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齋藤 大将(明治大4年)投手の最終寸評へ







齋藤 大将(明治大4年)投手の春季寸評へ







齊藤 大将(明治大3年)投手 179/72 左/左 (桐蔭学園出身) 
 




                       「左打者には厄介」





 左打者にとっては、齊藤 大将 の背中越しから来る感覚に陥る球筋は、相当厄介なはずだ。身体に当たりそうな恐怖感を抱くため、なかなか外の球に踏み込めない。更に内角を突くこともでき、左のリリーフ候補としては、2017年度の左腕投手の中でもトップランクに位置する一人だろう。


(ここに注目!)

 桐蔭学園時代から、左腕から繰り出す140キロ台のボールは目立っていました。しかし気持ちのムラが激しいタイプで、一辺倒になるところがあります。更にコントロールも結構アバウトだったので、大学タイプだと位置づけていました。しかし明治では、良い感じで成長してきているのではないのでしょうか。

(投球内容)

 3年生になり、柳 裕也に次ぐ第二戦での先発などを任される機会が増えてきました。リーグ戦ではまだ際立った活躍はないものの、全日本の大学ジャパンのメンバーに選出し、国際大会での登板も経験。ランナーがいなくても、セットポジションから投げ込んできます。

ストレート 140キロ前後~146キロ 
☆☆☆☆ 4.0

 左打者にとって厄介な球筋なだけでなく、ボール自体に非常にキレがあるのが特徴。そのため真っ直ぐで、空振りを誘えるのが強味だといえます。両サイドにも投げ分ける制球力もあり、高校時代よりもコントロールもUP。キレ型なので甘く入ると長打を浴びやすい傾向がありますが、左打者は思っきり踏み込めないので芯で捉えるのは大変かもしれません。

変化球 スライダー・チェンジアップなど 
☆☆☆★ 3.5

 左打者外角に切れ込む、横滑りするスライダーが大きな武器。この球は、左打者には相当遠くに感じるはず。外角へのコントロールも悪くないですし、時には身体に当たりそうなところから内角にも決めることができます。もう少しこの精度を高めたら、左打者はたまらないでしょう。

 右打者に対しては、クロスファイヤーの球筋よりも外角中心に組み立てます。外角低めにしっかりチェンジアップを集められるので、対左に特化しているだけの選手ではありません。もう少し右打者のインハイを突けるようになると、右打者への投球も広がるとは思うのですが。

その他

 牽制は小さいなモーションから投げられて、まずまずのうまさ。フィールディングの動きもよく、野球センスの高さを感じます。クィックも1.1秒台で投げられるなど合格ラインなのですが、ランナーを背負うとボールが上吊ったり制球が甘くなる傾向があります。

(投球のまとめ)

 良い時の投球は素晴らしく、短いイニングでエネルギーを爆発させるには適したタイプだと思います。変化球・コントロールも悪くないので、ただのボールの勢いにかまけたタイプではありません。

 悪い時の踏ん張りやランナーを背負ってからの投球に不安は感じられるので、最終学年でその辺がどの程度修正・成長しているのかがチェックポイント。左打者の内角に決めるスライダー・右打者のインハイを突く投球など、ピッチングの幅を広げられるかも注目です。

(投球フォーム)

左のスリークォーターから投げ込む投手ですが、今後の可能性について考えてみましょう。

<広がる可能性> 
☆☆★ 2.5

 引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻はあまり三塁側(左投手の場合)に落ちるタイプではありません。腕の振りも下げて出てくるので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に鋭く落ちる球種には適しません。

 重心を深く沈めて来るフォームですが、それほど「着地」までの粘りを感じられるフォームでもありません。そういった意味では、身体を捻り出す時間は充分とはいえず、キレや曲がり幅が大きな変化球を習得できるかは微妙でしょう。しかし腕を下げることで、スライダーに大きな曲がりを生んでいること。また小さく沈むチェンジアップの精度は確かなので、それほど新たな球種によってピッチングの幅を広げてゆく必要があるのかは微妙です。むしろ今ある球種を、いろいろなバリエーションで使えるようにして、ピッチングの幅を広げることの方がこの選手の場合大事なのではないのでしょうか。

<ボールの支配> 
☆☆☆☆ 4.0

 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でも地面を深く捉えており、ボールはそれほど上吊りません。セットポジションになると、球筋全体が上がるのが課題でしょうか。

 「球持ち」もまずまずであり、指先までの力の伝え方も悪く無さそう。腕が身体から遠くをまわって振られるので、その点で多少コントロールが乱れる要因かもしれません。ただしそういったことで特徴を出しているフォームなので、修正は難しいかと思います。

<故障のリスク> 
☆☆☆★ 3.5

 お尻は落とせていませんが、カーブやフォークを使ってくることは少ないので肘への負担は少めかと。腕の送り出しにも角度はないので、肩への負担には問題なさそう。

 心配な点をあげれば、腕の振りが外回りでブンと振ってくるタイプであり、多少負担は大きいのかという気はします。また力投派でもあるので、疲れを貯めやすい点。あとテイクバックした際に、背中のラインよりも肩がかなり奥に入り込んでいるので、その点での不安は感じます。いずれにしても、アフターケアには充分注意したい。

<実戦的な術> 
☆☆☆★ 3.5

 「着地」までの粘りがさほどあるタイプではないので、打者としては苦になるフォームではありません。しかしボールが見えてからは、キレのある球がピュッと来るので差し込まれるのだと考えられます。セットになると、そういった面が薄れて合わされやすいのではないかと危惧します。身体の「開き」自体は遅く、ボールが見え始めるのは遅いと考えられます。

 腕はしっかり振れているので、速球と変化球の見極めはつき難いかと。ボールへの体重の乗せは充分という感じではないので、腕や上体の振りの鋭さでキレを生み出すタイプかと。そのぶん空振りは誘えるのですが、球威がないぶん捉えられると長打を浴びやすいと考えられます。

(フォームのまとめ)

 フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「「体重移動」では、「着地」と「体重移動」に課題を感じます。その一方で「開き」の遅さには見るべきものがあるのではないのでしょうか。

 制球を司る動作には優れており、身体への負担もそれほど大きくない。今後ピッチングの幅を広げて行けるかは微妙ですが、球種を増やすことよりも、今ある球種でピッチングの幅を広げることの方が充分だと考えます。


(最後に)

 大学選手権の関西国際大戦で見せた時のように、良い時の投球は素晴らしいものがあります。しかし六大学の成績をみれば、けして突出した内容ではない。ここの原因が何なのか、その辺を深く追求し改善して行けるのかがポイントではないのでしょうか。

 左のリリーフ候補という需要は高いと思うので、しっかりしたパフォーマンスを最終学年も示せれば、2,3位ぐらいで指名される可能性は充分あるのではないかと考えています。先発を務めることで、悪い部分があまり出ない限りは。


(2016年 大学選手権)