18ky-32
北村 恵吾(近江3年)三塁 182/83 右/右 | |
北村 恵吾 を見ていると、東福岡時代に当時から社会人級と評されていた 村田 修一(ベイスターズ-巨人)を思い出す。夏の甲子園でも2本のホームランを放つなど、一気に指名圏内に名前を連ねた印象だ。 守備・走塁面 残念ながら、甲子園の4試合ではいずれも盗塁はなし。夏の滋賀大会の5試合でも、盗塁は記録していない。完全に腕っぷしの強い強打者タイプであり、足でアピールしようという意識はないようだ。走力に関しては正直よくわからなかったが、けして足回りが良い選手ではないような気がする。 三塁手としては、少々キャッチングが危なっかしいのが気になった。それでも滋賀大会の5試合でも、失策は1個と極端に不安定なことはないのだろう。フットワークもさほど良いとは思えないが、地肩は三塁手らしく基準レベル以上。プロの三塁手は高いレベルが要求される昨今、鍛えればどうにかなるかと言われると個人的には厳しいとみている。将来的には、打力を生かして一塁だか左翼あたりに収まるのではないのだろうか。 (打撃内容) 広角に無理なく打球を飛ばす、パワフルな打撃が持ち味。特にこの夏の9試合で、24打点を荒稼ぎした勝負強さが持ち味となっている。天性のホームラン打者というよりは、中距離・ポイントゲッタータイプの印象が強い。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 足はクローズに構えているのだが、前の肩と後ろの肩はまっすぐでありスクエアスタンスに近い。グリップの高さは平均的で腰の据わりが良く、全体のバランスにも優れる。両目で前を見据える姿勢は並だが、打席では適度なリラックスと集中力が感じられる良い構えではないのだろうか。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が下がりきったところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く見られる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 一度足をベース側につま先立ちして、それから軽くステップして真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなり対応。まっすぐ踏み出すように、内角でも外角でも幅広く対応したいタイプなのでしょう。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもブレずに止まっています。そのため逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことはできています。そのため、右方向への打球も可能になっています。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 あらかじめ「トップ」に近い位置にグリップを添えているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。そのぶんリスワークに遊びは少ないので、柔軟性があるかと言えば微妙ではあります。 バットの振り出しは、けしてインサイド・アウトではなく、ある程度ボールと体の距離がないと捌けないタイプだと感じます。そのぶん当たれば大きいのですが、内角の球を素直にさばけるかと言われると微妙ではあるように感じます。あらかじめ内角が来るとわかっていると、少し早めに体を開けてさばいているように見えます。 スイングの弧自体はそのためそれなりにしなりを活かせていますが、この選手はフォロースルーを使ってボールを遠くに運ぶことができています。そのため中距離打者っぽい型なのですが、想像以上に打球が一伸びするのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。体の「開き」も抑えれていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びており軸はしっかりしています。 (打撃のまとめ) 少し柔軟性に欠けるようには見えますが、その割には対応力は悪くありません。強打者にしては力むことなく、平常心で打席に入れる精神面は素晴らしいです。そのため滋賀大会・甲子園でも5割以上を放つなど、自分の力を大舞台でも遺憾なく発揮できました。 特に当て勘が素晴らしいとか、長打力が際立つとか、スイングが鋭いといった感じはしませんが、打撃に関してはドラフト級の素材だと思います。ある程度時間はかかると思いますが、なにかをプロで掴めば異彩を放つ可能性は秘めているのではないのでしょうか。 (最後に) 「右の三塁手」として期待するとなると、守備面の観点からすると物足りません。しかし打力を評価して、左翼・一塁手でもO.Kと考える球団ならば指名はありだと思います。個人的にはあまり高い評価はしてませんが、ドラフト的には中位(3位~5位)以内での可能性も充分あるのではないのでしょうか。特にホットコーナーを期待できる右の強打者という需要は高いでしょうから。 個人的にはサードは厳しいと見ていますので、評価はもうワンランク下げての評価です。6位以降ならばありだと思いますが、そこまで残ってはいないのではないのでしょうか。本会議での指名は、ほぼ間違いないと思われます。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2018年夏 甲子園) |