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増田 珠(横浜3年)中堅手の最終寸評へ







増田 珠(横浜3年)中堅手の春季大会寸評へ







増田 珠(横浜2年)中堅手 180/79 右/右 
 




                       「まるで内川聖一」





 増田 珠 ってどんな選手? と訊かれたら、私はこう答えるだろう。広角に打ち返す打撃が持ち味で、大分工業時代の内川聖一を彷彿とさせると。内川は高校時代大型ショートだったが、プロでは外野手として素質を開花。この増田は、中学時代は投手だった。2016年度のドラフト戦線においては左の強打者が目立つなか、この増田は貴重な右野手の筆頭に位置する。


(ここに注目!)

 とにかく普段はニコニコしながら感情豊にプレーをする選手でありながら、気合を全面に出す泥臭さも持っている。野球が好きで好きでたまらないという選手らしく、渡辺元智監督(前横浜高校監督)が練習を控えろと止めても練習し続け、1年秋には疲労骨折してしまったという逸話もあるぐらい。有り余る才能に奢ることなく、自分を高めようとする意識の高さこそ、この選手の最大の魅力ではないのだろうか。 「好きこそものの上手なれ」 というのは、まさに彼のためにあるような言葉なのかもしれない。

走塁面: 
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの到達タイムは、右打席から4.45~4.50秒ぐらい。これを左打者に換算すると、4.2秒~4.25秒ぐらいと際立つものはない(もう少し速く走れる可能性も)。しかし一塁側に飛んだファールフライの際に、野手の捕球体勢に無理があると判断すると、すかさず二塁ベースを陥れるなど相手の隙を突く状況に応じた走塁センスには観るべきものがある。上のレベルで盗塁をバシバシ決める選手になるかは微妙だが、常に高い集中力と次のプレーを想定して挑んでいるので、実戦に即した走塁がキラリと光る場面が期待できるだろう。

守備面: 
☆☆☆☆ 4.0

 物凄く守備範囲が広い印象はないものの、打球への一歩目の反応の良さ、落下点までの狂いのない目測、送球しやすい捕球体勢を意識してのキャッチングなど、安心して観ていられる部分がある。高校生としては上位のレベルにあり、この辺は今すぐファームに混ぜても違和感はないのではないのだろうか。

 元々投手をしていた選手であり、秋の大会でも投手としてもマウンドに上っていた。球速は135~後半ぐらいに見えたが、肘の使い方が上手く、実に回転の好いボールを投げてこんでくる。ホームへの返球も鋭く、この強肩ぶりが生きていた。まだ肩が強くなる年齢だけに、更に強肩に磨きがかかる可能性を秘めている。


(打撃内容)

 ライトスタンドにもホームランを打ち込めるように、広角に打ち返す中距離ヒッター。将来的には、1番もしくは、3番、6番あたりを担う打者になるのではないのだろうか。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えている。腰の据わり、全体のバランスもよいのですが、若干両目で前を見据える姿勢は一ニ塁間よりのクロス気味な印象を受けます。これは、意識がセンターから右方向中心に持っているからかもしれません。打撃での集中力を感じますし、特に固いような力みも感じられません。

<仕掛け> 平均的な仕掛け

 追い込まれるまでは、投手の重心が沈みきった底のあたりで始動する「平均的な仕掛け」を採用。これは、ある程度の長打力と確実性をバランスよく兼ね備えた中距離打者やポイントゲッターに多く観られる打ち方です。現在のチームでの立場やプレースタイルからも、高校生の間はこのタイミングで良いのではないかと思います。将来的には、若干始動を早めてよりアベレージヒッターの傾向が強くすることになるかもしれませんが。始動は、一年前に打撃分析をした時は「遅めの仕掛け」だったので、早めていることがわかります。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を引き上げて回し込み、ベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこ取れており、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。ベース側に踏み込むように、外角に意識があるのがわかります。そして踏み込んだ足元はブレないので、外角逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。踏み込む分、内角が窮屈になる弊害もありますが。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、ボールを呼び込む時に力みがないのは良いところ。しかし秋の慶應戦あたりを見ていると、少しバットを引くのが遅く差し込まれやすくなっていたのは気になりました。

 振り出しも、けしてインサイドアウトというよりも外の球をきっちり叩こうというスタイルに変わりつつあるのかもしれません。踏み込んでいるのもあると思うのですが、内角寄りの球を上手く捌けない印象を受けます。あくまでもそのゾーンを捨てて、外の球を確実に叩くことに重点を置いている可能性があります。

 ボールを捉える時は、バットの先端であるヘッドが下ることなく広い面でインパクト。それだけ打ち損じの少ない、高い確率でフェアゾーンにボールが飛んでゆくはずです。ボールを捉えてからは、スイングの弧が大きいとか、フォロースルーを効かせるというタイプではなく、鋭く振り切ることを意識しているようです。

<軸> 
☆☆☆ 3.0

 昨年よりも足の上げ下げがある分、目線の動きは大きくなったように感じます。どうしても自分から、ボールに向かってゆく傾向があり、ボールを引きつけきれていない感じがします。前でボールを捉えるようにしているかもしれませんが、打撃を崩しやすいスタイルです。

 踏み込んだ足元はブレず開きは我慢できていますが、身体が少しツッコミ気味なので軸足は以前ほどは安定していませんでした。手元で引きつけて、叩けていないということなのでしょう。

(打撃のまとめ)

 「トップ」の作りが遅れないこと、身体が突っ込まないことを意識しつつ、もう少し内角への対応もできるようだと、いよいよ隙は無くなりそうです。現時点では、物凄くヘッドスピードが速いとか、飛距離が出るというタイプではありません。あくまでもボールを捉える感覚に優れた選手、そういった印象を受けます。しかしこの部分が打者の基本ですから、そこを大事にしつつ、少しずつ修正を加えてパワーアップして行ければ良いのではないのでしょうか。

 意識の高い選手なので、いろいろ試行錯誤して自分のしっくり来る形を見つけて行って欲しいものです。


(最後に)

 この選手の良さは、野球への姿勢と感性の良さにあると思います。ですから目に見えて何かが凄いとかそういう部分よりも、この感性を損なわないようにしながら、自分を高めて行けることが理想です。きっと特に細かいことを指導などしなくても、自分の形を見つけ出す嗅覚と努力できる才能を持っているのではないかと思います。

 あとは、練習し過ぎで故障しないことでしょうね。身体で納得するまで覚え込ませることも大事ですが、相手を観る、他人を真似るなど、観る・考える力も同時に養っていって欲しいと思います。あまりこういった感性の高い選手に理屈は言いたくないので、静かにその成長を見守りたいものです。素直にレベルアップして行ければ、2位前後の指名でのプロ入りも夢ではないとすでに思っています。


(2016年 秋季神奈川大会)









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