18ky-32
北村 恵吾(中央大4年)一塁 182/80 右/右 (近江出身) | |
数少ない、プロでも飛距離を売りにして行ける素材と言えるのが、この 北村 恵吾 。近江高校時代から、強打の内野手として知られてきた存在。中央大でも3年春からレギュラーに定着し、通算6本のホームランを放っている。 走塁面:☆☆ 2.0 一塁までの到達タイムは、右打席から 4.45~4.55秒秒ぐらい。これを左打者に換算すると 4.2秒~4.3秒 に相当し、ドラフト指名される野手の中では 中の下 ぐらいだとみて良さそうだ。4年間で55試合に出場しているが、通算の盗塁は1個。基本的に、走力でアピールするタイプではない。 守備面:☆☆★ 2.5 近江時代は強打の三塁手ではあったが、キャッチングが危なっかしく、フッワークもけして良い選手ではなかった。ただし、地肩は結構強い選手だったと記憶する。現在の一塁手としての動きを見ていると、かなり慎重にプレーしている感じで、上手い一塁手というほどではないが、無難にはさばいているのではないのだろうか。打球勘などがよくわからないが、一塁以外ならば場合によっては三塁や左翼あたりを守る可能性は出てくるのではないのだろうか。 (打撃内容) 東都通算.217厘で、3割を越えたのは4年春だけ。ラストシーズンは、12試合 1本 4点 打率.108厘と不調だった。基本的に当たれば飛ぶが、確実性はかなり低い一発屋の色彩が強い。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 軽くクロス気味に構え、グリップは捕手側に引いて脇を閉じながら平均的な高さに添えられている。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスとしては、それなりといった感じで悪くない。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が沈む時に一度つま先立ちするものの、本格的に動き出す「遅めの仕掛け」とタイミングで遅すぎることはない。そのため、ボールを引き付けて叩く長距離打者や生粋の二番打者に多く見られる始動のタイミング。彼の場合は、前者であると考えられる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 小さくステップして、ベース側にインステップして踏み込んで来ます。始動~着地までの「間」が短く、その割に動作が忙しい印象はあります。それゆえに余計に狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。ベース側に踏み出すように、外角への意識が強いことが伺われます。 踏み込んだ前の足は、インパクト際にブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球には食らいつくことができます。ただし、腰が早めに開く打者ではあるので、どうしてもさばけるゾーンは限られてしまう恐れはあります。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 あらかじめ「トップ」に近い位置にグリップを添えているので、「トップ」は早めに作れ速い球には立ち遅れません。ただし、リストワークに遊びがない分、柔軟性が損なわれるきらいがあります。 バットの振り出しは、腰が早く開く分、インパクトまで少し遠回りに出てきます。ボールを捉えるときも、バットのヘッドが下り気味なので、ボールの下を叩いて角度はつけられますが、打ち損じも多くなってしまいがち。幾分ヘッドを立てる意識で振れたら、もう少し捉えられる確率も増すのでは? と思ってしまうのですが。それでも大きな孤で振り切るので、上手く捉えられれば遠くに飛んでゆくのですが。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さく、目線はあまり動きません。体の開きも足元が盤石なので、ある程度のところで止まります。しかし、軸足はには余裕がなく、少し窮屈に見えました。このへんが、打撃の幅の狭さを感じさせます。 (打撃のまとめ) 彼は足をチョンとつま先立ちするところでタイミングをとっているのかもしれませんが、本格的な始動こそ遅れてはいないものの動作が忙しなく見えます。またバットの振り出しも、少し遠回りに出てきて、インパクトの際にもヘッドが下り気味なので打ち損じる場面が目立ちます。外野フライは飛んでも、キッチリ捉えられていないことが多い気がします。 (最後に) 現状は、精度の低い大物打ち といった感じで、一軍で通用する対応力が身につくのかには疑問が残ります。そういった意味では、ヤクルトの指導力が求められる素材ではないのでしょうか。現時点では確信が持てず、個人的には ☆ を付けるまでには至りませんでした。ただし、こういった長距離打者は、プロの方が育てるのが上手いので、その点に期待して見守りたいところです。 (2022年 秋季リーグ戦) |
北村 恵吾(近江3年)三塁 182/83 右/右 | |
