18ky-43
黒田 響生(敦賀気比3年)遊撃 184/75 右/右 | |
184センチの大型内野手で、打撃が凄いとか守備範囲が広いわけではないが、非常に球際でのボール捌きがうまい印象を受けた 黒田 響生 。 走塁面:☆☆★ 2.5 一塁までの到達タイムは、右打席から4.5秒前後。これを左打者に換算すると、4.25秒前後に相当し、プロの右打者としては 中の下 ぐらいの脚力。そのため将来的にも、走力でガンガンアピールするタイプではないのではないのだろうか。 守備面:☆☆☆★ 3.5 甲子園での木更津総合戦では、ほとんど守備機会がなくよくわからなかった。しかし福井大会などでは、非常に球際でのボール捌きに目を見張るものがあった。大型故に守備範囲が広いとかスピード感があるとは感じないが、深く難しい体勢からでもノーステップでダイレクト返球できたりと地肩も強い。特に送球も乱れなく安定しており、キャッチングとスローイングは上手い部類だろう。あとは、いかに捌ける範囲を広げられるかに懸っている。 (打撃内容) 大型ではあるが、センターから右方向へ打ち返す傾向が強い。チームでも2番を担うなど、けして強打者ではない。 <構え> ☆☆☆ 3.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップは高めに添えられている。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスとしては平均的な選手だといえよう。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この始動は、対応力を重視したアベレージヒッターに多く観られる仕掛けとなっている。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ~ベース側にインステップして踏み込んでくる。始動~着地までの「間」はとれており、速球でも変化球でも緩急には対応しやすい。真っ直ぐ~インステップして来ることからも、内外角捌きたいだけでなく、幾分外角球への意識が強いのではないのだろうか。 踏み出した前の足もインパクトの際にはしっかり止まっており、逃げて行く球や低めの球にも引きつけて喰らいつくことができている。特に右方向にはじき返すことがうまいので、チームでも二番を任されていたのではないのだろうか。 <リストワーク> ☆☆★ 2.5 打撃の準備である「トップ」の形は自然体に作れており、力むことなくボールを呼び込めています。バットの振り出しは、少し遠回り出てきてポイントは後ろ気味。そのため打球は、センターから右方向中心になるのではないのでしょうか。したがって腕が長いのも相まって、内角の捌きは窮屈そう。少し残念なのは、バットの先端であるヘッドが若干下がり気味のため、打ち損じも少なくないこと。気持ちバット先端であるヘッドを上げて残すようなスイングができると、もっと外の球を確実に拾えそうな印象は受けました。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げはあるので、目線の上下動は並ぐらい。身体の開きは我慢でき、軸足は地面から真っ直ぐ伸びており、軸を起点にスイングできています。 (打撃のまとめ) 特に当て勘に優れているとか、スイングが凄いとかそういった特別なものは感じません。打撃に関しては、ドラフト指名レベルではないと言えるでしょう。だからこその、育成枠なのだとも言えます。そういった中で、いかにプロの指導で打力を高めて行けるのかが課題ではないのでしょうか。 (最後に) 俊敏な遊撃手ではありませんが、堅実なプレーが期待できるのではないのでしょうか。サードならば、かなり上手いサードになる可能性がありますが、打力が伴うかは疑問が残ります。そういった意味では、ニ遊間で勝負してゆきたい選手ではあります。 プロで突き抜けるのは厳しい状況ではありますが、大型でありながら守れる選手というコンセプトにかかったものと思われます。残念ながら、指名リストに名前を残すほどの強烈なインパクトまでは感じませんでした。ここからどのように育ってゆくのか、気にしてみたい一人でした。 (2018年 甲子園) |