18ky-31
中尾 勇介(24歳・東京ガス)外野 173/75 右/右 (山梨学院-日大出身) | |
山梨学院時代に、高い身体能力を秘めた右の強打者として ☆☆(中位指名級)の評価をした 中尾 勇介 。しかし、日大に進み、大学卒業時には指名されず、社会人の強豪・東京ガスに進んだ。社会人2年目の今年は、静岡大会で本塁打など長打を連発。再び、存在感を増し始めている。 走塁面:☆☆☆☆ 4.0 高校時代は、右打席から 3.95秒前後の破格のタイムを叩き出していた。2月に行われた「おいどんカップ」の際にも、一塁までセカンドゴロで 4.2秒前後を記録。これを、左打者に換算すれば、3.95秒前後に相当する、プロでも俊足レベルの脚力を維持している。日大3年秋には、東都で7盗塁を記録。レギュラーになった3年春以降の4シーズンでは、いずれも5個前後の盗塁を成功させるなど、適度に盗塁をできる脚力も持っている。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 この脚力を活かした、広い守備範囲も魅力の一つ。打球勘や落下点までの入りも悪くなく、キャッチング自体も安定している。地肩に圧倒的なものはないものの、中堅手だけに、そこまで絶対的な肩は必要ないように思える。 (打撃内容) 守備・走力が一定レベルありながら、長打力を秘めた強打が魅力。大学時代は、東都でも二部で過ごすことが多かった。しかし、4年春のシーズンでは、一部で3位となる .350厘(3位)の高打率を残している。今年のJABA静岡大会では、それまで大活躍だったものの、準決勝のヤマハ戦では4三振をきして脆さも示していた。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。背筋を伸ばしつつ、全体のバランスや両眼で前を見据える姿勢は並ぐらいでしょうか。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下る時にベース側につま先立ちして、本格的に動き出すのはリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。ここまで遅いタイミングでの始動となると、プロレベルの球速やキレに対応するのは厳しくなる。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」が短く、狙い球を絞りその球を逃さないことがより求められる。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのではないのだろうか。 踏み出した前の足は、インパクトの際にブレずに止まっている。したがって逃げてゆく球や低めの球に対しても、食らいつくことはできている。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を早めに作れているので、始動の遅さは補えている。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではないものの、バットの先端であるヘッドまで下がっていないでの、そこまで遠回りにはでてこない。高校時代は、前の肩が内に入りすぎる感じだったものの、そのへんは改善されていた。 インパクトの際にもバットの先端であるヘッドが下がっていないので、広い面ではボールを捉えられている。それだけ、ボールはフェアゾーンに飛びやすい。けしてスイングの弧が大きいとかフォロースルーを使ってというタイプではないものの、うまく巻き込めた時にはビックリするような本塁打を放つ。 <軸> ☆☆☆ 3.0 足の上げ下げは小さいのだが、自分からボールに近づいてしまうので、頭はそれなりに動いてしまっている。体の開きは我慢できているが、軸足は少し後ろに引き気味。それだけ内角のスペースは、やや窮屈なのかもしれない。 (打撃のまとめ) 技術的には、始動の遅さや頭の動きなどを観ていると、確実性に課題を感じます。捉えた時の爆発力は見事ですが、安定感という意味で課題を残す感じはしています。打撃フォームは、基本的に高校時代から大きくは変わっていないように感じました。 (最後に) 社会人の中でも、一発を打てる魅力がありながら、守備・走力などの能力が高い右打ちの外野手ということで目をひく存在です。大卒2年目の選手ですが、大学時代より成長した姿を示し続けることができれば、指名の可能性も出てくるのではないのでしょうか。今後も、見守って行きたい候補の1人でした。 蔵の評価:追跡級! (2024年 静岡大会) |
中尾 勇介(山梨学院3年)中堅 175/78 右/右 | |
中尾 勇介 の一塁までの到達タイムは、右打席から3.95秒だった。右打席から4.0秒を切れるようなドラフト候補は、1年に一人いるかいないか程度。そんななか彼は、3.95秒という驚異的なタイムを計測した。これは、左打者に換算すると3.7秒前後に相当する驚異的なタイムなのだ。それもその当たりは、進行方向とは真逆の三塁ゴロを放ったときのタイムだったというのも驚きあたいする。 走塁面:☆☆☆☆★ 4.5 この驚異的なタイムだけでなく、夏の山梨予選の5試合では6盗塁を記録。出塁すれば、すかさず次の盗塁を狙ってくる。技術的にはまだ荒削りなところはあるのだろうが、プロでもトップ級の走力があるだけに、これからの成長が楽しみだ。 守備面:☆☆☆★ 3.5 山梨大会の模様も数試合確認したが、落下点までの目測はよく狂いは少ない。そして、走塁を活かして広い守備範囲を誇る。ただし見ていると、少しプレーが雑なところがありそのへんが気になる材料。肩に関しては滅法強いという感じではなかったが、平均~中の上ぐらいのものは持っていそうだ。 走塁ほど絶対的なものはないが、打球勘なども悪くなくファームで鍛えればかなりのレベルまでゆくのではないのだろうか。 (打撃内容) 夏の甲子園・高知商業戦でも、バックスクリーン横に圧巻のホームランを放って魅せた。確実性が高いとは言えないが、振り抜いたときの打球には見るべきものがある。タイミングの合わせ方に課題があり、そのへんが改善されてくるとポテンシャルが高いだけに楽しみ。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わりはよく、全体のバランス・両眼で前を見据える姿勢は並ぐらい。アゴをしっかり引いて、集中力の高さが感じられる。 <仕掛け> 遅すぎ 一度動き出してからベース側につま先立ちするので、本格的に動き出すのはリリーフ直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。ここまで遅い始動だと、日本人の筋力・ヘッドスピードで、プロの球に対応するのは厳しくなってしまう。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」がないので、どうしても打てるタイミングが 点 になりやすい。そのため狙い球を絞って、その球を絶対に逃さないことが求めれる。 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。試合を観る限り、内角の球を払うようなスイングで強烈な打球を生み出していた。また踏み出した前の足は、インパクトの際にしっかり止まってブレない。そういった意味では、逃げてゆく球や低めの球にも食らいついてゆくことは可能だろう。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早く作れているので、始動の遅さを補うことはできている。ただしボールを呼び込むときに前の肩が内に入り込んでしまっているので、内角の球に対し素直にバットが出てこない傾向にある。 スイング軌道に関しては、振り出しからインパクトまで実にロスなく振り抜けているのは好感。またけしてスイングの弧が大きいとか、フォロースルーを使って打球を後押しするわけではないのだが、インパクトのときにグッと押し込めてエネルギーを集約できているところが優れている。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。身体の「開き」も我慢でき、軸足がもう少し地面から真っ直ぐ伸びて安定して来ると、申し分なくなってくる。 (打撃のまとめ) 始動の遅すぎや前の肩が入りすぎるなどの課題はあるものの、スイングの根幹をなすスイング軌道が素晴らしいのと、インパクトに力を集約できる点は素晴らしい。まだ荒っぽい部分はあるものの、夏の予選では.611厘を残し甲子園でも5打数2安打と全国レベルでも結果を残してみた。 (最後に) 身体は大きくはないものの、秘めたるポテンシャルは高く面白い素材ではないのだろうか。チームメイトがプロ志望届けを出すなか、この選手はまだ出していない。そのため、有力な進学先などがあるのかもしれない。ただしキャラ的には、アマでちまちまやるよりはプロ向きな性格のように映る。個人的には、高校からプロに行った方が好い選手ではないかと思うのだが・・・。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2018年 甲子園) |