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竹田 祐(25歳・三菱重工West)投手 184/90 右/右 (履正社-明治大出身) | |
昨年は、有力な指名候補とされていたものの指名漏れした 竹田 祐 。あれから一年、今度は一転してドラフト1位で指名されるまでの評価を得た。一体どのへんが変わって評価されたのか? 考えてみた。 (投球内容) 日本選手権までの一年間の成績は、76回1/3 50安 20四死 64三 防 1.65 と、なかなかの数字を残している。 ストレート 常時145キロ前後~150キロ ☆☆☆★ 3.5 ボール自体は、非常にボールに強さが出てきて、昨年よりもズシッとし球威が増してきているように思えます。ただし、元々「開き」が早く、合わされすいフォーム。それも、時々ゾーン内で甘く入る球があり、その球が痛打され失点を繋がる部分は、まだまだ充分に改善できているとは言えません。それでも、被安打率は 65.5%(目安は80%以下)と、社会人でも高い数字を残しています。四死球率も 26.2%(目安は、33.3%以下)と、コントロールで自滅する危うさもありません。 変化球 スライダー・カット・カーブ・フォーク・ツーシームなど ☆☆☆★ 3.5 都市対抗では、140キロ前後のカットボールでカウントを整えていた印象ですが、秋の日本選手権ではスライダーでカウントを整えていました。また落差はさほどではないのですが、スプリットのような落差の少ないフォークを多く見せて、低めを意識させることができています。1イニングあたりの奪三振は 0.84個(目安は先発だと0.8個以上)と基準を満たすほどの三振は奪えていました。それでも、縦の変化は見極められることが多く、空振りを奪えるといった感じはしません。また、ツーシームのような140キロ前後で食い込んでくるボールも投げており、右打者への踏み込みを封じる働きがあります。 その他 クィックは、1.1秒前後のものと、状況に応じて1.2秒前後のものを使い分けている感じはします。牽制は非常に鋭いターンで投げることができ、走者の進塁を防ぐ働きがあります。巧みな投球術や微妙な出し入れができるといった投球術ではないのですが、多彩な球種を織り交ぜ相手に的を絞らせない投球はできていました。 (投球のまとめ) 上記にも記したように、合わされやすいフォームであり、かつ時々ゾーン内で甘く入ることがあります。その球を打ち損じられることなく痛打され、それがそのまま失点に絡むケースが少なくありません。そのため、ある程度の失点はしながらも、なんとか責任投球回数を全うするというのが、この投手の投球スタイルなのかもしれません。社会人レベルでも、防御率1.65 と安定しており、絶対的ではないにしろゲームメイクできる能力は持っています。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さはそれなり。軸足一本で立った時に、以前は膝から上がピンと伸び切って力みが感じられたものの、今は適度に余裕を持って立てている。そのため、全体的にバランスを適度に保って立てるようになってきた。 <広がる可能性> ☆☆★ 2.5 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻の一塁側への落としは甘さが残す。身体を捻り出すスペースは充分とは言えないものの、カーブやフォークといった球を投げられないほどではない。ただし、そういった球の変化は鈍くなりやすい。 「着地」までの地面の捉えも平凡で、身体を捻り出す時間は並ぐらい。こうなると、曲がりの大きな変化球よりも、球速のある小さな変化を中心に投球の幅を広げてゆくことになるのではないのだろうか。 <ボールの支配> ☆☆☆☆ 4.0 グラブは最後まで内で抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。したがって軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすい。足の甲での地面の捉えは良くなり、浮き上がろうとする力を抑えられるようになってきた。「球持ち」の良さもあり、低めへゆく機会も増えてきている。ただし、時々投げミスがあり、それがそのまま失点に絡むことが多い。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としには甘さを残すものの、極端というほどではない。それでも、縦の変化を多く混ぜてくるピッチングスタイルなので、肘などへのケアは充分に注意して欲しいところ。 腕の送り出しを見る限り、肩への負担などは少なめ。腕も振れているが、力投派というほどではないので、疲労を溜めやすいといったほどでは無さそうだ。以前よりも力んで投げなくなった分、身体への負担も減ったように思われる。 <実戦的な術> ☆☆★ 2.5 「着地」までの粘りは平均的で、打者としてはタイミングが図り難いフォームではないだろう。ただし、ランナーがいない時には、ゆったりしたモーションでなかなかすぐには体重を落として来ないので、その辺で多少幻惑はできている。ただしそれでも、身体の開きは早く、コースを突いたような球でも打ち返されてしまうケースは少なく無さそうだ。 