んできているとの情報を耳にした。一体何処の球団と話がついているのかと思っていたら、高校の先輩 石井一久GM のいる楽天だとわかってなるほどと思ったりした。高校卒業後、大学を中退しハワイの大学に進んだ 山崎 真彰 。異色の経歴の持ち主が、どのような選手なのか調べてみた。






(守備・走塁面)

 主にポジションは、ショートを守っていたようだ。映像を探すと、ショートを守っていたものしか出てこない。大型でも足のさばきもよく、スローイングも安定。キャッチング・フットワーク・肩なども一定レベルに達しているようで、現地でレギュラーとして出場していただけのことはある。NPBでショートを任されるほどの守備力・きめ細やかさ・スピード感があるかは微妙だが、二塁・遊撃・三塁と、ユーティリティプレーヤーして、いろいろなポジションをプロでも任されることになりそう。ちなみにハワイでは、98試合に出場して16失策を記録している。

 残念ながら、一塁までの到達タイムは計測できず。二塁打の映像が幾つかあり計測したところ、8.40秒ぐらいと平均的。在籍したハワイでの2年間では、98試合で3盗塁を記録。けして盗塁を積極的に仕掛けて、揺さぶるようなタイプでは無さそうだった。ただし所作を見ている限り、足が遅いとか重苦しいといったプレーヤーでもない。





(打撃内容)

 右に左にセンターへと、幅広く打ち返すタイプ。373打数で4本塁打だけに、長打で魅了するタイプではないのだろう。残念ながら大学での映像をみると、「構え」と「仕掛け」の部分がイマイチわからなかったので、その部分は高校時代の映像を元に書かせて頂きたい。

<構え> 
☆☆★ 2.5

 ややクローズスタンス気味に、高校時代から構えている。グリップの高さは平均的で、バットを倒している。背筋を伸ばしつつ、両眼で前を見据える姿勢はクローズスタンスのため良くなく、全体のバランスとしても並だろうか? 当時から、少し向こうでのプレーを意識して野球をやっていたのだろうか? 基本内角を捨て、外角への意識が強い構えに見える。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多く見られる仕掛けです。彼のプレースタイルには、合致しているのではないのでしょうか。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を上げて、ややベース側に踏み込むインステップを採用。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。ベース側に踏み込んで来るように、外角への意識が強そうだ。

 踏み込んだ前の足は、なんとかブレずに止まっている。そのため逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことができる。ただしステップは狭めなので、元来は流すこともできるが思いっきり引っ張りたいタイプなのではないのだろうか。また踏み込みを見ていると、上手くタイミングを図るというよりは、強く踏み込むことを重視しているように思える。ちなみに2年間の通算打率は、.316厘となっている。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は、早めに作れている。したがって、速い球には対応しやすい。ただしボールを呼び込む時に、前の肩が中に入り過ぎているので、内角の球にはバットが出にくいのではないかと心配にはなる。

 バットの振り出し自体は、けしてインサイド・アウトではない。それでも振り出しには大きなロスはなく、外の球をしっかり叩けている。インパクトの際にはバットの先端であるヘッドは下がっておらず、広い面でボールを捉えている。それだけボールが、フェアゾーン内に飛んでゆきやすいのだ。スイングの弧も大きく、打ち終わったあとは少し福留孝介(阪神)を彷彿とさせる。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げはあっても、目線の上下動は小さい。身体の開きもギリギリまで我慢できており、軸足にも粘りと安定感が感じられる。

(打撃のまとめ)

 外国でやっていた選手だけに、ギリギリまで腕が後ろに引かれた状態をキープしながら振り出すことができている。クローズ気味に構え・グリップも内に入ることを考えると、日本の内角球への対応が鍵になるのではないのだろうか?

 バットコントロールも良く、それでいて大きなスイングでしっかり叩けるなどひ弱さがないところは良いところ。打撃では、一定のレベルにあるのではないのだろうか。


(最後に)

 大卒社会人解禁組と同じ24歳ということで、一年目からやれることが求められる年齢ではある。見た感じでは、二軍の試合にならば違和感なく入って行けそうなレベルにあり、場合によっては支配下を勝ち取り一軍の試合にも顔を覗かせるかもしれない。

 日本に独立リーグがなかった頃には、日本人も積極的に海外の独立リーグや大学に進む選手が当時はいた。そんな時代の選手を、イメージすれば良いだろう。 残念ながら一部の映像を使ってのレポートだけに、評価付けができないことはご了承願いたい。こういったルートの選手がいても、ありなのではないかと思わせてくれる活躍を期待したい。