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宮本 丈(奈良学園大4年)遊撃手の個別寸評へ







 宮本 丈(奈良学園大3年)遊撃 181/79 右/左 (履正社出身)
 




                       「大学NO.1野手」






 2017年度の大学NO.1野手は誰ですか? と訊かれたら、私は迷うことなく 宮本 丈 の名前をあげるであろう。好守・強打の内野手で、上位指名を意識できる、数少ないニ遊間候補だ。


(ここに注目!)

 プロでニ遊間を任せられる素材なのか? ステップの小さな打撃は、プロでも通用するのか? その観点でこの一年間観てゆきたい。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの塁間は、左打席から4.05秒前後。これは、プロに混ぜると中の上レベルの脚力。出塁すれば、積極的に盗塁も仕掛けるが、プロに混ぜるとそこまで突出しているのかは微妙ではないのだろうか。

守備面:
☆☆☆☆ 4.0

 打球への一歩目の反応も鋭く、それでいて丁寧にボールを扱うという意識も感じられます。地肩も強く安定感があり、上のレベルでもニ遊間を意識できる選手だと考えています。最終学年では、本当に守備を売りにして行けるほどなのかも含めて、見極めてゆきたいところです。





(打撃内容)

 1年秋と3年春にリーグで首位打者を獲得。2年春と3年秋もリーグ2位の好成績でした。特に3年春は、打率.556厘という驚異的な成績を残し、その勢いで大学選手権に出場。九州国際大戦、関西国際大戦でもホームランを記録。特に関西国際大戦では、延長タイブレークの場面での、さよなら満塁ホームランという印象的なプレーを全国大会で示しました。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えます。腰を深く沈めており、全体のバランスとしては少し癖があります。両目で前を見据える姿勢はよく、球筋を錯覚を起こすことなく追うことができます。アゴを引いて、打席での高い集中力を感じます。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が下る時につま先立ちして、本格的に動き出すのはリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。ここまで始動が遅いと、日本人の筋力やヘッドスピードを考えると、プロレベルの投手のキレやスピードに対応できるのかには疑問が残ります。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 小さくステップして、ベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」がなく、狙い球を絞ってその球を逃さないことが求められます。手元までボールを、できるだけ引きつけて叩くスタイル。

 ベース側に踏み込むので、外角を意識していることがわかります。そのため内角の捌きは、窮屈に見えます。踏み込んだ足元は早く地面を離れるので、外角の球を綺麗に流すというよりも、甘めの真ん中~外角球を引っ張る打撃を得意にしている感じがあります。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 早めにバットを「トップ」に近い位置に持ってきているので、始動の遅さを補おうとしています。こういった打撃は、リストワークに遊びがない分、打てる球は限られる印象があります。

 バットの振り出しも、インサイド・アウトではなく外の球を強く叩くことに重きが置かれています。内角寄りの球が窮屈なのは、踏み込むだけでなくスイング軌道にも影響がありそうです。外の球に対しては、少し遠回り。それでも大きな弧を描いてしっかり振り切ります。そういった意味では打率は高くても、好打者なのではなく強打者なのでしょう。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。身体の開きはさほど我慢できず、外角に逃げてゆく球や低めの球に対してはあまり強くないのではないかと感じます。軸足には粘りが感じれるので、この辺は良いところではないのでしょうか。

(打撃のまとめ)

 極力無駄を排除して、ボールをコンタクトしようという意識が感じられます。その反面、外角をきっちり叩けるスイングでもなければ、内角も窮屈なスイング。すなわち真ん中近辺の甘いゾーンの球じゃないと打てないのではないかという疑問が残ります。

 このスイングでここまでのハイアベレージを残せるというのは、よっぽどボールをよく絞り込んで、打てる球を逃さず叩いているからではないかと考えられます。


(最後に)

 バットにボールを当てる能力、ボールを見極めるセンスなどは、かなり優れていると考えられます。しかし動作を観る限り無駄を極力廃したスタイルで、プロの球をこれで打ち返すことができるのか不安が残ります。そういった意味では、自慢の打撃でもプロでは苦労するかもしれません。

 上のレベルでも通用するであろう守備が、現時点では1番即戦力になりえる部分。走塁のレベルも含めて、今後一年間かけて見極めてゆきたいポイント。昨年の 吉川  尚輝(中京学院大)のように、大学NO.1野手は、今年も地方リーグの選手から出るかもしれません。


(2016年 大学選手権)