18dy-13





平山 快(23歳・JFE東日本)三塁手の本当に凄いやつへ







平山 快(東海大4年)三塁 181/83 右/右 (東海大相模出身) 





 「東海大の4番だぞ」





 今年のドラフト戦線においてさほど注目されていないが、確かな実力を備えているのが、この 平山 快 。2年秋には、打率.452厘で首都リーグの首位打者を獲得。以後も東海大の中心選手として、実績を積んできた。シーズンの本塁打は、最多で3本と際立ってホームランを打つわけではない。しかし14打点・13打点と記録したシーズンもあるように、名門の4番打者としての重責を果たしてきた。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 シーズンの盗塁数に目立つものはないが、右打席から4.25秒前後で一塁まで走り抜ける。これを左打者に換算すると、4.0秒前後に相当し、脚力自体はプロに混ぜても中の上レベルはある。プレーを観ていても、結構動ける選手との印象が強い。盗塁をバシバシ仕掛けて来るような選手ではないが、ベースランニングなどで足を引っ張ることはないだろう。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 ショートに転がるようなボールをかっさらうぐらいの、広い守備範囲を誇る。こういうことができるのも、打球への反応が素早いからだろう。また送球も非常に強く、強肩ぶりも目を惹く。ただしこの大学選手権での守備では、打球に対し下がって捌いていた場面があり、このへんはサードとしては不安を感じる部分。横の動きには優れていそうだが、前後の判断力など秋まで見極めてゆきたい。しかしプロだとサードが怪しい怪しい三塁手が多いなか、プロでも充分にやって行けそうな貴重な候補であるのは間違いない。





(打撃内容)

 今春のリーグ戦では、けして打数が少なくないのに打点が2点しかなかったのは気になる材料。しかし大学選手権では、きっちりライト前・センター前にはじき返し甘い球を逃さない集中力を魅せてくれていた。

<構え> 
☆☆★ 2.5

 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えています。腰の据わり具合・全体のバランスはもう一つで、両眼で前を見据える姿勢は並な感じは受ける。構えとしては、あまり良い印象は受けなかった。

<仕掛け> 早め

 追い込まれるとノーステップで打つことがあるが、普段は「早めの仕掛け」を採用。この選手は対応力を重視しており、アベレージヒッターの傾向が強い。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を早めに引き上げてなかなか地面に下ろさず、真っ直ぐ踏み出して来る。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたい万能型を目指している。

 踏み込んだ前の足はしっかりインパクトの際にも止まっており、外に逃げてゆく球や低めにも食らいつくことができる。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは早く、速い球に立ち遅れる心配はない。しかしバットの振り出しが少し遠回りにまわってくるので、この辺が確実性に影響を及ぼしているのでは? それでもインパクトの際にはヘッドが立って、広い面でボールを捉えている。ボールに角度をつけるとか、フォロースルーを使って運ぶ感じはなく、あくまでも強く振り抜くスイングとなっている。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるのですが、静かなので目線の上下動は並ぐらいか。足元もブレないので、「開き」も我慢できている。軸足にも適度に粘りと強さが感じられるが、少し前に傾きがち。打ち気にはやって、前に突っ込まないように注意したい。

(打撃のまとめ)

 潔いスイングをする選手なので、観ていて爽快感が残る。バットの芯でもきっちりボールを捉えることができ、強烈な打球が飛んでゆく。下半身で上手くタイミングをとることができているが、スイング軌道が遠回りでロスが感じられ、この辺が今後の課題だろうか? しかし打つだけならば、プロで全く通用しないとは考えづらい。


(最後に)

 三塁守備・走力などのバランスの取れた三塁手であり、適度な長打力も秘めている。何か強打者として、絶対的な強味があるわけではないが、精神的にも強く代打・控え層を強化するという意味では面白いのではないのだろうか。右の強打者タイプを探しているという球団にとっては、下位指名でも獲得可能な人材。あとは、本人がその条件でも今からプロ入りしたいかに懸かっているのかもしれない。個人的には秋までみて、最終的な評価付けを決めてゆきたい。


蔵の評価:
追跡級!


(2018年 大学選手権)