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山足 達也(オリックス)内野手のルーキー回顧へ







山足 達也(24歳・HONDA鈴鹿)遊撃 174/76 右/右 (大阪桐蔭-立命館大出身) 
 




                      「荻野貴司タイプだね」





 山足 達也 をどんな選手?と聞かれたら、ロッテの 荻野 貴司 タイプだと応えるだろう。快速を活かしたプレーが持ち味で、守備にもスピード感がある。荻野も、アマチュア時代は遊撃手だった。

 山足達也は、大阪桐蔭時代から注目してきた選手。むしろ立命館に進み、思ったほど伸びていないのを残念に思っていた。立命館4年時にも、自分はプロにゆくつもりなどサラサラありませんなんてプレーぶりだったのに、最終的には志望届けを提出していて驚いたのを覚えている。


走塁面:
☆☆☆☆★ 4.5 走塁偏差値 67

 一塁までの到達タイムは、右打席から4.0秒前後という快速ぶり。このタイムをドラフト指名された右打者のタイムで偏差値化すると、走塁偏差値は実に 67 という球界トップクラスの脚力があることがわかる。立命館在籍時にも、1シーズン10盗塁を記録するなど、足に関しては間違いなく一軍級だと言えよう。まだ走力に頼った走塁なので、相手の癖を見抜いたり、最初の一步目を磨く必要があるだろう。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 打球への一歩目の反応が鋭く、実にスピード感のある守備をする。また地肩もまずまずで、プロに混ぜても中の上ぐらいは期待できるだろう。ただしプレがー粗っぽい部分があるというか、ニ遊間を担うには軽率な部分もみられる。そういった意味では、プロで信頼される内野手というよりも、将来的には身体能力を活かしてセンターなどを担うことになるのかもしれない。





(打撃内容)

 オーバーフェンスするようなパンチ力はないが、野手の間を抜ける二塁打・三塁打の多い打者ではある。鋭い打球を打ち返すタイプだが、やや脆いというか粗い部分が見え隠れしている。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 前の足を大きく引いた、右のオープンスタンス。グリップの高さは平均的で、腰の据わり具合・全体のバランスには癖があるが、両眼で前を見据える姿勢は良い。錯覚を起こすことなく、的確に球筋を追うことができている。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がり始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。早めに動き出すアベレージヒッターが多く採用する仕掛けで、対応力を重視していることが伺われる。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を大きく引き上げて、真っ直ぐからベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」は充分とれているので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応しやすい。真っ直ぐ~アウトステップ気味に踏み出すということで、真ん中~内角寄りの球を意識していることが伺われる。

 踏み込んだ足元はインパクトの際にブレないので、アウトステップでも外角の高めの球にまでは対応できるのではないのでしょうか?ただし都市対抗などを見る限り、踏み込めないぶん外角の球を強く叩けていない気がします。

<リストワーク> 
☆☆★ 2.5

 バットを引くのが遅れ気味で、打撃の準備である「トップ」の形をしっかり作れないまま振り出すことが少なくありません。そのためどうしても、消化不良のスイングになりやすいわけです。バットの振り出しは、上からミートポイントに振り下ろす、インサイド・アウト。そのため真ん中~内角寄りの球を捌くのには適していますが、外の球をきっちり叩くのはどうでしょうか?

 特にインパクトの際に、バットの先端であるヘッドが下り気味。そのため打ち損じも多く、確実性が低いのも気になります。それでもスイングの弧は大きいので、しっかりタイミングが合いさえすればパンチの効いた打撃も期待できます。

<軸> 
☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げは結構大きいので、目線の上下動それなり。身体の開きは我慢できているが、軸足の安定感は並ぐらいでしょうか。

(打撃のまとめ)

 ちょっと脆いというか、粗い部分があります。それだけに打撃では、プロとなると見劣るのは否定できません。だからこその、8位指名なのではないのでしょうか。


(最後に)

 足という明確な武器があるので、これを全面に出してアピールしてゆくことになりそうです。ニ遊間を担う守備も他の選手の刺激にはなると思いますが、長い目で見ると首脳陣から信頼されないかもしれません。そのため身体能力を活かし、外野にコンバートされるのではないかとみています。

 あとは打撃の確実性が低いので、プロの指導・環境でどのぐらい高めて行けるのか?そういった欲が、いまいち物足りないできた選手なので、プロ入り後の伸びには不安があります。果たして目の色変えてプレーできるのか? むしろそうなった時にどんなプレーを魅せてくれるのかみてみたい気はします。残念ながら、☆ をつけるまでには至りませんでした。


(2017年 都市対抗)