18ky-20


 




小幡 竜平(阪神)内野手のルーキー回顧へ







小幡 竜平(延岡学園3年)遊撃 180/73 右/左 





 「指名されるかもね」





 この春の選抜大会に出場し、一躍ドラフト候補に浮上してきた 小幡 竜平 。180センチ台の大型ショートで、高い身体能力を活かしたダイナミックなプレーは、実に見栄えがするのだ。プロ志望届けを提出すれば、指名される可能性は充分あるのではないかとみている。


走力:
☆☆☆★ 3.5

 選抜大会では、残念ながら正確なタイムは計測できないまま終わった。しかし今回の高校選抜との試合では、第三打席にショートゴロを放ったときの一塁到達タイムは 3.95秒前後 を計測。左打者の場合、4.0秒を切るようなタイムだと、プロに混ぜても上位の脚力の持ち主だとわかる。

 秋の新チーム結成以来の成績では、けして突出して盗塁を多く決めて来るタイプではなかった。脚力自体はそれなりにあるのだろうが、まだ走塁技術という部分では発展途上なのだろう。

守備面:
☆☆☆ 3.0

 180センチ台の大型遊撃手だけにグランドでも映えるタイプで、実にその動きもダイナミック。少し腰高なところは気になるものの、地肩はかなり強く見えた。打球の正面まで周りこまずに、あえて次の動作への移行を考えてのキャッチング。ミスも多いだろうが、凄いプレーも魅せてくれるタイプなのだろう。将来的に安定感の部分で、上のレベルでショートを任せられるかは微妙。それでも、プロでセンターラインを担っているだけの高い身体能力はあるのは間違い無さそうだ。





(打撃内容)

 長打で魅了するようなタイプではないが、野手の間を抜いてゆく二塁打・三塁打が多い打者ではないのだろうか。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰は深く据わり、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスも悪くない。しいていえば、もっと構えに柔らかさみたいな余裕が出てくると好いのだが。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みきったところから動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く見られる仕掛けとなっている。意図してかはわからないが、春よりも若干始動は遅くなっていた。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く上げて、ベース側に踏み込んでくるインステップ。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でも緩急にはそれなりに対応しやすい。ベース側に踏み出すように、外角を強く意識したスイングではないのだろうか。

 踏み込んだ前の足が、しっかりインパクトの際にブレずに止まっている。外に逃げてゆく球や、低めの球にも食らいつくことができるだろう。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体だが、バットを引くのが遅れないように注意したい。バットの振り出しは、上からインパクトまで振り下ろすインサイド・アウトのスイング軌道。真ん中~内角寄りの球を捌くには適しているが、木製バットでプロの球を打ち返すには、しなりを活かしたスイングも身につけたい。

 インパクトの際には、バットの先端であるヘッドも下がらないので、うまく外角の球を拾うことができている。ボールを捉えるセンスは高く、打球も鋭い。ボールを呼び込むときに「遊び」の部分が少なく、打てる幅が限られているように感じられるのが残念だ。もう少し柔軟に、リストを使いたい。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げは小さく、目線の上下動は安定している。球筋を、錯覚を起こすことなく追いやすい。身体の「開き」も我慢できており、軸足にも粘りが感じられる。しいて言えば、軸足が前に傾いて身体がツッコミにがちになるところに注意したい。

(打撃のまとめ)

 「構え」や「始動」のタイミングは修正が加えられているが、上半身や下半身の動きなどスイング動作には大きな変化は見られない。もう少し好打者タイプなので、ボールを呼び込むときに「遊び」が欲しい気はする。守備・走力の肉体的なポテンシャルは高いが、打撃のポテンシャルはさほど高くは感じない。


(最後に)

 守備や走塁には、これからの伸びしろを感じさせる素材。その一方で打撃に関しては、現時点での技術は悪くない。しかし今後、何かを生み出してゆく「感性」みたいなものがあまり感じられない。このへんで、プロの世界で生き残って行けるのかには微妙な印象を受ける。

