17dy-17
広畑 塁(立正大4年)捕手 177/72 右/左 (東海大五出身) |
「ほとんど出てない」 チームには、大学日本代表のメンバーの小畑 尋規(トヨタ自動車入社)が同学年にいたため、4年間出場でわずか3試合試合のみ。たまたま社会人とのオープン戦の模様が動画に上がっていたり、高校時代のスローイング映像があったりと部分的な情報があっただけだった。ドラフト指名されたのは、巨人の入団テストに合格したからだという。 (ディフェンス面) フットワークの身軽さと、インテリジェンス評価されての指名だという。高校時代の映像を見る限り、捕ってから投げるまでにワンクッションあり2.1秒台ぐらいかかっていた。大学時の送球時の映像もあったが、二塁手がしっかりボールを収めたところが切れていたので、おおよそ2秒前後といった感じ。送球に関してはA級という感じではないが、とりあえず基準レベルは満たしているという判断なのだろう。 (打撃内容) 見た感じでは、左の好打者タイプという印象を受けた。 <構え> ☆☆☆ 3.0 左オープンスタンスで構え、グリップは下げ気味。腰の据わり・全体のバランスは並ぐらいだが、両眼で前をしっかり見据えられている。両眼で前を見据える必要性は、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができるから。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が沈み込んだ底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者やポイントゲッターに多く観られるタイミング。 <足の運び> ? 足を引き上げて、真っ直ぐからベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこあり、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐから少しアウトステップ気味踏み出すということは、内角寄りに意識があることがわかる。 踏み込んだ足元がインパクトの際に見えなかったので、実際「開き」を我慢できているかはわかりません。ただし他の打席や素振りの時を観ている限りは、つま先が閉じる意識を持てているので、「開き」は抑えられているようには見えます。もし抑えられていれば、外に逃げる球でも真ん中~高めの高さならば食らいつけるでしょう。しかし低めはアウトステップ気味なので、少しつらいかもしれません。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、リストワークに力みがないところは好いところ。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトという感じではありませんが、外角の球を捉えるのにはロスはありません。アウトステップするのは、内角のボールをさばくときにボールとの距離が欲しいタイプのため、空間を確保するために行っている可能性があります。 バットの先端であるヘッドは少し下がり気味な感じがするので、思ったほど得意なはずのアウトコースも拾えきれず打ち損じが多いのかもしれません。気持ちヘッドを立てる意識が持てると、もっと確実性が増すのではないのでしょうか。 <軸> ? 足の上げ下げはありますが、目線の上下動はそれほど激しくはありません。身体の開きは我慢できているかわかりませんが、スイングの映像を見る限りは軸足の形が崩れがちなのが気になりました。安定した打撃という意味では、どうなのでしょうか? (打撃のまとめ) 上半身の使い方にはさほど癖がない感じですが、それを受け止める下半身がどうだったのかはよくわかりませんでした。ただし打撃は、かなり弱いのではないかと思われます。大学でも4年間でも2打席程度ですし、高校時代も最後の夏は9番で1試合スタメン出場してたのみだったそうですから。 (最後に) 例えテストはとはいえ、かなり厳しそうな選手を獲ったなというのが率直な感想。ディフェンスがそれなりできそうなので、そこを評価しての指名なのでしょう。果たしてアマ時代の実績がほとんどない選手が、プロでどのぐらいの成績を残すのか注目したいです。残念ながら実際のプレーを確認できたわけではないので、評価付けはできないことをご了承くださいませ。 |