17ky-36
難波 侑平(創志学園3年)内野 178/76 右/左 |
「何故内野手なのか?」 高校時代は、投手やレフトとして出場していた 難波 侑平 。 しかし日ハムは、彼を内野手として指名したのだという。一体何処に、彼の内野手としての可能性を感じたのか興味深い指名となった。 (守備・走塁面) 残念ながら一塁までの到達タイムを計測する機会がなかったので、正直よくわからない。試合を見ていると限りは、中の上ぐらいのかなという印象で、3年夏の岡山大会では6試合で2盗塁。下級生のときも含め4試合甲子園に出場しているが、盗塁を決めたことはない。50メートル5秒9の脚力ということで走力はあるのだろうが、現状は盗塁をバシバシ決めて来るタイプではない模様。今後野手に専念した時に、どのぐらいその能力が引き出されるか注目したい。 左翼手としては、あくまでも投げていない時にレフトを守っているという感じで特別なものは感じられなかった。フィールディングなどの反応は良いが、スローイングは慎重に投げることが多い。クィックは、1.0秒台と素早いので俊敏性は高いのだろう。その辺をみて内野手としての可能性と投手として140キロ台を投げられる強肩で、内野手として育ててみたいと考えたのではないのだろうか。ただしフィールディングの上手い内野手は他にもたくさんいて、そこまでして彼を選んだのは打撃に特別なものを感じたからではないかと思うのだ。 (打撃内容) 特徴は、柔らかいハンドリングと独特の「間」のとり方にあります。合わせるのが上手いタイプで、特に外角の球を上手く拾う印象があります。強打者というよりも、好打者タイプなのではないのでしょうか。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を少しだけ引いて、グリップを下げて構えます。腰はさほど深く据わっていませんが、背筋を伸ばし立てています。全体のバランスとしては並ですが、両眼では前を見据えられており錯覚を起こし難いはず。打席でもリラックスして立てているところは、良いところではないのでしょうか。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る段階から動き出す、「早めの仕掛け」を採用。速球や変化球など、スピードの変化には幅広く対応して来るアベレージヒッター。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げ長く空中でキープしながら、真っ直ぐ踏み出してきます。この「間」のとり方が独特で、非凡なコンタクトを可能にしているものと思われます。真っ直ぐ踏み出して来るように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元も、かかとを地面にめり込ませて、「開き」を抑えることができています。 ただし気になるのは、腰が早く逃げるタイプで外の球をちょこんと合わせるのは上手いものの、強く叩け無い腰の入らないスイングをどうみるかということ。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」は早く作れているものの、振り出しの際に肘が落ちてしまうのが気になります。そのためバットの軌道も少し遠回りに出てくるので、内角の球をキレイに捌けるわけではないということ。外の球を当てるのは上手いですが強く叩け無い、内角の球にはキレイにバットが抜けて来ない。こうなると非凡なミートセンスがあっても、打てる球は限られてしまうのではないかという疑問は残ります。ハンドリング自体は柔らかいので、柔軟性のある打撃は期待できるのですが・・・。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 目線の上下動は並ぐらいですが、身体の開きを我慢して、軸足にも粘りが感じられます。この辺は、外の球を上手く拾ってレフト方向に打ち返すという、彼の最も得意な打撃を可能性にしている原動力ではないのでしょうか。 (打撃のまとめ) 独特の「間」の良さと柔らかいリストワークを活かし、ボールに当てるに優れた好打者です。その一方で、外の球を強く叩け無い、内角の球に対しキレイに振り抜けない今のスイングで通用するのか? という疑問も残ります。この辺を育成力のある日ハムが、どのように導くか興味深いものがあります。 (最後に) 守備も走力も、そこまで図抜けているのか? 合わせるのは上手いものの、強く叩け無いスイングで、木製バットを使いプロの球に対応できるのか? この辺は、日ハムのスカウトの眼と育成力が問われる指名ではないのでしょうか。ちょっと見た感じでは、高校からプロというほどのインパクトはなかったのですが、将来彼がどのような存在感を示すのか個人的には大変興味があります。しかし私個人としては、今が「旬」だとは判断できなかったので指名見送りの評価とさせて頂きます。 (2017年 選抜大会) |