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丸山 和郁(明治大3年)中堅手の本当に凄いやつへ







丸山 和郁(前橋育英3年)中堅 170/69 左/左 





 「こんなに足が速いなんて」





 選抜までは、左腕からキレのある140キロ前後のボールを投げ込む投手としてマークされていた 丸山 和郁 。 まさか、野手としてもここまでの才能の持ち主だと思わなかった。夏は故障などもあり、投手としては充分なアピールができる状態にはなかった。果たして今後、どちらの才能を活かすことになるのだろうか? 


走塁面:
☆☆☆☆ 4.0 走塁偏差値 59

 一塁までの到達タイムは、速い時で左打席3.95秒前後を記録。これをドラフト指名された左打者のタイムで偏差値化すると 59 にあたいする。プロ野球選手の中でも、上位20%以内入るような俊足選手であることがわかる。

 その走力以上に、出塁とすかさず盗塁を試みる積極性が光る。この夏の甲子園では、わずか3試合で8盗塁を決めるなど、この活躍が認められU18の日本代表メンバーに選出。走力以上の走塁技術で、上のレベルでも足を武器にして行ける選手だろう。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 この走力を活かし、守備範囲は非常に広い。ただし打球への追い方、キャッチングなどは、まだまだ不安定な部分もあり、守備自体が上手いのかには疑問が残る部分も。地肩は選抜の時点で140キロ前後投げられた投手なので、さすがに高校生としては上位の送球。守備に関しては、身体能力的にはプロでも充分やって行けるが、技術的にはこれからといった印象を受ける。ちなみに中学時代は、ショートを守ったりもしていたというだけあって、野球センスに優れた選手なのだろう。


(打撃内容)

 打球自体は強いので、けしてひ弱な印象は受けない。ただしまだ打てる球などが限られているので、弱いとか脆いとかいった感じがする。打撃に関しては、上のレベルでも少し苦労するかもしれない。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは高めに添えられている。腰の据わりは悪くないが、両目で前を見据える姿勢、全体のバランスとしては並ぐらい。

<仕掛け> 遅すぎ

 一度つま先立ちして、リリース直前に動き出す「遅すぎる仕掛け」。どうしても。今後日本人の筋力やヘッドスピードを考えると、このタイミングではプロレベルの球に対応するのは厳しいのことを考えると、若干始動を早めて動作に余裕をもたせることになりそう。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 足を小さく引き上げて、真っ直ぐ踏み出して来る。始動~着地までの「間」が短いので、どうしても 点 の打撃になってしまう。それだけ狙い球を絞り、逃さず叩くことが求められる。

 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも対応したい幅広いタイプ。踏み込んだ足元はなんとか我慢できており、。逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことはできている。そういった低めの球に対する、膝の柔らかさは持っている。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、けして立ち遅れてはいない。振り出しはインサイドアウトの軌道で、上からミートポイントまでキレイに振り下ろしてくる。そういった意味では、真ん中~内角寄りの球を引っ張るのには適している。

 インパクトの際には、バットの先端であるヘッドも下がらないので、広い面でボールを捉えられフェアゾーンに飛びやすい。今後木製バットを握ったときに、もう少し遠心力を活かしたスイングじゃないと、外角の球には苦労するかもしれない。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。球筋を錯覚起こすことなく、追うことができている。体の開きもなんとか我慢できており、軸足にも内ももに強さが感じられる。打球の強さは、この部分の筋力によるところが大きい。調子の波は、比較的小さな選手なのではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 小柄だが、打球は鋭くひ弱さは感じない。ただし外角を中心に、脆さというか弱さがあり、その辺が上のレベルを考えるとまだ物足りない。仮にプロに入っても、始動の遅さなどもあり、打撃では苦労することが予想される。


(最後に)

 上のレベルでも足を売りにして行ける可能性を秘めており、その点では高く評価したい。特に走れる勇気を持った選手であり、盗塁をするということに関しては、全国でも指折りの存在であるはず。

 あとは、大学など社会人で、守備の精度を高めつつ、上のレベルで通用する打撃を磨くべきではないのだろうか。個人的にはまだ「旬」ではないと評価しているが、投手としても社会人あたりならば活躍しても不思議ではない素材。将来的に、どちらの才能が秀でてくるのか楽しみである。


(2017年夏 甲子園)


 








丸山 和郁(前橋育英3年)投手 170/69 左/左 





 「ストレートは面白い」




 
 昨夏の甲子園でも、キレの良い球を投げていた 丸山 和郁 。一冬越えて、140キロ台中盤まで球速を伸ばしてきたと大会前から話題になっていた。その噂に違わず、選抜の舞台でもMAX144キロまで叩き出して見せた。そのキレの良い速球は、ドラフトを意識できるものを持っている。


(投球内容)
 
普段はセンターを守るなど、攻守に高い資質を持った選手。秋までは、リリーフ中心にチームでは起用されていた。しかしこの春は、エースの 吉沢 悠(3年)が故障していたため、先発でマウンドにのぼることになる。