腕は強く振れて勢いは感じられるものの、開きが早いことで打者は吊られ難い。ボールにも体重を乗せてからリリースできているように見えるのだが、重心が一塁側に流れたりしがちで、まだリリースまで作り出したエネルギーを上手く伝えられていないことが多い。その証に、地面を強く蹴り上げることができていない。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」以外の部分では課題を抱えている。軸足一本で立ったときのバランスが良くなったり、足の甲で地面を捉えられるようになったことで、高めに集まりやすい球筋には改善の跡が観られる。故障のリスクは、縦の変化を多く織り交ぜるので不安は感じなくはない。武器になる変化球を見出すというよりも、多彩な球種とのコンビネーションで相手に的を絞らせない、そういった投球に活路を見出しつつあるようだ。欠点が完全に払拭されているわけではないが、制球を中心に改善の跡は感じられた。 (最後に) 確かに、昨年比べると良くなってきている部分も少なくない。しかし、NPBの一軍でバリバリの戦力になれるかは微妙な感じがする。それでも、長く険しいシーズンでも戦って行けそうな体力や精神力はありそうな選手であり、まさに1年目から勝負といった感じがします。一軍のローテーションに入り込めるかは、他の投手との競争との兼ね合いであり、現状は先発候補の一人といった位置づけではないのでしょうか。そこを勝ち抜ければ、5勝前後を望めるかもしれませんが、一位指名というのがプレッシャーにならなければいいのですが ・・・ 。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年 日本選手権) |
竹田 祐(24歳・三菱重工West)投手 184/90 右/右 (履正社-明治大出身) | |
今年の候補の中でも、試合を壊さず作れるという意味では屈指のものがあるのではないかと思える 竹田 祐 。社会人・京都大会では、その健在ぶりが確認できた。 (投球内容) 今年になってからの登板では、27回 25安 20三 防 1.00 といった内容で、安定感は相変わらず。先発した試合では、いずれも1失点で終盤まで試合を作り完投している。 ストレート 常時140キロ前後~140キロ台中盤 ☆☆☆ 3.0 昨秋の日本選手権では、スピード表示が出やすい大阪ドームということもあり、コンスタントに145キロ前後~150キロ台前半を叩き出していた。しかし、その時に比べると、、球速のみならずボールの勢いでも劣る感じした。真っすぐで圧倒する迫力というのはさほどなく、時々高めに甘く入った球を打ち返されるケースも観られた。27イニングで25安打を打たれているように、けして相手を圧倒するほどの球威の持ち主ではなく、よほど出力を上げた時ではないと、力で押しきる投球はは観られない。その辺が、上位候補としては物足りなさを残す。 変化球 カット・カーブ・スプリットなど ☆☆☆★ 3.5 むしろこの投手は、多彩な変化球を織り交ぜて、コンビネーションで打ち取るタイプ。ただし、三振をバシバシ奪うような、絶対的な決め球があるわけではない。カットボールに、時々緩いカーブで緩急を利かせつつ、小さく沈むチェンジアップのようなスプリットを織り交ぜ絞らせない。 その他 クィックは、1.05~1.15秒とそれなりといった感じで、昨秋は0.9秒台の高速クィックも観られたほど。牽制も鋭い選手ですし、ランナーが出ればじっくりボールを持つなど、そういった投球術やセンスの持ち主ではあります。 (まとめ) 昨秋の日本選手権が10だとすれば、まだ7,8分といった内容。それでも抑えられるのはさすがだといった感じだが、ここから都市対抗に向けて出力がワンランク状態を引き上げられるかだろう。この京都大会の投球を観る限り、明大時代とあまり変わっていないといった感じだった。昨秋感じさせてくれた、社会人になって強さが増したといった投球ができるかどうかが、上位指名になるかの分かれ目ではないのだろうか。この試合の内容だけでいえば、上位指名としては、やや物足りなさも残った。大舞台での、爆発に期待したい。フォーム分析などは、オフシーズンの寸評で行っているので、今回は割愛させて頂きたい。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2023年 JABA京都大会) |
竹田 祐(23歳・三菱重工West)投手 184/80 右/右 (履正社-明治大出身) | |
昨年のアマチュアシーズン終了の時点で、高校生から全てのカテゴリーの選手の中でも、この 竹田 祐 が、最もプロで即戦力になりうる投手ではないかと思うのだ。その理由について、今回は考えてみた。 (投球内容) 明大時代は、チームの主戦として、通算 11勝5敗 防 2.54 の実績を残した選手でした。ただし、その投球からはプロの匂いはしなく、社会人に進むことになります。しかし、その頃に比べると、全ての総合力が引き上げられてきた印象。22年度の公式戦成績は、60回1/3 45安 14四死 49三 防 2.09 といった安定した内容でした。 ストレート 145キロ~152キロ ☆☆☆☆ 4.0 球速的には安定して145キロを越えててくる感じで、打者の手元までの勢いや強さも感じられ、大学時代よりも存在感のある真っ直ぐを投げ込めるようになってきました。