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峯村 貴希(日本大4年)遊撃手の寸評へ







峯村 貴希(木更津総合3年)遊撃 186/82 右/左 





 「大学タイプかな」





 1年秋の神宮大会で活躍し、将来を嘱望された 峯村 貴希 。2年時は伸び悩んだが、今春の春季大会では復調の気配を魅せていた。迎えた大型ショートの、最後の夏を振り返った。

走塁面: 
☆☆☆★ 3.5 走塁偏差値 53

 左打席からの一塁到達タイムは、速いときで4.1秒前後。これをドラフト指名された左打者のタイムで偏差値化すると、53 程度。この夏の千葉予選では、7試合で4盗塁を決めるなど、その走力以上に盗塁を決められる技術、走る勇気は持っていそう。将来的に足を武器にして行けるかは微妙だが、大型でもけして動けない選手ではない。

守備力:
☆☆☆★ 3.5

 186センチで手足の長い体型で、グランドにいると非常に見栄えがする。大型ゆえに多少動きが緩い部分はあるものの、打球への反応、キャッチング・スローイングともに基準レベルはあり、スローイングも安定していて地肩も平均以上のものを持っている。

 走塁も守備も、中~中の上レベルにはあり、突き抜けてはいないがまずまずの選手だと言えよう。


(打撃内容)

 時々目の醒めるような鋭い打球を飛ばしたり、スタンドインさせるパンチ力もある。ただし打撃に関しては、確実性に乏しく一皮むけて欲しいものの、それができないまま3年間終わってしまった気がする。そのため見る試合によってデキにも波があるのだが、夏の千葉予選では打率.240厘。甲子園でも、5打数1安打で終わって充分アピールするまでには至らなかった。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり、両目で前を見据える姿勢、全体のバランスとそこそこで、際立つものはないが悪いところはない。

<仕掛け> 遅すぎ

 一度ベース側につま先立ちして、本格的に動き出すのはリリーフ直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。これだと日本人の筋力・ヘッドスピードだと、木製バットではプロレベルの打者に対応するのは厳しくなる。若干始動を早めて、動作に余裕を持ちたい。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、どうしても 点 の打撃になってしまいます。狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」がより求められます。

 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、逃げてゆく球や低めの球には食らいつくことができます。長い腕を活かして、低めの球を上手く拾えます。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 あらかじめ、打撃の準備である「トップ」に近い位置にグリップがあります。しかし「トップ」自体をしっかり作り出してから打ちに行けない選手なので、消化不良のスイングが多くなりがち。バットの振り出し自体は、上からミートポイントまで振り下ろして来るインサイドアウトのスイング軌道。特に真ん中~内角寄りの球を引っ張るのに適しており、ボールを捉える時もバットの先端であるヘッドが下がらず、捉えた球は的確にフェアゾーンに落とします。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足も内モモの筋肉に強さを感じさせ、細身でも鋭い打球を実現しています。

(打撃のまとめ)

 始動が遅すぎることと「トップ」がしっかり作れないことが、確実性を残っている原因かと。しっかり「間」が作れないスイングなので、自分に合う投手か打てず、相手に上手く合わせることが下手なのでしょう。

 その反面、上半身の使い方は上手くキレイなスイングができています。しなりを活かしたスイングができるタイプではないのですが、通常の選手よりも腕が長いぶん肘をうまく使うことの方が大切なタイプかも。別の言い方をすれば、この形でも甘めの外角あたりならば対応できるのではないかとも思われます。タイミングさえあえば、打ち損じも少なく鋭い打球も飛ばせる選手なので。



(最後に)

 守備・走塁は中の上ぐらいなものの、打撃がドラフト候補としては中の下という感じで現状志望届けを出しても厳しいという印象を受けています。大学などに進んで、守備・走塁の精度を高めつつ、打撃の欠点を補って欲しいものです。持っている資質自体は、けして悪い選手ではありません。上手く導けば、面白い存在になりえるのではないかと思います。期待して、今後も追いかけてゆきたい大型内野手でした。


