18dp-18
山本 晃希(23歳・日本製鐵かずさマジック)投手の 本当に凄いやつへ
山本 晃希(九州国際大4年)投手 182/82 右/右 (熊毛南出身) | |
4年春のリーグ戦では、開幕戦を任され147キロを記録し一躍ドラフト候補として注目された 山本 晃希 。実際生で見ていると、フォームの土台も良く、ビシッとした球質には高い将来性を感じさせる好投手だった。 (投球内容) ノーワインドアップから、勢いよく足を引き上げ、実にバランスとれたフォームから投げ込んできます。 ストレート 130キロ台中盤~140キロ ☆☆★ 2.5 観戦した試合では、ビシッとミットに突き刺さる勢いは感じられたものの、球速はドラフト候補としては物足りないものだった。開幕週では147キロを記録したということだが、私が観戦した試合ではMAXで140キロほど。2番手として登板したものの、あっけなく打たれてマウンドを降りてしまった。いくら球質が良いからといっても、右投手でこの球速だと正直辛い。 変化球 スライダー・ツーシームなど ☆☆☆ 3.0 スライダーのキレ自体はよく、この球でカウントを整えてくる。チェンジアップなのかツーシームかわからないのだが、ショート系で沈む球を持っている。しかし高めに浮いたところを、痛打されていた。あくまでも速球とスライダーのコンビネーションが、投球の基本という感じを受けた。 その他 クィックは、1.0秒~1.05秒ぐらいと素早く投げ込める。牽制もそれなりで、フィールディングの動きも悪くない。運動神経や、野球センスに優れた選手なのだろう。 (投球のまとめ) 観戦した試合が良くなかったのもあるのだろうが、シーズン通じてで 2勝0敗 防御率 2.81 と絶対的な成績ではなかった。そのため、全国レベルの相手だと通用するのか?という問題がある。特に四死球で自滅するというタイプには見えなかったが、ストライクゾーンの枠の中での制球力に課題を残すのではないのだろうか。チームメイトの 佐藤 卓実 のように、ポテンシャルで圧倒するという凄みのある素材ではなく、あくまでも正統派の好投手といったタイプ。それだけに大学からプロ入りを目指すならば、リーグ戦で無双して全国大会でアピールするぐらいの完成度がないと厳しい。 (投球フォーム) しかし誰がみても、いかにも筋が良さそうと感じさせるフォームには高い将来性を感じさせる。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 引き上げた足が地面に向けて伸ばしがちなので、お尻の一塁側への落としは甘くなっている。そのため身体を捻り出して投げるにはスペースは充分とは言えず、カーブやフォークといった球種を投げるのには適していない。 それでも「着地」までの粘りは適度に取れているので、カーブやフォークといった球種以外ならば、キレや曲がりの大きな変化球を習得できる可能性は秘めている。実際に、スライダーのキレは悪くない。 <ボールの支配> ☆☆☆☆ 4.0 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定しやすい。足の甲でも地面を捉えており、ボールは上吊り難いはず。また「球持ち」もよく、細かいコントロールもつきそう。しかしながら実際のところは、かなりストライクゾーンの枠の中ではアバウトなので、その辺の理由がよくわからない。たまたま、観戦した試合が悪かったのだろうか? <故障のリスク> ☆☆☆☆ 4.0 お尻の落としに甘さはあるものの、カーブやフォークなどの球種は滅多に投げないようなので悲観しなくても良いのでは。また腕の送り出しには無理がないので、肩へ負担も少ないと考えられる。まして力投派でもないので、疲労も溜め難いのではないかと。フォームに無理がなく、故障のリスクは低いと考えられる。 <実戦的な術> ☆☆☆☆ 4.0 「着地」までの粘りがあり身体の「開き」も抑えられているので、打者としては打ち難いフォームであるはず。それでも打たれてしまうのは、コントロールミスによるところが大きいということだろう。 振り下ろした腕はしっかり身体に絡んでくるので、フォームに勢いがあり空振りを誘いやすいはず。そしてボールにしっかり体重を乗せてからリリースができているので、球速以上に手元までボールが迫ってくる感じられる。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では大きな欠点はなく、むしろ全てに優れていると言えるであろう。故障のリスクも低めで、制球を司る動作にも優れている。しかし実際にはコントロールはアバウトであり、また投球の幅を今後広げて行けるかという問題も抱えている。土台となるフォームは素晴らしいが、動作ほど内容が伴ってこないでいる。 (最後に) 土台となるフォームは素晴らしく、投手としてのセンスも素晴らしい。そういった意味では、社会人などで大化けする可能性は高いのではないのだろうか。しかし現時点では、大学からプロといった絶対的なものはなく、社会人に進むことになりそうだ。将来性の高い素材だけに、秋のリーグ戦、そして進路先での今後の可能性など目の話せない選手ではないのだろうか。 (2018年 春季リーグ戦) |