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頓宮 裕真(亜細亜大4年)捕手の最終寸評へ







頓宮 裕真(亜細亜大4年)捕手 182/98 右/右 (岡山理大付出身) 
 




                      「エグい!」




 野球経験者が好んで使うこの言葉を、私は滅多に使わない。実際アマの打球で、そんなにエグいと思うようなものに出会うことがないからだ。しかしこの頓宮の試合を見るたび、まさにエグい打球を連発する。アマで、これだけこういった当たりを飛ばす選手を私は今まであまり記憶がない。


(ディフェンス面)

 この春のリーグ戦序盤までは、一塁手としての出場が多かった。しかしシーズン中盤以降は、捕手としての出番も増えてきた。今回は、捕手としてプレーを細かく観てみたい。

 チームのキャプテンらしく、内外野にしっかり指示が出せるリーダーシップ溢れる捕手。キャッチングは重心を低く落としながらミットを動かさないで捕球できるなど、けして下手ではない(微妙にフレーミングも)する。リードは、結構内角を突く強気な一面も魅せるし、打球への反応も、思ったほどは鈍くなかった。

 しかし気になるのは、ランナーがいても座ったまま返球したり、キャッチャーフライを落としたりもして経験不足も否めない。スローイングは以前ほど捕ってから焦って投げようという感じではなく、時間がかかってでも正確に送球しようとする意志が感じられ、コントロールはだいぶ改善。1.9秒台~2.05秒ぐらいの送球はできている。ただしベース板を通過するときにボールが失速するなど、プロの捕手としては物足りない。プロでは緊急時に守るぐらいはできると思うが、捕手でレギュラーをというのは考え難い。プロ入り後は、一塁などにコンバートを前提にこの選手は考えた方がいいだろう。





(打撃内容)

 3年春には、打率.386厘をマークし、粗っぽいイメージをだいぶ解消できていた。また3年秋も.313厘を残す。しかしこの選手、マスクをかぶるとそちらに気が取られて打撃影響してしまうのだという。そのため一塁で出場していた頃は結構打率も良かったのだが、最終的には今シーズンも 13試合 5本 15点 打率.267厘 まで落としてしまったのである。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えます。腰はそれほど深く据わっていませんが、背筋を伸ばし両目でも前を見据えられバランスも悪くありません。打席ではリラックスして立てていますし、投手としては威圧感を感じる構えであるように思います。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。これは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く観られる仕掛けです。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 足をそれほど引き上げず回し込んで、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプかと。

 踏み込んだ前の足が、早く地面から離れるタイプ。すなわち打球は、センターからレフト方向への引っ張りが中心になります。その分外角に逃げてゆく球や、低めへの対応には弱さがあると考えられます。引っ張り込める球を、思いっきり振り切るというのが、この選手のスタイルなのでは?


<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れていて、速い球に立ち遅れる心配はありません。バットの振り出しにも、それほど大きなロスは感じません。どちらかというとバットのしなりを活かしたスイングなので、甘めの外角球あたりを捉えるのが一番得意なのではないかと。逆に内角の厳しい球を捌くには、少しバットが遠回りに出てくる感じはします。また足元もブレるので外角の厳しい球も厳しく、打てるコースの幅は真ん中近辺と狭い可能性があります。

 スイングもしなりを活かした大きな弧では振れているものの、フォロースルーなどを使ってボールを運ぶというよりも、腕っぷしの強さを生かして強く振り切る感じです。これでも本塁打を連発できるのは、よほど身体強いのだと考えられます。


<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。身体の「開き」を我慢できないのは気になりますが、軸足の内モモの筋肉は強く発達しており、強烈な打球を生み出せる原動力になっています。

(打撃のまとめ)

 下級生のときのようなガチガチに力が入ってという感じではなく、非常にリラックスした感じでボールを呼び込めていることは良いこと。しかし捌けるコースは真ん中近辺であり、打球も引っ張りを中心であり右方向におっつけるという中途半端な打撃はしてきません。スイング的には、それほどホームランを狙っているようなスイングではありません。このへんはプロで何かを掴むと、全然変わって来るとは思うのですが。



(最後に)

 プロの捕手としてみるのは、正直キツイところです。一塁までの塁間は、4.55秒前後(左打者換算で4.3秒に相当)と、チームの中では中の下から下の上ぐらいでしょうか? それでも2盗塁ぐらい決めるシーズンも多いので、走塁意識が低いわけではないようです。ただしプロで一塁はともかく、他のポジションが担えるかは微妙です。

 そう考えると、DHのあるパ・リーグ向きの選手ではないのでしょうか。一塁でもDHでも構わないので、和製大砲候補が欲しいという球団が、食指を伸ばすのではないのでしょうか。アマ屈指の打球を放つ選手ではありますが、ドラフトでは中位~下位に収まるのではないかとみています。



蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2018年 春季リーグ戦)