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梅津 晃大(東洋大4年)投手の最終寸評へ



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梅津 晃大(東洋大4年)投手の春季寸評へ








梅津 晃大(東洋大3年)投手 187/77 右/右 (仙台育英出身) 





                     「一番気になる大学生」





 2018年度組の大学生のなかでも、一番気になる選手は?と訊かれたら、私は間違いなく 梅津 晃大 だと応えるだろう。そのぐらい私にとって、彼は魅力的な素材なのだ。


(どんな選手?)

 仙台育英時代から、プロから注目されていた素質の持ち主でした。不思議と全国大会での登板はなかったので、そのまま東洋大に進学。1年春に二部リーグながら、公式戦に登板。しかし以後、3年春のシーズンまで公式戦の登板は一切なし。しかし夏のオープン戦で153キロを記録し、3年秋のシーズンに公式戦に復帰。登板した4試合では、すべて150キロ台を計測。しかし国学院戦で怪我をしたため明治神宮での登板は回避され、またも全国大会の登板を果たせないまま最終学年を迎えようとしている。


(投球内容)

187センチの恵まれた体格を活かし、雄大なフォームから投げ込む本格派。

ストレート 145~152キロ 
☆☆☆☆ 4.0

 けして力を入れているわけでもないのに、コンスタントに145~150キロ強の球速を刻んでくる。またその球が、比較的低めに集まるところは良いところ。高めに抜けるというよりは、指にひっかかり過ぎてワンバウンドになる球が多い。ただし、左打者相手になるとコントロールがアバウトになると、セットポジションになると制球を乱し抜け球が増えることがある。

変化球 スライダー・フォーク・カットボールなど 
☆☆★ 2.5

 変化球は、スピードのある小さな変化が中心。特に沈む球は大きく落差があるというよりも、スプリットのような小さな沈み方をする球種で、それほど空振りを誘えない。変化球の精度・キレはもう一つで、どうしても速球に頼る依存度は高い。今後のことを考えると、いかに変化球でカウントを整え、変化球で仕留められる技量を磨けるかにかかっている。

その他

 クィックは、1.05秒前後と基準以上。牽制も鋭く、投球以外の技術が低いわけではない。ただしランナーを背負うと、制球を乱すなど投球に集中しきれなくなる部分があり、精神面に不安を感じなくはない。

(投球のまとめ)

高校・大学での実績は乏しく、あくまでも素材型の域は脱しられていない。ちなみにこの秋の成績は、

4試合 10回 6安 4四死 11奪 防 2.70

といった成績。この成績が示すとおり、ボールの威力は被安打が少なく上位。ランナーを背負うと制球を乱すように、状況に応じて制球が変わる。奪三振11個が示すとおり、イニングを上回るほどの決め手を持っている。

 資質があるのは間違いないので、問題は公式戦・それも注目される中で、いかに実績を残せるかだろう。平常時のボールは、素晴らしいものを持っているので。






(投球フォーム)

今度はフォームを分析して、今後の可能性と課題を考えてみたい。

<広がる可能性> 
☆☆★ 2.5

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻はバッテリーライン上に残ってしまいます。そのため身体を捻り出すスペースは充分確保できず、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球を投げるのには窮屈になりがち。

 また着地までの粘りは平凡で、身体を捻り出す時間も充分とは言えません。そのためカーブやフォークといった球種だけでなく、キレがあったり曲がり幅の大きな変化を期待し難いフォームだといえます。そのためカットボール・スプリットなどの小さく速い変化の方が適しているといえるでしょう。あとは、スライダーやチェンジアップをいかに上手く織り交ぜられるかではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 グラブは最後まで身体の近くに抱えられているのですが、最後後ろに解け気味。その分、両サイドの制球が多少ブレる可能性があります。また足の甲の押し付けが浅いので、ボールが上吊りやすいフォーム。これは、「球持ち」が良くボールを押し込むことができ、抜けるのを防ぎことはできています。繊細なコントロールがあるわけではありませんが、大まかに低めに集められる制球力はあるのではないのでしょうか。

<故障のリスク> 
☆☆☆ 3.0

 お尻が落とせず窮屈なのに、結構フォークを使って来るので肘への負担が大きいのが気になります。腕の送り出しには無理を感じないので、肩への負担は少なそうに見えるのですが。速球派ですが、それほど力投派ではないので消耗が激しいタイプではないと考えられます。肘を中心に、痛めないか注意を払う必要がありそうです。

<実戦的な術> 
☆☆☆ 3.0

 「着地までの粘りが充分とは言えないものの、身体の「開き」は抑えられており合わされやすいということはなさそう。球速相応の効果は、投球から期待できるのではないのでしょうか。

 腕はしっかり身体に絡み、空振りを誘いやすい勢いは感じます。ボールにも適度に体重は乗せてからリリースできており、打者の手元まで活きた球が投げられ空振りを誘えます。速くても簡単に打ち返される、そういったことはないのではないのでしょうか。


(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」までの粘りがもう一つ欲しいものの、後は大きな欠点はありません。本格派ですが、比較的実戦的なフォームにはなっています。

 故障のリスク・制球を司る動作もそれなりですが、今後投球の幅を広げて行けるのかという変化球に不安要素が。実際の投球もそこに課題がある投手だけに、気になる部分です。



(最後に)

 高校・大学と名門にいながら、不思議と全国大会に縁がないのは気になります。また高校時代もバリバリのエースだったわけでもないですし、リーグ戦での実績も乏しい。そういった意味では、最終学年でどのぐらいの実績が作れるのかではないのでしょうか?

 素材的には申し分ないものの、大学の4年間では才能が爆発できないで終わる可能性もあります。しかし怪我なく順調に行けば、大学からプロ入りする可能性は高いと見ています。またアピール次第では、いっきに1位指名で競合しても不思議ではない素材と期待しています。そうなることを期待して、春の訪れを待ちたいところです。



(2017年 秋季リーグ戦)