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岩見 雅紀(慶応大4年)左翼手最終寸評へ







岩見 雅紀(慶応大4年)左翼手春季寸評へ







 岩見 雅紀(慶応大3年)左翼 187/110 右/右 (比叡山出身)
 




                   「飛ぶことは飛ぶが」





 当たった時の飛距離は、17年度の候補の中でも指折りだという 岩見 雅紀 。3年時の1年間で、春4本・秋3本の計7本のホームランを叩き込んでいる。それでいて打率.318厘と.345厘をマークしており、ある程度確実性も兼ね備えた長距離砲として評価されている。ただ飛ばせるだけの選手はいるが、コンタクト能力も兼ね備えたスラッガーはなかなかいない。

(守備・走塁面)

 一塁までの塁間は、右打席から4.65秒前後。これを左打者に換算しても、4.4秒前後と相当遅い。三桁の体重が示すとおり、走力は正直期待できない。

 その走力の無さから、守備範囲も狭い。またキャッチング含めてもイマイチ。プロの左翼としても厳しく、一塁かDH要員ではないのだろうか。地肩も基準以下であり、この守備力の無さは走力以上に深刻な問題。


(打撃内容)

 自慢の打撃でも気になるのは、根本的にスイングにキレがないということ。大学生レベルならば打ち返せるが、これがプロレベルの投手の球速、キレにどこまで通用するのかには疑問が残る。そのためドラフト級の素材と対峙した時に、どんな打撃を見せるのか注目してゆきたい。

<構え> 
☆☆★ 2.5

 前足を軽く引いて、グリップは下げて構えます。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスともう一つ。打席でリラックスして構えられているところは、良いところではないのでしょうか。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がり始めてから動き出す、「早めの仕掛け」を採用。より確実性を重視したスタイルで、アベレージ打者に多く観られる仕掛けです。本質的にスラッガーがどうかは、もう少し見極めてみる必要がありそう。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分とれており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも捌きたい万能タイプ。

 気になるのは、外角の球を捌くときは早めに地面を離れてしまうこと。それでいて、内角の球を捌くときは足元がブレないで我慢できているという、全く逆の動作をしている点。早めに開いてしまうと、外角に逃げてゆく球や低めへの対応は厳しくなる。逆に内角は、早めに足元を解放してあげて身体が抜けるのを促す必要があるのだ。その点で、この選手の下半身の使い方には疑問が残る。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」を早めに作ることはできているので、速い球への準備はできている。バットの振り出しはインサイド・アウトではないので、内角の捌きは窮屈。しかし外角の球に対しては、バットの先端であるヘッドも下がらず打ち損じの少ないインパクトができている。スイングの弧が大きいとか、フォロースルーを取れているとかそういった後押しはなく、腕力でかっ飛ばしている印象が強い。

<軸> 
☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げはあるが、目線の上下動は少なめ。むしろ身体の開きが我慢仕切れないのと、振り終わったあと軸足の形が崩れてしまい、打撃の波が激しいタイプかもしれません。

(打撃のまとめ)

 まともに捉えれば飛ばせる圧倒的な能力があり、それでいて当てる能力も低くはありません。しかし上記にも述べた通り、スイングにキレがないこと。また仕掛け、スイングの形、軸足の内モモの強さなどを観ていても、けして天性のスラッガーには疑問が残ります。

(最後に)

 最近のトレンドは、走力や守備力に目をつむってでも打力のある和製大砲候補を評価し、育ててゆこうという機運は高まっています。しかしそのために必要な技量を、無視しても良いわけではありません。

 まずスイングがプロのそれではまだないこと、また横尾俊建(慶大-日ハム)の場合、三塁はきっちり守れる守備力がありました。横尾よりもより飛ばし屋の傾向が強い素材ではありますが、今のままでは厳しいと判断せざるえません。守備・走力はともかく、
プロで通用するだけの、スイングのキレ生み出せるようになれるのか? そこが、チェックポイントではないのでしょうか。


(2016年・秋季リーグ戦)