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甲斐野 央(東洋大4年)投手の最終寸評へ



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甲斐野 央(東洋大4年)投手の春季寸評へ







甲斐野 央(東洋大3年)投手 187/76 右/左 (東洋大姫路出身) 
 




                     「今すぐローテーションに入れそう」





 スケール型の 梅津晃大 に対し、この 甲斐野央 は、まさに投球センスに優れた実戦型投手といった感じがする。多彩な変化球、投手としてのマウンド捌き、ボールの力を見ていても、今すぐプロでも先発入りできそうな力量の持ち主ではないのだろうか。


(投球内容)

手足の長い細身の投手体型で、少しテイクバックを小さめにして投げ込んできます。

ストレート 常時145キロ~MAX152キロ 
☆☆☆☆ 4.0

 秋のリーグ戦では、ほとんどの試合で最速150キロオーバーを記録。安定して、145キロ以上の球速を刻んできます。その球を両サイドに散らしつつ、球筋も真ん中近辺の高さに集まり、高めに抜ける球はあまり見られません。キレ型の球質のためか、高めに浮くと簡単に打ち返されてしまう球威ですが、ボールの質自体はキレがあって空振りが誘えます。

 気になるのは、少しセットになると制球が乱れるということ。この点に注意して投球すれば、大学生としてはトップクラスの投手です。

変化球 スライダー・ツーシーム・フォーク・カーブ 
☆☆☆☆ 4.0

 多彩な球種を、自在に操る器用なタイプ。速球とスライダーを軸に投球は組み立てるものの、緩いカーブで緩急をつけたり、ツーシームような球も織り交ぜます。また追い込むとフォークも結構確実に落としきますし、実に狙い球をどう絞ればよいか悩むタイプでしょう。スライダーのコマンドが若干不安定ですが、それ以外はかなり精度の高い変化球の担い手です。あくまでもストレートを見せ球にしておいての、変化球勝負。あるいは、変化球を魅せておいてのズバッとストレート勝負と、どっちの配球も可能です。

その他

 牽制が、非常に上手いです。本人も自信があるのでしょう、ランナーを出すと執拗に入れてきます。クィックも1.15秒前後と基準レベルですし、フィールディングも落ち着いて処理できています。運動神経に優れているというよりも、野球センスに優れたタイプといった感じがします。投球以外の部分にも、意識をもって取り組んできたことが伺えます。

(投球のまとめ)

 力と技がうまく噛み合った感じの投球であり、プロでも今すぐローテーションに加われる力があると評価します。今後最終学年で、さらに資質を伸ばすのか? それとも伸び代はこの辺が限界なのか? 見定める1年となりそうです。


(投球フォーム)

 ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。またテイクバックは小さめで、150キロ以上記録してもスケール感溢れる素材には見えません。

<広がる可能性> 
☆☆ 2.0

 引き上げた足は地面に向けて伸ばされており、お尻はバッテリーライン上に落ち気味。そのため身体を捻り出すスペースは十分んではなく、カーブやフォークを投げるには適したフォームとは言えません。

 「着地」の粘りも充分といった感じではないので、身体を捻り出す時間 という意味でも充分ではありません。そういった意味では、良い変化球を修得できるのか?という疑問は残ります。しかし実際には、多彩な変化球を織り交ぜ、うまく投球しているので気にしなくても良さそうです。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆ 4.0

 グラブは最後まで身体の近くにあり、両サイドの制球は安定しやすい。足の甲の押し付けでも地面を捉えており、ボールが浮き上がるのを防げている。「球持ち」は悪くないものの、もっとボールを押し込めるようになったら低めに安定して集められるのではないのでしょうか。特にセットになると、多少ボールが上吊るような印象は受けます。

<故障のリスク> 
☆☆★ 2.5

 お尻が落とせないフォームの割に、カーブやフォークを投げようとするので窮屈になり肘への負担は少なくないと考えられます。ただし腕の送り出し自体には無理は感じないので、肩への負担は少ないのでは。また力投派ではないので、疲労を貯めやすいタイプではなく、フォームを乱し故障の原因になるということも少なそうです。

<実戦的な術> 
☆☆☆ 3.0

 「着地」までの粘りがさほどないので、打者としては苦になく合わされそう。それでも身体の(開き」は抑えられているので、コースを間違えなければ、そう痛手は喰らわないかもしれません。

 長い腕は身体に絡むぐらい振れており、速球と変化球の見極めはつき難いはず。ボールにしっかり体重が乗り切る前にリリースを迎えているせいか? どうしても球質がキレ型で、打者の手元まで球威のある球が投げ込めません。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」だと「着地」「体重移動」に、もう少し粘りが欲しいことがわかりました。また「球持ち」自体は悪くないのですが、もう少しリリースでボールを押し込めるとさらに低めに集められそう。故障のリスクは、肘への負担が心配されます。今後ピッチングの幅を広げられるか?という疑問は残るのですが、現時点でも充分引き出せてるいるので、この辺は問題ないでしょう。


(最後に)

 現レベルの投球を最終学年も続けるだけで、ハズレ1位から2位ぐらいでは消える投手だと思います。更に内容を高めて来られれば、単独1位指名や即戦力候補として競合する域まで到達できるかもしれません。18年度は実戦派の大学生も少なくないのですが、そのなかでも技術的にはトップランク。さらに球速、体格、制球力を兼ね備えている稀な存在です。今年のドラフトにおいて、大学生では中心をなしてゆく存在になるのではないのでしょうか。


(2017年 明治神宮大会)