(2017年夏 甲子園)



 








峯村 貴希(木更津総合3年)遊撃 184/75 右/左 
 




「思ったより悪くない」 





 1年秋の神宮大会で活躍し注目された 峯村 貴希 。しかし2年生になってからは、その期待値ほどの活躍は見られず、やや伸び悩んだ感は否めなかった。しかし最終学年となったこの春、かなり良い感じに復調してきたのではないかと思えてきた。

走塁面: 
☆☆☆ 3.0

 残念ながらこの春観戦した試合では、一塁までの到達タイムは計れず。しかし下級生の時に計ったときは、左打席から4.1秒前後で走り抜けるなど、左打者としてはプロの基準レベルぐらいの脚力があることがわかる。プロで足を売りにするほどの脚力があるとは思わないが、184センチの大型内野手の割には動ける身体能力を持っている。

守備面: 
☆☆☆ 3.0

 大型故にあまりスピード感や細かい動きができる感じはしないものの、キャッチング・スローイングなどに大きな不安は感じられず無難にこなしていたように見えます。以前はテイクバックをしっかりとって投げられない欠点もあったのですが、それほど違和感はなくなりつつあります。プロの遊撃手としては少々厳しいとは思うものの、二塁・三塁あたりならばこなせる身体能力・守備力はあるのではないのでしょうか。地肩も基準レベルはありますし、高校生の遊撃手としても水準以上のレベルにはあります。

(打撃内容)

 観戦した3打席では、ライトライナー、一二塁間を抜けるヒット、センター前へはじき返すヒットなど、いずれもバットの芯に近い位置でボールを捉えることができていました。元々柔軟性がある打撃で、どの方向にも打ち返す幅のある打撃ができます。上手くタイミングがあえば、スタンドまで叩き込めるリストの強さも持っています。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり、両目で前を見据える姿勢、全体のバランスとよくとれた構え。下級生の時に比べると、スッと隙無しの良い構えになりつつあります。

<仕掛け> 平均

 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、平均的な始動。これは、ある程度の確実性と長打力を程よく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く観られるタイミング。彼のプレースタイルにも、よく合っているように感じます。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を軽く上げて、まっすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。まっすぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたいタイプ。踏み込んだ足元はインパクトの際にもブレないので、外角に逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、けして速い球に立ち遅れてはいません。バットの振り出しもインサイドアウトではないものの、外の球を叩く際には大きなロスは感じられません。インパクトの際にも、バットの先端であるヘッドも下がらないので、幅広い面でボールを捉えることができています。けしてフォロースルーが取れているとか、大きな弧を描いてボールを遠くに運ぶようなスイングではないのですが。的確に芯で捉え、しっかりした打球をはじき返すタイプなのでしょう。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げそれほど大きくはなく、上下動も並ぐらい。体の開きも我慢できており、軸足の形も崩れないで回転できています。比較的調子の波の少ない、安定した打撃が期待できそうです。

(打撃のまとめ)

 特に物凄くボールを飛ばすとか、目の覚めるような強烈な打球を飛ばすということはありません。しかしバットの芯でボールを射抜くミートポイントの確かさがあり、その点では高く評価できます。けして悪い選手ではないですし、ひ弱さは感じられないものの、高校からプロに入るというほどの凄みが感じられないのも確かです。


(最後に)

 守備も走塁も、ドラフト候補としては中~中の上レベルでも、プロの世界では並ぐらいで埋もれてしまう危険性があります。また自慢の打撃も、ボールを捉えるセンスには優れているものの、飛距離や打球の迫力という意味では凄みは感じられません。そういった意味では、何か売りになるほどのものがプロであるのかと言われると微妙。そのため高校からのプロ入りというよりも、有力・名門大学などに進んで、野球を続けてゆく選手ではないかと感じます。しかし見栄えのする大型遊撃手だけに、夏まで追いかけて最終判断を下したいと思います。数少ない、ドラフト候補になり得る遊撃手でした。


蔵の評価:
追跡級!


(2017年 春季千葉大会)










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