ストレート 常時130キロ台後半~MAX144キロ 
☆☆☆ 3.0

 打者の手元でピュッと切れるストレートは、常時140キキロ前後を記録する。140キロ台中盤まで記録することは滅多にないが、左腕らしい小気味の良いピッチング。それほど細かいコントロールはないものの、ストライクゾーンの枠の中にはポンポンと集められ、テンポ良く投げ込んでくる。

変化球 スライダー・チェンジアップ・カーブなど 
☆☆ 2.0

 基本的には、横滑りするスライダーとのコンビネーション。この球と速球で投球を組み立てて来るが、それほど打者の空振りを誘うとか、活かし方が上手く討ち取るのが上手いわけでもない。その他にも緩いカーブやチェンジアップ系のボールもあるが、投球における割合は低い。速球がドラフト候補に相応しいものがある一方で、変化球はドラフト候補としては物足りない。

その他

 クィックは、1.1秒~1.15秒ぐらいとそれなり。普段は野手をしているので、フィールディングなどの動きは良い。しかし左腕ながら見分けの難しい牽制を入れるとか、そういった姿は見られない。

(投球のまとめ)

 先発というものをやって来なかった選手なので、速球とスライダーのコンビネーションという単純なピッチングスタイル。そのため間合いを意識するとか、ボール球を振らせるとかそういった奥深い投球ができるわけではない。あくまでも現在は、勢いのある球を中心に組み立てるという単純なもの。上のレベルでは、リリーフという形しか見えて来ない。





(投球フォーム)

 では今後球種を増やすなどして、投球の幅を広げて行けるか考えてみよう。

<広がる可能性> 
☆☆☆★ 3.5

 引き上げた足をかなり二塁側に送りこんで来るので、お尻の三塁側(左投手の場合は)の落としには甘さが残る。そのためお尻が落とせていないわけではないが、充分身体を捻り出すスペースを確保できているかと言われれば微妙。

 「着地」までの粘りはそれなりで、身体を捻り出す時間はそこそこ。現状は、いろいろな球を投げてピッチングの幅を広げて行ける可能性はあるものの、どれも中途半端な曲がりやキレで留まる可能性も否定できない。そのため球種を増やせるものの、決め手に欠ける投手になるかもしれない。

<ボールの支配> 
☆☆☆★ 3.5

 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドへ投げ分けはつけやすい。足の甲での押しつけは充分ではないので、力を入れて投げてしまうと、ボールが真ん中~高めに浮きやすくなっている。思ったよりも前でボールを放せており、「球持ち」は悪い選手ではない。もう少し指先まで意識が持てると、もっと細かなコントロールもつきそうだ。

<故障のリスク> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻は甘さは残すものの落とせているので、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種も投げられないことはないだろう。実際にはスライダーが投球のほとんどなので、肘への負担は少ないと考えられる。

 腕の送り出しは思ったより角度はあるものの、肩に負担がかかるほどではない。またそれほど力投派でもないので、疲れも溜まり難いタイプではないのだろうか。

<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りはそれなりで、打者は合わせやすいわけでもないだろう。身体の「開き」も抑えられており、甘く入らなければ痛手は食らい難いはず。あとは、アバウトなコントロールだけに、投げミスに気をつけたい。

 気になるのは、振り下ろした腕が身体に絡んで来ないこと。そのため腕の振りに勢いがなく、打者の空振りが誘い難い。これがもっと身体に絡んで来るような、粘り強さが出て来ると投球の淡白さも薄れるかもしれない。
ボールへの体重の乗せは悪くなく、ある程度乗せてからリリースできている。これも更に良くなれば、キレだけでなく球威が出て来るはずだ。

(フォームのまとめ)

 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、どれも大きな欠点がないかわりに、極めて優れている部分もない。故障のリスクも、制球を司る動作もそこそこで、大きな欠点は見当たらない。そのかわり、特別優れている部分もない。


(最後に)

 本格的に投手に専念してきた経験が浅いせいなのか? 元のフォームは悪くないのだが、各動作に甘さが残っている。逆に言えば、そこに伸びしろを残しており、今後の改善も充分見込めるということ。

 まだまだ投球に奥深さはないものの、けしてセンスが悪いとか不器用な選手には見えない。この部分も投手に専念してゆけば、埋めて行ける部分。

 
 ただし170センチそこそこの小柄な左腕であり、高校からプロに入るほどの絶対的なものがあるかと訊かれると疑問が残る。このままゆくと大学や社会人に進んでプロ入りを目指すという、ワンクッション置いてからという判断になる可能性が高い。大学でも社会人でも、比較的短時間で一線で出てきそうな投手ではあるのだが。夏までに更に大きな成長が見込めれば、高校からのプロ入りがないとは言い切れないだろう。


蔵の印象:
追跡級!


(2017年 選抜)