17ky-3


 




安田 尚憲(履正社3年)三塁手の最終寸評へ







安田 尚憲(履正社3年)三塁手の選抜寸評へ







安田 尚憲(履正社2年)三塁 188/92 右/左 





                       「西のNO.1」





 2016年秋の時点では、東の清宮幸太郎・西の安田尚憲 と称される、西日本屈指のスラッガー。果たして、清宮幸太郎 と比べて、西の怪物はいかなるものなのか考えてみたい。


(ここに注目!)

 清宮ほど打撃に柔らかさは感じられないものの、長短打ち分ける強打と捉えた時の打球には目を見張るものがある。特に打席に立った時の威圧感は、清宮のそれよりも明らかに迫力のある身体付きをしている。

走塁面:
☆☆ 2.0

 実際あまりまともに走っているところを見たことがないのですが、計測した時は左打席から4.5秒弱ぐらい。プロでドラフト指名される左打者の平均は、4.1秒ぐらい。指名の目安は、4.2秒以内の基準となります。もちろん彼のような強打者は、もう少しハードルが下がりますが、走力に関しては期待できないでしょうというレベル。

守備面:
☆☆★ 2.5

 春季の近畿大会で生で見た時は、動きは危なっかしい割には無難になんとか捌いているという印象がありました。守備範囲・反応、フットワークなどはけして良いとは言えませんが、キャッチング・スローイングはなんとかいうレベルでしょう。現時点では中の下レベルのサードですが、来夏までには平均的なレベルぐらいまでには引き上げて欲しいものです。肩も、それほど目立って強いわけではありません。

(打撃内容)

見ていると、固いというよりも動作全体が 窮屈 に感じられます。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合、全体のバランスもよく、両目で前を見据える姿勢は並ぐらいでしょうか。適度にリストのあたりを動かし揺らいで、全体的に固く力まないように心がけています。バランスの取れた、良い構えではないのでしょうか。

<仕掛け> 平均~遅め

 投手の重心が下がりきった底のあたりから、少し前に移動する段階で動き出します。全体的には「平均~遅め」の中間ぐらいでしょうか。中距離~長距離の中間ぐらいで、中長距離打者 という感じの打者なのかもしれません。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を軽く上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。緩いカーブでも、しっかり引きつけて打てていました。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプかと。

 素晴らしいのは、踏み出した足元がブレないこと。これにより外角の逃げてゆく球や、低めの球にも開きを我慢して見極めたり、食らいつくことができます。この選手の良さ1つに、ボールを見極める「眼」の良さがあるように感じます。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」を作るまでは、自然体で力みがないのは良いところ。しかしバットを引くのが遅れがちで、速い球やキレのある球にワンテンポ差し込まれやすい。またバットの振り出しの際に、けしてインサイド・アウトではなく外の球をきっちり叩くスイング軌道。それ自体悪いことではないのだが、真ん中~内角寄りの球に対しては、ボールとの距離感が図れずに バットが出てこなく 窮屈に 見えてしまうということ。実際中々、内の球には綺麗にバットが抜けて来ません。

 強打者の宿命なのですが、ボールの下に潜らせるようなインパクトなので打ち損じも多くなりがち。スイングの弧やフォローまで実に大きく取れているのが特徴でしょうか。確率は低いですが、上手くタイミングが合えば遠くに飛ばせる打ち方です。打球も強いですし、その精度を夏までに高めて行って欲しいものです。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は平均的。身体の開きは我慢でき、軸足の内モモの筋肉の発達がハッキリとわかります。強烈な打球を放つ、大きな原動力になっています。打ったあとに、軸足が前にツッコミがちなので、身体がツッコミやすかったり、打ち終わったあとのバランスの悪さを感じます。

(打撃のまとめ)

 けして 固いとか脆い という感じではないのですが、真ん中~内角にかけて窮屈で、綺麗にバットが抜けて行かないイメージがあります。今後ボールとの距離感を、上手くとって行けるのかが課題ではないのでしょうか。

 清宮に比べると、安定して打てるコンタクト能力は劣っている気がします。清宮が外角を苦手にしているのに対し、この安田は内角が苦手な印象です。しかし打撃の基本である外角の打ち方はしっかりしていますし、素材としての「眼」の良さにも良いものを持っているのは明るい材料ではないのでしょうか。


(最後に)

 現時点では、清宮に比べると全体的にワンランク・ツーランク完成度の部分で劣っています。しかしそれが将来に向けて劣っているとは言い切れず、夏までの成長次第では近いレベルまで近づけるかもしれません。

 特に打席に入る時の足場の馴らし方などを見ていると、清宮は実に淡白。しかし安田の方は、軸足の部分をしっかり掘って足場を固めてから打席に入っています。こういった自分の打撃に対する深いこだわりを見ていると、清宮よりも安田の方が上のレベルへの貪欲さはあるのかと思える部分はあります。これから二人の力関係が、どのように変化してゆくのか楽しみではあります。とりあえずこれからも、追いかけてみたい選手でした。


(2016年秋 神宮大会)