坂本 一将(オリックス)内野手のルーキー回顧へ







 坂本 一将(26歳・BC石川)遊撃 162/65 右/左 (浦和学院-東洋大-セガサミー)
 




                      「コツコツと嫌らしいタイプ」





(ここに注目!)

 走力を全面に押し出しつつ、コツコツと当てて来る泥臭いプレーが持ち味。独立リーガー出身だった、内村賢介(元DeNA) を彷彿とさせる。

走塁面: 
☆☆☆☆ 4.0

 一塁までの到達タイムは、左打席から4.0秒台とまずまずの俊足。BCリーグでも、305打席で19盗塁はリーグ4位の好成績。ただしBCでも上位の走力ではあるものの、NPBに混ぜると絶対的な領域かと言われると、そこまでのものは感じない。特に最初から走り打ちするタイプなので、一塁到達は早く出ても純粋な走力はそこまで速くない可能性もある。

守備面 
☆☆☆★ 3.5

 打球への反応よく、スピード感があって小回りの効くニ遊間タイプ。とくにとっさの判断力に優れており、きわどいプレーで力を発揮する。地肩は平凡ではあるが、守備・走塁はすぐにでも二軍戦に入って行けるレベルにある。





(打撃内容)

 強く鋭く振り抜くというよりも、ヘッドを立てて粘り強く当てて来るタイプ。やはり見ていると、本当に強い球に対しては、ひ弱さを感じてしまう。ちなみに今シーズンの成績は、71試合 0本 29打点 19盗塁 5失策 打率.305厘 という成績が残っている。全体的に打高攻投低のBCリーグでは、けして高い数字というほどでもない。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 ほぼ両足を揃え、カカトをトントンと上げ下げしてリズムを整えます。グリップを高めに添え、腰の据わり、全体のバランス、両眼でもしっかり前を見据えられるなど、理に適った構えはしています。特に内村選手から感じられたような、なんとしても甘い球を逃さないという、「鋭さ」みたいなものは感じませんでしたが。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みこんだ底のタイミングで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離・ポイントゲッターが多く採用する始動。しかし彼の場合典型的なアベレージヒッターだけに、若干始動を早めて、より動作に余裕があった方が良いのではないかと感じます。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を引き上げて回し込み、軽くベースから離れた方向に踏み出すアウトステップ。始動~着地までの間はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。アウトステップするように、外角よりも内角寄りの球を意識していることがわかる。踏み込んだ足元は、消してブレないので、外に逃げる球や低めの球にも食らいつくことができる。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である、「トップ」の形をつくるまでは自然体。特に力みは感じられないが、立ち後れないように気をつけたい。バットの振り出しは少し遠回りに出てくるので、アウトステップでも内角が得意というよりは苦手だから上手く振り抜けるようにという意識からだろう。むしろ外角の球に対しては、ヘッドを上手く残してセンター方向中心に粘り強く打ち返すことができている。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるが、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢でき、軸足にも粘り強さが感じられる。

(打撃のまとめ)

 技術的にはかなり完成されており、今後何処までプロの指導で伸び代が残されているのかは微妙。このタイプにしては、内角の捌きが窮屈なのが気になるのと、根本的に当て逃げタイプなので非弱さが否めない。それだけにNPBの一軍レベルの投手というものを想定すると、パワー不足で苦労する可能性は否定できない。




(最後に)

 オリックスは来季から、三軍運営を始めようという話しもある。そういった意味では、こういった守備・走塁でゲームメイクできるタイプの選手は必要だったのかもしれない。しかしそれが、一軍の戦力として計算できるまでになるのかは微妙。それでも浦和学院~東洋大~セガサミーという球歴の持ち主でもあり、そこで生き残ってきた生命力に期待したい。今後の上積みを期待するタイプではないので、ある程度1年目から存在感を示したいところなのだが。


(2016年 リーグ戦)