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梅林 優貴(広島文化学園大)捕手 173/85 右/右 (高陽東出身) | |
今年のドラフト会議で、一番驚きの指名だったのが、この 梅林 優貴 。中国地区の2部リーグ所属の大学生であり、どんな選手か全く検討がつかなかったからだ。一部あがっていた映像を寄せ集めて、少しでも本質に近づけたらと検証してみた。 (ディフェンス面) 下級生のときの映像を見る限り、先輩に対して臆することなく投げて来いという感じのアクションを魅せていた。一見攻撃的なスタイルの捕手かと思いきや、一球一球ちゃんと立って返球するなど雑なところは観られない。キャッチングなどもそんなに悪く無さそうだったが、打球への反応や勘という意味ではどうだろうか?というプレーは見られた。それでも捕ってから素早く送球し、二塁までの到達タイムは1.8秒台。少し気になったのは、ちょっと腕が横から出てくるので野手が捕りやすい送球がゆくのかという部分が気になった。ディフェンス全般にA級の素材かは微妙だが、ある程度プロでもやって行けそうな捕手ではないのだろうか。 (打撃内容) 高校は広島の強豪・高陽東高校。大学入学後2年春からレギュラーになり、過去3度のベストナインを獲得。リーグMVPを獲得したこともあり、4年秋には首位打者も獲得。中国地区の二部リーグ所属の選手ではあるが、知る人ぞ知る実力の持ち主だったようだ。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わりも良く、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスにも優れている。打席からは、高い集中力が感じられた。 <仕掛け> 早め 投手の重心が沈み始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。確実性を重視した、アベレージヒッターに多く見られる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を軽く上げて回し込み、真っ直ぐから軽くアウトステップして踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたい万能タイプ。 踏み込んだ前の足もしっかり止まっており、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができるはず。実際確認した映像でも、右中間に本塁打を放っていた。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、ボール呼び込むまでに力みは感じられない。バットの振り出しにも癖がなく、インパクトまでに大きなロスは感じられない。バットの先端であるヘッドも下がっておらず、インパクトまではコンパクトにボールを捉えてからはフォロースルーが高い位置まで来ており、ボールを遠くに運ぶことができている。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは小さく、目線の上下動は小さいので錯覚を起こし難い。身体の開きも我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて軸回転でスイングできている。軸足が安定しているので、調子の波も少ないのではないのだろうか。 (打撃のまとめ) 凄みがあるというよりは、コンパクトで無駄のないスイングをするといった印象。それでも技術的には悪い癖がなく、プロのスピードに慣れさえすれば、いずれは対応してきそうな確かな技術がある。打つ方も、プロで全く通用しないとは考え難い。 (最後に) 攻守にバランスの取れた選手で、スケールで魅了するタイプではないが好選手ではないのだろうか。実際見ていないので評価付けはできないが、意外な掘り出しものではないかと思うがどうだろうか? こういった選手が、プロでどのぐらいの活躍を魅せるのか大変興味深い。ハムらしい、よくぞ見つけてきたという隠し玉だった。 (2019年 秋季リーグ戦) |