そのため、投球全体も力で押す傾向が強くなってきたように思います。ストライクゾーンの枠の中で甘く入ったり、シュート回転する時があるのは気になるものの、被安打率は 74.6% と、基準を満たすものがあります。実際は、開きが早いのか? <ボールの割に簡単に打ち返されるという印象は残りましたが。また四死球率も 23.32%(基準は33.3%以下)なので、無駄な四死球を出すほどは悪くありません。 変化球 カットボール・スプリット・カーブ ☆☆☆★ 3.5 カットボールなのかスライダーなのか? 小さく横にズレる135キロ前後の球でカウントを整えます。また、110キロ台のカーブのような球も使ってきますが、多くは使ってきません。140キロ前後の高速で沈むフォークだかスプリット系の球があります。この球が日本選手権のエネオス戦では、高い確率でストライクゾーンからボールゾーンに落ちていましたし、打者も手を出して空振りを誘えていました。速球も含めて、絶対的な球があるわけではないのですが、上手くコンビネーションの中に変化球が溶け込んでいました。ちなみに三振は、60回1/3イニングで49三振ということで、1イニングあたりの奪三振は 0.81個 。先発投手としては、基準を満たす三振は奪えていました。 その他 クィックは、0.95~1.15秒ぐらいとバラツキがあるのですが、これは意図的に投げるタイミングを変えているのではないのでしょうか? 牽制も適度に鋭いですし、走者を背負うとじっくりボールを持つなど、そういった「間」を意識した投球術も持ち合わています。 (投球のまとめ) しっかり意図した配球が組み立てられるだけの、制球力・投球術・ボールの力がすでにあります。観ていると「大人の投球」といった感じで、プロのローテーション投手を観ているようです。22年度に先発した9試合では、全て3点以内に抑え試合を作るなど、安定したパフォーマンスを魅せていました。まさにプロでも、1年目から先発の一角としてやって行ける投手ではないかと考えられます。 (投球フォーム) 今度は、フォームの観点から、傾向や今後の可能性について考えて行きます。ノーワインドアップから、足を引き上げる勢いや高さはまずまず。軸足一本で立ったときに、膝がピンと伸びがちであまり余裕はないものの、全体ではバランス良く立てている。 <広がる可能性> ☆☆★ 2.5 軸足一本で立ったときに、少し前に倒れ込むような感じで重心を沈めて来るので、お尻はバッテリーライン上に落ちてしまっている。したがって体を捻り出すスペースが確保できず、カーブやフォークといった球種には適さない。 前に少しステップができてはいるものの、「着地」までの地面の捉えは充分とは言えない。したがって体を捻り出す時間は充分には確保できず、大きな曲がりよりも、球速のある小さな変化で投球の幅を広げてゆくことになるのではないのだろうか。 <ボールの支配> ☆☆☆★ 3.5 グラブは最後まで内に抱えることができ、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。そのため軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすい。しかし、足の甲での地面の捉えが浅いので、力を入れて投げるとボールが上吊りやすかったり、高めに集まりやすい。それでも「球持ち」が良く前で放すことができており、そこでボールを制御できている。したがって、指先の感覚は悪く無さそうだった。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻が落とせないので、カーブやフォークなどを捻り出して投げる球種は窮屈になって肘への負担が大きい。ブレーキの効いたカーブのような球や縦に落ちる球も使ってくるのだが、カーブは頻度が少なく、縦の変化は握りの浅いスプリット気味で、その負担はそこまで大きくはないのではないかと考えている。 腕の送り出しを見る限り、肩への負担は少なそう。むしろ以前よりも、力で押す機会が増えており、結構疲労を溜めやすいフォームになってきているのかもしれない。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りが平均的でそれほど苦になるフォームではなく、ボールの出どころも早く見えている。打者が苦になく捉えられているな感じるのは、「開き」の早さに原因がありそうだ。 腕は強く振れていて、体にも絡んで来る。しかし、「開き」が早いことで、打者としてはあまり吊られない。ボールには適度に体重を乗せられており、打者の手元までの勢いや強さは悪くない。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」や「開き」に課題があり、「球持ち」には良さがある。制球を司る動作は、足の甲の甘さからボールが上吊りやすいこと。お尻の落としが不十分なことからの、肘への負担が気になる材料だが、両方ともそこまで深刻ではない。また将来的に武器になるほどの変化球を習得できるかは微妙だが、高速で小さく沈むスプリットは効果的で、この辺もあまり気にしなくても良さそうだ。 (最後に) 実際のパフォーマンスは、今年のアマチュア球界の中でも屈指の完成度を誇っている。その反面、フォーム的にはまだ甘い部分もみられる。その辺も考慮しながら、プロで本当に活躍できるのか? 見極める1年となりそうだ。 (2022年 日本選手権) |
