17ky-35
砂川 リチャード(沖縄尚学3年)三塁 188/104 右/右 |
「思ったより癖がない」 残念ながら試合では確認できず、走力・守備力はよくわからず。打撃の映像だけは見られたので、その部分に焦点をあてて考えてみたいと思います。いずれにしてもこの選手、パワフルな打撃を評価されてのプロ入りだと考えられます。 (守備・走塁面) 元々は一塁などを務めていたらしいのですが、最終学年ではサードにチャレンジ。上手いかは別にして、地肩は強いとのこと。プロでは、一塁やレフトあたりを担うことになるのではないのでしょうか?走力に関しては正直評判を訊いたことがありませんので、足でアピールするとか、そういった選手ではないのでしょう。 (打撃内容) 身体の強さを活かし、レフト方向~センターへの打球がほとんどのように見えます。状況に合わせて右方向にということは現在はない感じ。しかし最後の夏の映像などを見ていると、外野フライが目立ち打球に角度をつけられるようになっているのかもしれません。スイングを見る限りは、強く振り切る感じで上手く乗せて運ぶ感じではないのですが。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前足を引いて、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わり具合、全体のバランス、両目で前を見据える姿勢なども悪くありません。パワフルな強打者ですが、けして打席で力みがないところは好いところ。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下る時にツマ先立ちして、リリース直前に動き出す「遅すぎる仕掛け」。ここまで遅いタイミングでの始動は、日本人の筋力・ヘッドスピードでは扱うのが難しいのだが、米国人を父に持つハーフ選手だけに、この部分は他の選手よりは気にしなくても好いのかもしれない。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を少しだけ浮かせて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がとれないので、狙い球を絞ってそれを逃さない「鋭さ」がそれだけ求められます。変化球に脆いというのも、この打ち方が強く影響しているものと思われます。 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、外に逃げて行く球や低めの球にも食らいつけそう。そのため意識次第では、右方向への打撃も苦にはならないと考えられる。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち後れないようにしています。バットの振り出しは、けしてしなりを活かしたようなスイングではなく、むしろ真ん中~内角寄りの球を巻き込むのに優れたタイプかと。そのためインパクトまでは、思ったほどはロスはありません。 インパクト後も、凄くスイングの弧が大きいとか、フォロースルーを上手く使えているという感じではありません。ボールの下を叩いて角度をつけるのは下手ではありませんが、まだまだ腕っ節の力で打っている印象は否めません。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さく、目線の上下動は少なく錯覚を起こすことなく球筋を追えます。身体の開きも我慢できているのですが、ステップが少し狭いせいか? 軸足が少し窮屈に感じます。打撃に幅がないのは、こういうところからも伺えます。 (打撃のまとめ) 思ったよりもスイング軌道に癖はないですし、身体の開きも抑えられています。しかしボールとの距離感を図ったり、タイミングを合わせることが下手で、この辺を根本的にプロの指導で改善できるかにかかっているのではないのでしょうか。 (最後に) 実際にちゃんと見られた選手ではないので、評価付けはできません。しかし守備・走塁でのアピールに乏しく、打撃でも確実性に欠ける部分があり、ソフトバンクの指導でどのぐらい改善できるのか注目です。結構このチームは、こういった大砲を育成などで獲得しているものの、今のところ成果はあげられていないのが現状。果たして彼が、その先駆者になれるのか見守りたいと思います。 |