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菅野 秀哉(法政大4年)投手の個別寸評へ








 菅野 秀哉(小高工業)投手 182/69 右/右
 




                 「こっちの方がドラフト候補っぽい」





 福島ではこの秋、大和田 啓亮(日大東北)右腕が話題になっていたが、来夏ぐらいにはこちらの 菅野 秀哉 の方が、ドラフト候補として注目されているのではないかと思っている。現時点では大和田に及ばないが、スラッとした投手体型と余力のある投球からは、まだまだ伸び代を秘めているように感じられる。


(投球内容)

 けして力でねじ伏せようとするのではなく、コースに丹念にボールを集め、打たせて取る投球に徹します。妙に脱力してくる部分もあり、打者としてはタイミングが計り難い部分があります。

ストレート 常時135~MAX140キロ

 現状驚くような球威・球速はありませんが、ボールの勢いはそれなりにあります。なにより、右打者外角一杯の微妙なところで勝負できるコントロールがあり、コースを突く制球力とそこで勝負できる投球術を持ち合わせます。

変化球 カーブ・スライダー・フォーク

 結構緩いカーブでカウントを稼いだりしますが、腕が緩んでカーブを狙い打たれるケースがもあります。主な変化球は、スライダーとのコンビネーション。これに、時々指にうまくかかると落差のあるフォークが決まります。一つ一つの球の精度が上がれば、コンビネーションも冴えて面白いことハマりそう。

その他

 微妙なところで勝負できる投球術、落ち着いたマウンド捌きにはセンスを感じます。ただフィールディングやクィックなどの動きを見ていると、まだまだ改善の余地があり、凄く野球センスが秀でているとか、運動神経に優れているという印象はありません。

(投球のまとめ)

 均整の取れた体格から、安定した制球力と落ち着いたマウンド捌き、速球・変化球レベルなども悪くありません。そういった意味では、バランスの取れた投球をしてきます。

 まだまだボールや体から凄みは感じられませんが、素材としては奥行きがあり、一冬越えてビシッとしてくるとドラフト候補として名前が浮上してくる可能性を感じます。この冬の間に、本人がどのぐらい志しを高く持って取り組めるかで、高校からプロに行けるのか決まってくるのではないのでしょうか。


(投球フォーム)

<広がる可能性> 
☆☆☆

 引き上げた足を比較的高い位置でピンと伸ばしているものの、やや二塁側に送り込み過ぎているので、お尻の一縷側への落としは甘くなっています。それでも適度に体を捻り出すスペースを確保できるので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球を投げるにも無理は感じません。

 「着地」までの粘りは平均的で、体を捻り出す時間も並ぐらい。特にどの球種を投げるのにも無理は感じませんが、キレのある変化球や武器になるほど大きな曲がりを望めるのかは微妙なところ。特に腕の振りがスリークオーターなので、カーブやフォークをきっちり投げるのは、難しいかもしれません。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆

 グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。足の甲の地面への押し付けが遅いせいか、充分に低めにボールを押し込められません。「球持ち」はよく、指先の感覚も悪くないので、将来的には精度の高いコントロールを身につけられる可能性は高そう。

<故障のリスク> 
☆☆☆☆

 お尻は落とせるので、カーブやフォークといった球種を投げても肘への負担は少ないのでは。腕の角度にも無理がないので、腕の送り出しもよく肩への負担も少ないはず。力投派でもないので、体の消耗も少なそうで故障の可能性は低そうだ。

<実戦的な術> 
☆☆

 「着地」までの粘りは平均的で、体の「開き」も並だろう。そういった意味では、特別合わせやすいフォームでもなければ、苦になるフォームでもない。

 振り下ろした腕は、手足が長い割には絡んで来ない。これは、まだまだ腕の振りが弱いからではないかと考えられる。またボールへの体重の乗せも充分ではなく、打者の手元まで球威のある球を投げられない要因ではないのだろうか。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」こそ良いが、「開き」と「着地」は並ぐらい。特に「体重移動」に課題を残している。

 それでもコントロールを司る動作や故障にし難いフォームであり、その点では素直に伸びて行ける可能性は感じられう。


(最後に)

 現状は、球威・球速を増してスケール型になるよりも、安定した制球・実戦的な投球などで勝負する実戦派としての成長が期待される。

 一冬越えてビシッとしてくるかで、ドラフト候補になり得るか決まってくるだろうが、その可能性は高いとみている。2014年度の福島、いや東北を代表する素材として、これからの飛躍を期待してやまない。


(2013年夏・福島大会)