竹田 祐(履正社3年)投手 182/83 右/右 | |
明治神宮大会の頃と比べても、竹田 祐 は、それほど変わっていなかった。神宮大会組の中では、ひと冬越えてボールが変わってくればドラフト候補になりえるかと期待していただけに、少々残念な気にはなる。それでも秋のチャンピオンチームの主戦であり、この選抜でもチームを準優勝まだ導いた。 (投球内容) 地面に足を向けて突っ立つような感じで立ち、そこから前に倒れ込むようにしながら滑りだして来る外人投手のような身体の使い方。 ストレート 常時135キロ前後~MAX141キロ ☆☆★ 2.5 神宮大会でも選抜の日大三戦でも、記録した最速は141キロと秋と変わらず。特に一冬越えて、ボールの勢い・質に大きな変化は見られなかった。それでも球速以上に感じさせる手元での伸びがあり、両サイドに投げ分けて来る確かなコマンド力は健在。この辺が、チームを全国大会上位に進出させた原動力になっている。若干秋よりは、ボールが真ん中~低めにゆく球も増えてきた。 変化球 スライダー・フォーク・カーブ ☆☆☆★ 3.5 竹田の良さは、むしろ速球よりも変化球にある。曲がりながら沈むスライダーを低めに集め、しっかりカウントを整えてきたり勝負球にも使える。それより緩いカーブをたまに織り交ぜ、フォークのような沈む球も持っている。しかしこれらの球は、まだ投球において大きなウエートは占めていない。あくまでスライダーを、両サイドや低めに集めることができ、そこにこの投手の最大の良さがあるのではないのだろうか。 その他 クィックは1.1~1.2秒ぐらいと平均的。牽制は適度に鋭く、フィールディングの動きも良い。こういった投球以外の部分もしっかりこなせるところに、彼のセンスの高さとさすが強豪校のエースという自覚を感じる。 (投球のまとめ) 安定したコントロールを背景に、確かな投球術も併せ持つ。目に見えての大きな成長は見られなかったが、地道に冬場のトレーニングを積んでいれば、それが違う時期に爆発することはよくあること。速球とスライダー中心の配球でも、それが単調に感じさせないボールの活かし方を知っている投手。ドラフト候補とは言えないが、名門大学や社会人で、野球を続けて行ける選手ではないのだろうか。 (投球フォーム) <広がる可能性> ☆☆★ 2.5 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は一塁側に落ちません。そのため身体を捻り出すスペースは確保されず、カーブで緩急をつけたり、フォークのような身体を捻り出して投げる球種には適さない投げ方です。 地面に着きそうなところから、ある程度前に足を逃がすことができ、「着地」のタイミングは平均的。そういった意味では、身体を捻り出す時間は適度に確保されている。将来的にカーブやフォークといった球種以外ならば、もっとモノにできる可能性を秘めている。 <ボールの支配> ☆☆☆☆★ 4.5 グラブは最後まで身体の近くにあり、両サイドの投げ分けは安定しやすい。足の甲の押し付けも地面を捉えており、ボールは高めに抜け難くなってきている。さらに「球持ち」も良いので、細かいコントロールもつけやすいはず。フォームも直線的な外人投げなので、制球を狂わす要素は極めて少ない。しいて言えば、リリースでもう少しボールを押し込めるようになると、低めにもっと球が集まるのではないのだろうか。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻が落とせないフォームの割に、カーブやフォークを多く織り交ぜて来る。そのため、肘への負担は少くはないはず。 腕の送り出しには無理がなく、肩への負担は少ないのではないのだろうか? フォームも力投派ではないので、疲労は貯めにくい。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的な上、フォームが直線的で合わされやすいのが懸念される。さらに「開き」が早いフォームなので、コースを突いても打ち返される危険性は高い。縦の変化などを見極められてしまうのも、このボールが見やすいのが原因ではないのだろうか。 振り下ろした腕は身体に絡み、速球と変化球の見極めはつき難い。ボールにはしっかり体重を乗せてからリリースはできており、打者の手元まで生きた球は投げられている。 (フォームのまとめ) 投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に「開き」に大きな問題を抱えている。その一方で「球持ち」に関しては、非常に優れている。肘を痛めやすいフォームではあるが、コントロールを司る動作には優れている。 (最後に) 履正社の選手は、ここ数年JR東日本など社会人に進むケースが目立っている。彼のような完成度が高い投手は、高校からでも社会人でやって行ける可能性を秘めている。そこで実戦的な投球に磨きをかけたり、大きく資質を伸ばせる可能性もあるかもしれない。いずれにしても高校からプロという選手ではないと思うが、トップクラスのアマチュアチームで野球を続けて行ける素材ではないのだろうか。 (2017年 選抜) |