北村 恵吾 を見ていると、東福岡時代に当時から社会人級と評されていた 村田 修一(ベイスターズ-巨人)を思い出す。夏の甲子園でも2本のホームランを放つなど、一気に指名圏内に名前を連ねた印象だ。 守備・走塁面 残念ながら、甲子園の4試合ではいずれも盗塁はなし。夏の滋賀大会の5試合でも、盗塁は記録していない。完全に腕っぷしの強い強打者タイプであり、足でアピールしようという意識はないようだ。走力に関しては正直よくわからなかったが、けして足回りが良い選手ではないような気がする。 三塁手としては、少々キャッチングが危なっかしいのが気になった。それでも滋賀大会の5試合でも、失策は1個と極端に不安定なことはないのだろう。フットワークもさほど良いとは思えないが、地肩は三塁手らしく基準レベル以上。プロの三塁手は高いレベルが要求される昨今、鍛えればどうにかなるかと言われると個人的には厳しいとみている。将来的には、打力を生かして一塁だか左翼あたりに収まるのではないのだろうか。 (打撃内容) 広角に無理なく打球を飛ばす、パワフルな打撃が持ち味。特にこの夏の9試合で、24打点を荒稼ぎした勝負強さが持ち味となっている。天性のホームラン打者というよりは、中距離・ポイントゲッタータイプの印象が強い。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 足はクローズに構えているのだが、前の肩と後ろの肩はまっすぐでありスクエアスタンスに近い。グリップの高さは平均的で腰の据わりが良く、全体のバランスにも優れる。両目で前を見据える姿勢は並だが、打席では適度なリラックスと集中力が感じられる良い構えではないのだろうか。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が下がりきったところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く見られる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 一度足をベース側につま先立ちして、それから軽くステップして真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなり対応。まっすぐ踏み出すように、内角でも外角でも幅広く対応したいタイプなのでしょう。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもブレずに止まっています。そのため逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことはできています。そのため、右方向への打球も可能になっています。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 あらかじめ「トップ」に近い位置にグリップを添えているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。そのぶんリスワークに遊びは少ないので、柔軟性があるかと言えば微妙ではあります。 バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトではなく、ある程度ボールと体の距離がないと捌けないタイプだと感じます。そのぶん当たれば大きいのですが、内角の球を素直にさばけるかと言われると微妙ではあるように感じます。あらかじめ内角が来るとわかっていると、少し早めに体を開けてさばいているように見えます。 スイングの弧自体はそのためそれなりにしなりを活かせていますが、この選手はフォロースルーを使ってボールを遠くに運ぶことができています。そのため中距離打者っぽい型なのですが、想像以上に打球が一伸びするのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。体の「開き」も抑えれていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びており軸はしっかりしています。 (打撃のまとめ) 少し柔軟性に欠けるようには見えますが、その割には対応力は悪くありません。強打者にしては力むことなく、平常心で打席に入れる精神面は素晴らしいです。そのため滋賀大会・甲子園でも5割以上を放つなど、自分の力を大舞台でも遺憾なく発揮できました。 特に当て勘が素晴らしいとか、長打力が際立つとか、スイングが鋭いといった感じはしませんが、打撃に関してはドラフト級の素材だと思います。ある程度時間はかかると思いますが、なにかをプロで掴めば異彩を放つ可能性は秘めているのではないのでしょうか。 (最後に) 「右の三塁手」として期待するとなると、守備面の観点からすると物足りません。しかし打力を評価して、左翼・一塁手でもO.Kと考える球団ならば指名はありだと思います。個人的にはあまり高い評価はしてませんが、ドラフト的には中位(3位~5位)以内での可能性も充分あるのではないのでしょうか。特にホットコーナーを期待できる右の強打者という需要は高いでしょうから。 個人的にはサードは厳しいと見ていますので、評価はもうワンランク下げての評価です。6位以降ならばありだと思いますが、そこまで残ってはいないのではないのでしょうか。本会議での指名は、ほぼ間違いないと思われます。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2018年夏 甲子園) |