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古屋敷 匠眞(法政大3年)投手の本当に凄いやつへ








古屋敷 匠眞(八戸工大一2年)投手 178/73 右/左 





 「意外にオーソドックスな投手だった」





 旧チームから注目されてきた投手で、17年度の東北を代表する速球派の一人。MAXもこの秋には147キロまで到達したというが、その見た目は想像以上にオーソドックスな投手だった。


(投球内容)

 夏の青森大会、大湊戦の模様を見た。小雨降り続く中での登板で、元来の投球に比べると少し地味だったのかもしれない。

ストレート 常時135キロ前後~MAX139キロ 
☆☆★ 2.5

 現状驚くほどの球速、手元でグ~ンと伸びるとかピュッと切れる特徴もなく、球威もずば抜けているとか何か特徴がある球を投げ込んでくるわけではない。球筋も全体的に高く、真ん中~高めのゾーンに集まりやすい。ただし来夏ぐらいまでには、常時140キロ前後~中盤ぐらいまでは出せるようになりそうという期待は持てる。

変化球 スライダー・カーブ、フォーク? 
☆☆★ 2.5

 小さく横滑りするスライダーを中心に、結構緩いカーブも織り交ぜてくる。その他にも、何やら沈む球をたまに投げてくる。この球が何なのかはよくわからない。変化球でカウントを稼ぐことはできるが、まだ相手を仕留めきるほどの決め球は持ち合わせていない。

その他

 走者を背負うと、牽制は結構入れてくる。しかしそれほどターンも鋭くなく、上手いとはいえない。またフィールディングも、ちょっとおっかなびっくりやっている感じで上手いという感じはしない。クィックは、1.05秒で投げ込めるので、この点は平均以上ではないのだろうか。

(投球のまとめ)

 フォーム、持ち球、ボールの威力なども現時点では、平凡な投手という感じはします。特に投球術に優れているとか、「間」をうまく使うとか、そういった野球センスも感じられない。コントロールもアバウトであり、まだ発展途上の投手という感じ。





(投球フォーム)

今後の可能性を考える上でも、フォームを分析してみたい。

<広がる可能性> 
☆☆☆ 3.0

 引き上げた足は比較的高い位置でピンと伸ばされており、甘さは残すもののお尻の一塁側への落とせてはいる。そういった意味では、身体を捻り出すスペースはそれなりに確保できている。すなわちカーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球を投げるのにも、それほど無理はないだろう。

 「着地」までの粘りも平均的で、身体を捻り出す時間は並。そのためキレがあったり、曲がりの大きな変化を望めるかというと微妙であり、球種はいろいろ投げられても武器になる球を見出だせるていけるか?

<ボールの支配> ☆☆★ 2.5

 グラブは抱えられてはいるが、後ろに解け気味なのは気になるところ。充分に外に逃げようとする遠心力を、内に抑え込めているかは微妙だろう。そのため両サイドの制球にも、狂いが生じてしまう。

 また足の甲での地面への押しつけが、完全に地面から浮いてしまっている。これだと力を入れて投げるとボールが上吊ってしまう。彼の球が、高めに多いのはこのせいだと考えられる。また「球持ち」も平均的で、手元で狂いを調整できるほどでもない。


<故障のリスク> 
☆☆☆☆ 4.0

 お尻がある程度落とせるフォームなので、カーブやフォークといった球種を投げても、肘への負担は少ないだろう。腕の送り出しにも無理はなく、肩への負担も少なめ。そういった意味では、故障のリスクは低いフォームではないかと考えられる。

<実戦的な術> 
☆☆ 2.0

 「着地」までの粘りは並なので、合わされやすいわけでも打ち難いわけであもない。しかし身体の「開き」は早いので、コースを突いたような球でも打ち返されやすい。

 また「球持ち」が浅いのか? 腕の振りが弱いからなのか? 投げ終わったあと身体に腕が絡んで来ない。これでは、変化球は振ってくれず三振を奪い難い。ボールへの体重の乗せも充分とはいえず、それほど手元までのボールの勢いにも特徴はない。


(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に「開き」と「球持ち」に課題があるように感じる。故障のリスクが低いのは推せる材料だが、コントロールを司る動作が悪いのが気になる材料。


(最後に)

 来夏までには、140キロ台中盤を連発できる可能性は秘めている。しかしながら実戦的なフォーム、変化球、制球力と課題が多く、実戦力が備わった投手になれるのには疑問が残る。あくまでもドラフト候補の一人ではあるが、指名レベルまで行けるのかは現状微妙だと言わざるえないだろう。一冬越えての、劇的な変化に期待してみたい。


(2016年夏 青森大会)