18dp-5


 




鈴木 翔天(富士大4年)投手の最終寸評へ








鈴木 翔天(富士大3年)投手 185/80 左/左 (向上出身) 





                     「数少ない先発型左腕」





 ドラフト戦線においては、なかなか将来プロの先発でやって行けそうな左腕は見当たらない。そういった意味では、18年度の候補のなかでもこの 鈴木 翔天 はそういったタイプに属する貴重な存在。


(投球内容)

 静かに足を引き上げて来るタイプで、典型的な自分の「間」を重視した先発タイプのゆったりとしたフォームである。

ストレート 140~MAX146キロ 
☆☆☆★ 3.5

 ボールを置きにゆくようなフォームのために、球速ほど速くは感じられない。それでもコンスタントに140キロ台を記録し、時には140キロ台中盤に到達します。それほど細かいコントロールはないのですが、右打者の内角を厳しく突いたり、指にかかって低めに集まりやすいなどの特徴があります。

変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップ・フォークなど 
☆☆★ 2.5

 基本は、スライダーと速球とのコンビネーションで投球を組み立てます。ただしそのスライダーが高めに抜けたりとか、甘く入って来ることも少なくありません。カウントを取ることはできても、コースに投げ分けたり甘くないゾーンに集められない点は気になります。たまにもっと緩いカーブ、あるい右打者の外角に小さく逃げながら沈むチェンジアップ系の球があります。その他縦に落ちる、フォークなどもあるように見えます。まだ絶対的な球種があるようには見えませんが、奪三振率は非常に高い投手です。

その他

 牽制は結構鋭いものがあり、走者の踏み出しを封じることができます。ただし気になるのは、クィックを全く使わない点。あえてこれでも投球を成り立たせているわけですが、プロを意識するのであれば、いつまでもこのままだとはゆかないでしょう。

(投球のまとめ)

 特に細かいコントロールがあるわけではないのですが、四死球は少ない傾向に。また何か凄い球があるようにも見えないのですが、奪三振は非常に多い印象があります。ただしこれがプロ目線で見た場合に、本当にプロでもこのような投球ができるのか?と言われると疑問は残ります。

 ゆったりとした先発タイプではありますが、プロのローテーションを任されるほどの器かどうかという判断になろうかと思います。幾ら適性があっても、能力自体が劣っていたらそのチャンスが与えられるとは限りませんので。できれば先発左腕の不足しているチームに進まれることを期待します。


(投球フォーム)

今度はフォームの観点から、彼の可能性を考えてみたい。

<広がる可能性> 
☆☆★ 2.5

 お尻はバッテリーライン上に残りがちで、身体を捻り出すスペースは充分に確保できていません。そういった意味では、カーブやフォーク投げるには適していないように思います。

 また「着地」までの粘りも充分とはいえないので、身体を捻り出す時間は不十分だと言えます。そのため今後も、武器になるほどの変化球を修得できるのかには微妙な気がします。

<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 グラブはしっかり内に抱えられているわけではないので、両サイドの投げ分けはアバウトです。足の甲の地面への押しつけも遅くは見えるのですが、ボールが低めに集まることも多いので間にあっているのかもしれません。「球持ち」はそれなりで、指先でボールを操れるタイプの選手ではないのでしょうか。

<故障のリスク> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻を落とせないフォームの割に、カーブやフォークも使います。それでも多くは投げないので、肘への負担は少ないのでは?腕の送り出しには無理は感じないので、肩への負担は少ないでしょう。けして力投派ではないので、疲労も溜めにくいと考えられます。

<実戦的な術> 
☆☆★ 2.5

 「着地」までの粘りがなく、打者としては合わせやすいはず。しかしそれでも身体の「開き」を抑えることができ、テイクバックも小さくすることで、打ちやすさを和らげています。

 長い腕は投げ終わったあと身体に絡むものの、あまり腕の振りには強く感じられません。この辺が、ボールを置きにゆくように見える要因か? これでは、打者の空振りを誘えるような球が投げられるかは微妙でしょう。またボールへの体重乗せは不十分なので、打者の手元までグッと迫ってくるような勢いや球威が感じられません。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の観点でいえば、「着地」と「体重移動」に課題を感じます。故障のリスクはそれほど感じられませんし、制球を司る動作も悪くはありません。しかし今後、武器になる変化球を修得したりできるかは、微妙だと言わざるえないでしょう。

(最後に)

 貴重な先発型左腕だけに、プロ側からの需要は高いだろう。ただし投球に訴えかけて来るものに欠けているので、上位指名候補かと言われると現時点では微妙だと評価しています。その辺の不安を、いかに最終学年での結果で納得させてゆけるかに懸かっている。ぜひ凄みはなくても、隙なしの投球で唸らせて欲しい。


(2017年 神宮大会)