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奈良間 大己(立正大3年)遊撃手の本当に凄いやつへ






奈良間 大己(常葉大菊川3年)遊撃 172/66 右/右 
 




「この夏一番ワクワクした」 





 この夏出会った選手の中では、最もそのプレーで興奮させられたのが、この 奈良間 大己 だった。甲子園でのプレーを見るまで、確認したことがなかった選手。それだけに余計に、目新しさも手伝い新たな発見に胸ときめいたものだ。甲子園での活躍、U-18の日本代表でのプレーなどもみて、今度は冷静に能力を検証してみたい。


走塁面:☆☆☆ 3.0

 一塁までの塁間は、右打席から4.5秒台。これを左打者に換算すると、4.25秒ぐらいと平均的。静岡予選では9盗塁を記録するなど、出塁すると積極的に次の塁を狙ってくる。実際プレーを見ている限りは、もう少し早いタイムが出ても不思議ではないのだが。少なくても何度かの測定機会では、際立つ数字は計測できなかった。

守備面:☆☆☆★ 3.5

 打球への一瞬の反応が素晴らしく、運動神経の高さが感じられる。特に動きが軽快で、実に守備範囲が広い。深いところからでも送球が乱れないなど、地肩も基準以上。特にピポッドターンなどの細かい動作の切り返しができるために、U-18ではセカンドなどもキビキビこなしていた。まだまだプロの遊撃手としては学ばないと行けないことも多いだろうが、将来的にはセンターラインを担ってゆける能力を秘めているとみている。特に 菊池 涼介(広島)の中京学院大時代に似た雰囲気があり、将来的にはセカンドあたりで存在感を示す選手になるのかもしれない。現状は、ドラフト候補のショートとしては中の上レベルの守備力だと評価する。





(打撃内容)

 常葉大菊川の選手らしく、バットをしっかり振ってくる。その割に静岡予選では驚異の.818厘を記録し、これは出場選手中最高の打率だった。思いっきりが好いのに、アテ勘にも優れている点が素晴らしい。

<構え> ☆☆☆ 3.0

 スクエアスタンスで、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わり具合が浅く、全体のバランスとしてはもう一つ。それでも、両眼で前を見据える姿勢は悪くない。また打席でも、余計な力みが感じられないところは好いところ。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る段階には動き出す、「早めの仕掛け」を採用。このタイミングでの始動は、アベレージヒッターに多く見られる確実性重視の仕掛けとなっている。

<足の運び> ☆☆☆☆ 4.0

 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」は充分に取れており、速球でも変化球でもスピードの変化に幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいスタイルなのだろう。

 特に踏み出した前の足は、インパクトの際にブレずに止まっている。そのため逃げてゆく球や、低めの球にも食らいつくことができている。甲子園の益田東戦でも、低めの球をすくいあげバックスクリーン横に叩き込んで魅せた。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは遅くないのだが、ボールを呼び込む時に前の肩が内に入り込んでしまいバットが出てき難い。またバットの軌道も、どうしても身体とボールまでの距離をある程度とりたいタイプ。内角の捌きは、得意とは言えないのだろう。

 バットの先端であるヘッドは下がっていないので、ドアスイングというほどではないのだが。大きな弧を描きつつ、フォロースルーも使えるのでボールを遠くに運ぶことができている。身体が小さくても想像以上に打球が伸びてゆくのは、この後押しによるところが大きい。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げは激しくはないので、目線の上下動はそれなり。身体の「開き」も抑えられており、軸足も地面から比較的真っ直ぐ伸びて軸回転ではスイングできている。あとは軸足の内モモに強さが出てくると、もっと強烈な芯の通ったスイングになるのではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 ボールの呼び込み方がうまく、打撃に感性が感じられます。それでいて、バットをしっかり振れる思いっきりの良さも兼備。非常に、ミート力と振れる力を兼ね備えた稀な存在だと言えるでしょう。課題は、なんと言っても内角の捌き。ここを、上のレベルで改善して行けるかにかかっています。


(最後に)

 守備でも走塁でも打撃においても、野球勘が素晴らしいのが最大の魅力。周りの空気を変えられるムードメーカーの資質もあり、一見派手な選手に見えても、やることはしっかりできているところは高く評価できます。

 仮にプロ志望届けを提出すれば、その守備力・打力も考えると中位(3位~5位)ぐらいまでには指名される力は充分あると評価しています。特に性格もプロ向きだと思うのですが、進学が濃厚だと訊いています。もし進学するのであれば、上位指名候補として次のドラフトを迎えてくれるまでになっていて欲しいと願います。個人的には、実際想定される指名順位以上の評価を、この選手には下してみたいと思います。


蔵の評価:☆☆☆ (上位指名級)


(2018年夏 甲子園)