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土居 豪人(松山聖陵3年)投手の最終寸評へ







土居 豪人(松山聖陵3年)投手 189/80 右/右 
 




                      「意外に器用」





 一学年上には、アドゥワ誠(広島)投手がいて、彼同様に190センチ近い長身でありながら、意外に小器用なところがあったり、投手としてのセンスがかんじられるの 土居 豪人 。しかしそれでも選抜緒戦の近江戦では、5回2/3イニングで11安打を浴び・8失点を献上し惨敗している。その理由について、今回は考えてみた。


(投球内容)

ランナーがいなくても、セットポジションから静かに足を引き上げて来る先発タイプ。

ストレート 常時140キロ台~MAX147キロ 
☆☆☆ 3.0

 長身から繰り出されるストレートには角度を感じさせ、ビシッとミットに突き刺さる勢い・球威も悪くない。それほど細かいコントロールがあるわけではないが、真ん中近辺に甘く入ってくることはなく、適度にボールは外へ外へと散っている。その割に苦になく合わされてしまうところに、彼の課題があるようだ。

変化球 カーブ・スライダー・チェンジアップ・フォークなど 
☆☆☆ 3.0

 緩いカーブとのコンビネーションで投球を組み立て、縦横のスライダーもあるが、割合は少ない。他にもチェンジアップやフォークなどもあり、球種は多彩だと言える。一つ一つの曲がり・変化も思ったほど悪くはないが、緩いカーブを狙い打たれたり、空振りを狙って奪えるほどの絶対的な球は見当たらない。あくまでも、相手の的を絞らせないための変化球といった印象が残る。

その他

 牽制やフィールディングも上手いわけではないが、破綻がない程度には動けている。クィックは1.1秒台で投げ込めるなど、大型でも投げ遅れる心配はない。ランナーを背負ってからは、長くボールを持つこともあり、投球センスも悪くない。ただし打たれる時は、ポポポ~ンと連打を食らうので、こういったときに間を外すとか、ボールを長く持つことなどを実践できる精神的余裕を持ちたい。

(投球のまとめ)

 一冬越えて、ストレートもだいぶビシッとした球が投げられるようになってきました。まだまだ素材型の域は脱していませんが、力でねじ伏せるといった投球は目指していません。あくまでもストレートを見せつつも、多彩な変化球とのコンビネーションで打ち取るタイプ。そういった投球を、いかに全国レベルの相手にできるかではないのでしょうか。


(投球フォーム)

今度は投球フォームの観点から、彼の将来性について考えてゆきたい。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻の一塁側への落としに甘さは残すものの、適度には落とすことができています。そういった意味では、カーブやフォークのような捻り出して投げる球を投げても、無理はありません。

 「着地」までの粘りも、淡白すぎることはなく平均的。身体を捻り出す時間はまだ充分とは言えませんが、将来的にもっと粘れるようになると、変化球のキレや曲がりに特徴が出てくるかもしれません。

<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 グラブの抱えも、少し後ろに解けがちなものの比較的身体の近くにはあります。そのため、両サイドの投げ分けも適度にできています。足の甲での地面への押しつけも、少し完全に押し付けるまでに遅い気はしますが、フィニッシュのところではおさえられています。そのためボールは、高めには抜けません。「球持ち」は並ぐらいなので、もう少し長く持って指先の感覚が磨かれると、安定したコントロールもゆくようになるのではないのでしょうか。

<故障のリスク> 
☆☆★ 2.5

お尻はある程度落とせているので、カーブやフォークを投げても窮屈になりすぎることはありません。そのため肘への負担は、さほど大きくはないと考えられます。

気になるのは角度を活かすために、腕の送り出しに多少の無理が感じられるということ。グラブを持った肩は下がり、ボールを持った肩が上がっているフォームなので、肩へのケアには充分配慮して欲しいところ。それほど力投派ではないので、疲れは貯め難くフォームを崩す心配は少ないのではないのでしょうか。

<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りもソコソコですし、身体の「開き」も早すぎることはありません。ましてこの角度ですから、どうしてもここまで高校生相手に連打を食らったのかよくわかりません。

 腕は振れて勢いはあるので、空振りを誘えるだけの下地はあります。ボールへの体重の乗せ具合は発展途上ですが、将来的に乗せられる可能性を感じます。この辺の体重移動をものにできると、もっと手元まで球威のある球が投げられるようになりそうです。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、いずれも大きな欠点はないかわり良い部分もありません。それだけまだ発展途上であり、これから良くなる余地があります。

 腕の送り出しに無理を感じるので肩への負担が心配なのと、今後武器になる変化球を習得できるかはまだ見えてきません。コントロールを司る動作自体は悪くないので、身体ができてくると安定してくる可能性は感じます。良くなる下地はあるので、あとは本人の意識とトレーニング次第でグングン良くなれるかもしれません。


(最後に)

 大型の割にセンスもありますし、もっともっと良くなる可能性を秘めています。そういった意味では、昨年の アドゥワ誠(広島)とよく似たタイプ投手ではないのでしょうか。彼同様に、精神的にも大きなムラは感じませんし、時間をかければ面白い素材だと思います。

 現状は下位指名レベルだと思いますが、夏までにワンランク成長を実感できれば、中位指名ぐらいまで引き上がってきても不思議ではありません。じっくりと高校生を育ててみたいという球団にとっては、面白い素材ではないのでしょうか。


蔵の評価:
 (下位指名級)


(2018年 選抜)