 そのため評価としては、下位指名(6位以降)~育成枠 あたりの評価ではないかとみているが、果たしてプロ志望届けを提出するだろうか? 提出すれば、何かしらの形で指名はされるのではないのだろうか。


蔵の評価:
 (下位指名級)


(2018年 高校Japan VS 宮崎県選抜) 









小幡 竜平(延岡学園3年)遊撃 180/73 右/左 
 




 「一躍ドラフト候補に」





センバツでプレーを確認するまでは、全く知らなかった 小幡 竜平 。チームでは4番務める打力がありながら、180センチ台の大型遊撃手。これならば、リストアップした球団も少なくなかっただろう。


(守備・走塁面)

 残念ながら、走力に関しては計測できず。新チーム結成以来の31試合(128打数)で、8盗塁を記録。これをプロのレギュラー打者並の500打席で換算すると、1シーズン31個計算になる。高校生のドラフト候補としては際立つ数字ではないが、中~中の上ぐらいの走力はあるものとみて良さそうだ。

 180センチ台の大型遊撃手だけに、グランドでも映えるタイプなのでしょう。その動きも、ダイナミック。少し腰高なところは気になるものの、肩も基準レベルは満たしていそうで将来楽しみ。しかし31試合で10失策していることからも、安定感という意味では課題がありそうだ。純粋にまだ持ち得る身体能力を活かせているとは言えなそうだが、素材としての魅力溢れる遊撃手といった感じがする。





(打撃内容)

 センバツで見る限りは、長打よりも巧打者といった感じ。128打数で3本塁打からも、1シーズンあたり12本程度の長打力だとわかる。ツボにハマればスタンドインできるパンチ力はあるものの、むしろ鋭い打球で二塁打・三塁打が多いタイプの4番打者なのだろう。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えている。腰の据わり・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスは、それなりと言える。まだ相手にプレッシャーをかけるような迫力や甘い球を逃さない隙なしの凄みは感じられないが、理にかなった構えにはなっている。

<仕掛け> 早めの

 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。典型的な、アベレージヒッターに多く観られる仕掛けとなっている。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を大きく引き上げ、若干ベース側に踏み込んで来る。始動~着地までの「間」はとれており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。軽くインステップするように、若干外角寄りの意識が高そう。それでも踏み込んだ前の足は止まり、インパクトの際ににもブレない。外に逃げてゆく球や、低めの球にも食らいつくことができるだろう。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力むことなくボールを呼び込めている。バットの振り出しは、上からインパクトまで振り下ろすインサイド・アウトのスイング軌道。真ん中~内角寄りの球を捌くには適しているが、木製バットでプロの球を打ち返すには、しなりを活かしたスイングも身につけたい。

 インパクトの歳には、バットの先端であるヘッドも下がらないので、うまく外角の球を拾うことができている。ボールを捉えるセンスは高く、打球も鋭い。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げが大きいものの、目線の上下動はそれなり。身体の「開き」は我慢できており、軸足の形も大きく崩れていない。軸を機転に、キレイに回転できている。

(打撃のまとめ)

 非常に癖のない、良いスイングをしています。木製バットでの適正に多少苦労する可能性があり、まだプロの打者としては身体がひ弱い感じがします。しかし打球は鋭いので、見た目ほどはひ弱には感じません。

 新チーム結成以来の128打数で10三振であり、三振比率は7.8%と非常に低い。それだけ振ったバットが、ボールを捉える可能性が高いということ。しかし四死球は11個で、四死球率は8.6%と並。これは、ボールを見きわめる「眼」が並なのか? あえて四死球よりも4番なので打つことに徹していた可能性もあります。いずれにしても、打率.438厘と対応力の高さは光ります。


(最後に)

 守備・走塁に関しては発展途上なものの、ボールを捉えるセンス・癖のないスイングには素材としての良さが感じられます。高校からプロに入るほどの素材かと言われると微妙なレベルなので、夏まで追いかけてみたいものです。とりあえずセンバツでは、ドラフト候補になりえる遊撃手がいたということで、その名前を覚えておいて損のない選手ではないのでしょうか。


蔵の評価:
追跡級!


(2018年 センバツ)